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公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:105分
監 督:トニー・スコット
出 演:デンゼル・ワシントン、ジョン・トラヴォルタ、ジョン・タートゥーロ、ルイス・ガスマン、マイケル・リスポリ、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ベンガ・アキナベ、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、ヴィクター・ゴイチャイ 他
コピー: 123号車、応答せよ──要求は何だ?
この車両ひとつで、NYはハイジャックできる。
ニューヨーク。一台の地下鉄が緊急停車し、1両目だけを切り離した状態に。運行指令室で勤務中だったガーバーは、無線で応答してきたライダーと名乗る男から、1時間以内に身代金1000万ドルを用意しろとの要求を告げられれる。さらに遅れた場合は1分ごとに人質を一人づつ殺すとも。ほどなく警察が運行指令室に到着し対応に当たろうとするが、何故かライダーは交渉相手にガーバーを指名するのだった…というストーリー。
重低音の音楽にのせて、非常に思わせぶりにスタートするのはいいが、想像させた内容未満のスケールで展開し、あまり上手な監督ではないと感じさせる。いかにもCMディレクターあがりって感じがプンプンする。これがこの監督の一つのウリになっているのはわかるけど、クールさに主眼を置いた演出も次第に鬱陶しくなってくる。
以下、ネタバレ。
もしこの演出が、実は二人はグル?っていう方向のミスリードだというなら理解できる。しかし、実際はそうではなくて、策に溺れた感が丸出し。『マイ・ボディガード』『デジャヴ』から同様のノリで、成長がみられない。目先の演出と全体の流れ上の効果のどちらを優先すべきなのか、この割り切りをしっかりして、映画監督として一皮剥けてもらいたいものである。彼が製作総指揮として携わったモノには良いデキのものが多いので、直接演出しないほうがいいのかも…と思わせる。
シナリオ的にも問題は多い(以下、羅列する)。
中途半端に人が殺され、その死にストーリー的な必然性が薄くてあまり効果的ではない。中途半端に殺すくらいなら、不謹慎とは思いつつも、最後は本当に“激突”させるくらいの不条理感を出さないと。それがいやなら、もっと別の仕掛けを考えるベキである。
金相場の操作で大儲けすることが真の目的なら、当座の逃走資金だけあればいいので、わざわざ身代金を持って歩く必要もない。それこそばら撒いて逃げるくらいでもいいんでしょ?
「帰りにミルクを1ガロン買って来て」とのくだりも、本来ならグっとくるところなんだろうけど、賄賂の件が事実なんだどうかも判然としないのに加え、賄賂疑惑の処分をうけた後、夫婦がどういう葛藤を乗り越えてきたかが見えてこないので、ぼんやりしてしまっている。
あんたは俺のヒーローと言われることで、ガーバーは自分の罪をどう思ったのか。事後に市長とあってどう感じて、彼はどう変わるのか?という点が大事な点だと思うのだが、それも見えてこない。実は、シナリオ的にはしっかりとしたメッセージがあったのに、監督が理解できずに演出に反映できていなかった…そんな気がしてならない。
だから、ライダーの居直りがまったく理解できずに尻すぼみになってしまい、話全体が薄味になってしまった。やはり、物語には“有終の美”ってのが必要で、設定やプロットの思いつきだけで、突っ走るのは罪なんだなと感じざるを得ない。
#その点では、『デジャヴ』よりもグレードダウンしているな。
この中途半端で踏み込みの浅いシナリオを、二人の主役級俳優がそれなりの形に持ち上げたという印象。あまり深く考えないで、物事を何となくスルーできる人にはかなり楽しめると思うが、何か心に引っかかるものを無視できないタチの人は、若干苦痛を覚える作品かも。是非モノとお薦めはできないけれど、100円レンタルなら充分許容範囲。所々はとても楽しんだ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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