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公開年:1988年
公開国:アメリカ
時 間:126分
監 督:アラン・パーカー
出 演:ジーン・ハックマン、ウィレム・デフォー、ブラッド・ドゥーリフ、フランシス・マクドーマンド、R・リー・アーメイ、ゲイラード・サーテイン、スティーヴン・トボロウスキー、マイケル・ルーカー、プルイット・テイラー・ヴィンス、パーク・オーヴァーオール、ケヴィン・ダン、バディア・ジョーラ、トビン・ベル、リック・ウォッシュバーン、トム・メイソン 他
受 賞:【1988年/第61回アカデミー賞】撮影賞(ピーター・ビジウ)
【1989年/第39回ベルリン国際映画祭】男優賞(ジーン・ハックマン)
【1989年/第43回英国アカデミー賞】撮影賞(ピーター・ビジウ)、編集賞、音響賞
1964年の夏、ミシシッピー州ジュサップの町で、三人の公民権運動家が行方不明となる。その捜査のためにFBIは、元郡保安官でt叩き上げのルパートとハーバード大出のエリートであるアランを派遣する。しかし、町の人々はあからさまに敵意を示し、さらに少しでも彼らに協力的な態度を見せた人間は、家を焼かれたり、リンチにあうなどし、口を重く閉ざすことになるのだった。遅々として捜査は進まず苛立つアランに対し、ルパートは、保安官スタッキーの仲間たちが事件に関わっているという確信を抱くのだが…というストーリー。
三人の公民権運動家が殺害される事件は史実であるが、その時の捜査官の働きっぷりについてはフィクションのようである。ただ、当時の町の状況は本作どおりのようだ。
ジーン・ハックマン演じるルパートは「南部の白人が本当に憎んでいるのは黒人ではなく貧しさなんだ」と語るが、これはある意味、真実である。自論だが、この世の人間がとる行動には二種類がある。それは、自分が他人より優位に立ちたい場合に、自分の能力を高めようと努力するか、周りの人間を落としめて相対的に自分を上位にするかのいずれかである。あなたの周りにも、後者の行動をとっても、はずかしともなんとも思わない人間が必ずいるはずである。
人間は物事(特につらいこと)の理由を考えてしまう。何で私だけこんなにつらいのだろう…と。そして答えがみつからない場合は、容易な答えをさがしてきて納得しようとする。アメリカ南部の白人も、自分の貧しさの理由を、黒人のせいだと結びつけた(性格にはWASP以外だが)。その結びつけは、当初はおふざけのようなものだったかもしれないが、次第にもっともらしい理論形成をしていく。その中で子供が成長すると、その理屈の産まれた経緯は忘れらされ一人歩きする。もうこうなると止められない。産まれた理由は消失しているのだから、自然現象のようにそれが正しいと信じて疑いすらしない。他州の人間から非難されても、何を馬鹿なことを…という反応になるのは、もっともなのだ。
今では黒人の大統領が生まれ、本作の舞台であるフィラデルフィアにも黒人市長が生まれている。隔世の感はあるが、現在でもKKKは存在するし、人種差別という言葉が死語になったわけでもない。
人種差別は、無知や無慈悲さや不正な教育のせいで生まれると思う方もいると思うが、発端は自己顕示欲の間違った発露によっておこる。規模は小さいがいじめも同じロジックで発生すると私は思っている。
話は変わるが、そういえば、本作の元ネタである三人の公民権運動家殺害事件の容疑者(KKKのメンバー)が2005年になって逮捕されるというニュースがあったと思う。それも、死刑に時効がないからなのだが、最近の日本でも死刑の時効撤廃が考えられているところで、地味に結びつく。
もしかすると、本作は、今こそ観るべき映画なのかもしれない。ジーン・ハックマンの演技もものすごくよい(同じ刑事を演じた『フレンチ・コネクション』よりも、本作のほうが好きである)。未見の人は、是非観て欲しい作品だ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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