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公開年:2001年
公開国:アメリカ
時 間:114分
監 督:ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー
出 演:ジャック・ブラック、グウィネス・パルトロウ、ジェイソン・アレクサンダー、ジョー・ヴィテレッリ、グウィネス・パルトロー、レネ・カービー、スーザン・ウォード、アンソニー・ロビンス、ブルース・マッギル、ナン・マーティン、ダニエル・グリーン、ブルック・バーンズ、ゼン・ゲスナー 他
コピー:嘘のようなほんとのラブ・ストーリー
父親の遺言を守り、少年時代から外見の美しい女性だけを追いかけ続けてきたハルは、偶然出会った自己啓発セミナーの講師に内面の美しい女性が美人に見える催眠術をかけられてしまう。そして、最初に出会った心の美しい女性は体重300ポンドの巨漢女性で…というストーリー。
ファレリー兄弟の作品。彼らの作品の特徴といえば、『メリーに首ったけ』をはじめ、本物の障碍者を障碍者の役で使う点。アメリカでは賛否両論あるようだが、おおむね好意的に捉えられているらしい。宗教的な部分を除けば、日米間の表現上のタブーにさほど開きはないと思っていたが、この障碍者の扱いという部分は、かなりの差があるかも…と気づいた。映画の登場人物には、当然いいキャラもいれば悪いキャラもいる。障碍者にだっていいキャラもいれば悪いキャラもいるでしょ?という、考えれば至極当たり前のことなのだが、彼らは愚直なまでに全作品に登場させている。
日本映画での障碍者の扱いは腫れ物を扱うようだし、かなり限定的にしか登場することがない(その場合も、表面上は障碍のない人と区別がつかない障碍の場合が多い)。逆に扱うときは仰々しく扱い、それらの多くは差別問題を主題にした映画である。コメディーでさらっと使うことがいまの日本映画界にできるだろうか。たとえば、本作に登場するウォルトのようなキャラクターで。
多分、できないし、やらないだろう。なぜならば、これらに対するクレーム・トラブルを面倒に思うだろうから。それは制作側だけでなく、障碍者側もその準備が十分ではないからに他ならない(アメリカのように障碍者の役者団体なんでほぼ無いだろうし、ヒステリックにクレームをつける団体も多いでしょう)。ひいては、日本では日常空間の中で障碍者がいる風景が全然“ノーマル”でないこと、つまり障碍者の社会進出がいかに進んでいないかということの表れなんだと思う。
誤解を招くといけないので断っておくが、社会進出している障碍者の数に大きなの差があるのか否かを、知った上で述べているわけではない。ただ、障碍者自身の社会進出を望む強さと、それをフォローしようという人たちの強さと、それを自然に受け止めようとする人々の心の土壌があって、それら総体のパワーが、アメリカよりも劣っているのだろうなと思うだけである。そして、それが、映画における障碍者の扱いの違いと、受け止め方の違いに繋がっているのだろうなと…。
映画批評でもなんでもないのだが、私は、障碍のある人も無い人も一緒にプレーできるオープンスポーツが生まれてて、普通にオリンピック競技になるのが、理想だと思っている。(ちょっと伝わりにくかもしれないが)そういう意味で、本作には共感できる部分がある。
話を変える。
原題は“SHALLOW HAL”。“浅はかな”ハルである。これを『愛しのローズマリー』にしちゃうのは、『メリーに首ったけ』が当たったからに他ならず、その後も彼らの作品には、こういうノリの邦題がつけられている。良いとも悪いとも思わないが、同年(未公開)の『ギリーは首ったけ』よりはマシだと思う(笑)。少なくとも、まだ知名度のイマイチだったジャック・ブラックよりは、グウィネス・パルトロウ押しのほうが、収益に繋がると考えたのはうなずける。実際、本作のグウィネスは魅力的である。
人間を量る価値観、それもだれもが無意識に発動している内なる量りの存在に気づかせてくれるという意味で、なかなか考えさせてくれるいい作品だと思う。ただ、実際問題として、人間の価値観は個々のものだという答えに帰結してしまう。そして、それは廻りの環境と折り合いつけるものなのですよ…と、ハッピーエンドという名のオブラートに、ぽやーん包んでラストにしているのだが、決して悪くはない。
あまり、この作品を見るべきと薦める人はいないと思うのだが、私はあえて薦めてみたいと思う。コメディとカテゴライズされていることもあるが、笑える人は多くないと思う。軽いドラマだと思って観て欲しい。見終わった後に、ちょっと心に引っ掛るものがあれば、薦めた甲斐はあったと思う。
#余談。このコピーって、なんか実話みたいじゃないか?そういう情報はないんだが…。もし、実話じゃないなら、サギコピーだな。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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