[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
公開年:2009年
公開国:日本
時 間:130分
監 督:岩本仁志
出 演:玉木宏、山田孝之、山本裕典、山下リオ、風間トオル、デヴィッド・スターズィック、鶴見辰吾、林泰文、中村育二、半海一晃、品川徹、石田ゆり子、石橋凌 他
コピー:世界を変えるのは、破壊か、祈りか。
手塚治虫原作のピカレスク・コミックを実写映画化。政府が闇に葬った虐殺事件の生き残りである2人の青年が、復讐に身を投じる…というストーリー。
本作を観る前に、ご丁寧に原作を斜め読み(手塚治虫全集持ってる)。
映画化が発表されたときに、結城と賀来の同性愛設定は削除というのを聞いて、こりゃ失敗するな…と思っていた。なぜなら、賀来は神父なのに①犯罪に加担してしまう苦痛②復讐者としての苦痛③同性愛者としての苦痛の三重苦を背負っているのだが、その重要な一つが無くなってしまうからである。神父が同性愛者というのが、映画にしにくいという事情は理解できるのだが、本作の主な特徴でもあるので、これを除いてしまうと、もうMWではなくなってしまうに等しいかも。はっきり表現しなくても、ちょっとあやしいくらいの場面を入れておけばよかったと思う。賀来を看病するシーンでそれっぽくなりそうなところがあったので、もうちょっと踏み込めばよかったかも。
同性愛部分がないことで、結城の女らしい設定はなくなり、結果として、女装部分はなくなり歌舞伎役者の家柄という設定も無くなった。映画っていうのは、なんでもかんでも説明しないといけないわけではない。臭わしたり、そういう設定だから…と投げっぱなしにしたっていいのだよ(偉そうにね)。
ただ、ストーリー上のポイントや場面設定はけっこう原作通りにおさえていて、その点はちょっとおどろいたのだが、まあ、色々な要素を省いて、その残りの部分をつなげれば、こうなるか…と。でも、いろいろ省いたわりには、2時間以上あって長いのは気に喰わない。ムダに長いシーンがあって(冒頭のタイは特にムダ)、もっとすっきりできたはず。そういうシーンを入れるくらいなら、結城が犯罪に対して益々何も感じなくなってエスカレートしていき、賀来と対立構造になる点は、もうすこし盛り込んでもよかっただだろう。船から落として「おもちゃを落とした」程度では、不満足だ。
原作では議員の娘は惨殺され復讐がなされるのだが、映画では未遂の状態。なにやら、続編の可能性もあるかな?と色気づいたのか、まだまだこれから的な終わり方をしているのが、少し格好悪い。そこは劇的(か陰湿)な方法で、殺して、ばつっと終わるべきである。最後も姿を見せる必要はない(最後のflumpoolの曲も、場面にマッチしていなくてダサい使われ方。ちょっとかわいそう)。
決してデキはよくないが、原作を穢したとまでは思わない。私は手塚ファンだけど、原作MWの後半は、さほどいいデキとは思っていない。突然同じ顔の兄が出てくるなんてご都合主義もいいところだしね(そんなんで、最後ニヤリとされてもねぇ…)。映画化も色々難しい点があったと思うが、それをナントカまとめた手腕は、評価してもよいかもしれない。CGもなかなかよくできていて違和感はないし。
でも、どうもテレビドラマを見ているようで、映画を観た気にならない。それはカット割と編集かな。もうすこし大作映画のパクりをしてでも、映画らしさって何なのか研究して、こだわったほうがよかったかもしれない。凡作といって片付ける気はないが、お金をかけたテレビスペシャルドラマだと思ってみればよいと思う。特別お薦めはしない。
最後に。私はあまり演者をけなすことはないのだが、玉木宏の演技は平坦すぎる。ここは常軌を逸したクレイジーなキャラクターを演じれるチャンスだったのだから、もうすこし特異な役作りをしてもらいたかったものだ。お茶漬けを喰い始めても別におかしくないというようでは、如何ともしがたい。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |