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image1933.png公開年:2011年
公開国:イギリス、アイルランド
時 間:108分
監 督:デヴィッド・キーティング
出 演:エイダン・ギレン、エヴァ・バーシッスル、ティモシー・スポール、エラ・コネリー 他





獣医のパトリックと妻ルイーズは、娘のアリスを治療中の狂犬にかみ殺され亡くしてしまう。以降、悲しみにくれる毎日の連続で、夫婦の心もすれ違うばかりだった。そこで、立ち直るために、心機一転ウェイク・ウッドという田舎町に引越すことに。心は癒えることはなかったが、それぞれ獣医と薬剤師の仕事を打ち込み、なんとか平静を繕うのであった。そんなある日、薬局に様子のおかしい若い娘を連れた母親と出会う。その違和感が何なのかわからずにいたが、その後、ルイーズは村の不思議な儀式を目の当たりにして、例の娘がその儀式と関わりがあることを知り…というストーリー。

“ウェイク”ウッドなんて名前の村だから、おそらく生き返るんだろうさ…と予想がつく。実際、プロットは『ペット・セメタリー』で、村の様子は『ウィッカーマン』。これらのミックス。

夫は自分の配慮不足だという負い目もあるし、妻はあまりの突然の別れに整理がつかず、おまけに妊娠できない体になってしまったため、1年経っても諦めきれない。きちんと別れを言いたいという気持ち半分、あわよくばそのまま娘を取り戻したいという気持ち半分。
秘術の信憑性がどうのこうのとか、3日経って別れる場面になったらより苦痛を味わうことになるとか、交換条件がこんな気味の悪い田舎に永住しなくてはいけないことだとか、もう、それらを天秤にかけられる精神状況ではないのだ。その証拠に、簡単に娘の遺体を損壊してしまう。ここで普通は我にかえるところだ。

怪しい儀式を行うのがティモシー・スポール演じる太ったじじぃ(『ハリー・ポッター』シリーズでピーター・ペティグリュー(ロンのネズミの正体)を演じていたおっさん)。彼がこうすりゃ生き返るんだって説明しても、ふつうはにわかに信じないだろう。薬局にきた若い娘も、この秘術で生き返ったということなんだろうけど、ちょっと判りにくい。偶然に見かけたあの秘術で、ずるっと出てきたのが、あの娘…というのが明確で信じた…みたいな、彼女が納得するのもさもありなん…っていう演出がちょっと足りないのが難点である。娘の名前を知っていただけではちょっと薄いかも。

(以下ネタバレあり)

振り返って考えると、誰か死んだら復活させて…が可能なので、村全体が生命に対する執着が希薄になっている。設定上どうなのかはわからないが、村外から調達した死体でも可能ならば、会いたいときにいつでも逢える。なんなら本当にお盆に帰ってきてもらうことができる(もちろんアメリカにお盆は無いが…)。さらに、“あの世”の様子も、戻った人たちから聞いていて、それなりに幸せそうだったりするんだろう。だから殺されそうになっても、半狂乱で抗うってこともしない。それが村全体に蔓延している様子がうまく描けていると思う。

『ペット・セメタリー』よろしく、この子、普通の状態じゃない、こりゃ大変だ…という流れ。でも、スカし方がうまいのか、既視感はない。それどころか、一体、どういうオチにするのか…という、緊張感で最後まで牽引するのがスゴイ。
ラストのオチも、きちんと夫の職業が伏線になっていて、バチっと決まっている。ムダに目をそむけたくなるようなシーンを差し込んで、姑息な演出だなと思ったのだが、実は計算されていた。さて、執着の末に取り戻した子はどうなるのか。皆さんの想像におまかせします…って終わり方も、昨今あまり観られなくて新鮮だ。
これ日本未公開?もっと評価されていいと思う。というか、是非観てほしい隠れた良作だ。お薦め。
#これは、各TV局、放映権争奪すべきでしょう。多分安い。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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