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公開年:2012年
公開国:フランス、アメリカ
時 間:89分
監 督:フランク・カルフン
出 演:イライジャ・ウッド、ノラ・アルネゼデール、ジュヌヴィエーヴ・アレクサンドラ、リアーヌ・バラバン、アメリカ・オリーヴォ、サミ・ロティビ、モルガンヌ・スランプ、サル・ランディ、ジャン・ブロバーグ 他
コピー:傷つけなければ、愛せない。





ロサンゼルスでは、若い女性が殺され、頭皮が剥がされるという猟奇連続殺人が発生していた。両親のマネキン店を継ぎ、修復の仕事をしているフランクは、性に奔放だった母親から受けたトラウマのせいで、生身の女性を愛することができない人間となっていた。彼は、マネキンに囲まれている時にだけが、心休まるひと時だだったが、やがて夜の街を彷徨い、若い女性を殺すようになっていった。彼は、剥いだ頭皮を持ち帰り、自分の愛するマネキンに被せては、幸せを感じるのだった。そんなある日、女性カメラマンのアンナが、フランクのマネキンに興味を抱き、個展に出す作品のモチーフにしたいと依頼してきた。アンナは、マネキンの芸術性を理解しており、そんあ女性と初めてであったフランクは、彼女の個展の準備に惜しみなく協力するのだった。初めて生身の人間に好意をもったフランクは、戸惑いつつも彼女との未来を想像する。しかし、生来の欲望も抑えることができず…というストーリー。

なんで、連続で週末に凄惨な作品を観てるんだか…。

多重人格っぽい設定とか、幼い頃の母親のトラウマとか、ディテールが古臭い。こういう症例が多々あるのは事実として、映画では使い尽くされている…という意味で。
その上、昨日の『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』と同じで、殺し方があからさまにはなりはするものの、手口がエスカレートして歯止めが利かなくなるとか、巧みさが増すとかが無くて、飽きてしまう。切り傷から血が溢れる様子とか、映像技術はすごいだけに、残念だ。

狂人なんだけど、観客にひとつまみ程度の共感を感じさせるのが、この手の作品のミソ。、それがないのが本作の敗因だと感じる。途中で、『カリガリ博士』の映像がそのまま使われているが、“そんな人間にされてしまった”という共通点があるといいたいのだと思うが、いまいちピンとこない。狂ってしまった自分から逃れることができない悲哀に繋がっていない。

なぜ髪の毛、それも頭皮に執着するのか?という説明が不足している。髪の毛が彼にとって母性の象徴だとしても、なぜ頭皮も?マネキン職人なんだから、皮なんか剥がなくてもカツラくらいつくれそう。何体も腐らせるより管理も出来映えも良いに決まってるのに、なぜ、あんな状態でなければいけないのか。やはりわからない。

自分を理解してくれるのではないか?と思える人と初めて出会う(思い込みだが)。そういう人が現れたら、いままで愛を注いてきた(彼の感覚では注がれているのかもしれないが)マネキンとの関係に狂いが出てくる。それについて苦悩するシーンも、一応はさまれてはいるようなのだが、どうも“苦悩”している様子の上っ面だけで、彼の心情の分析・理解がなされていないように感じる。よく主人公のことを理解しないで作り進めていたのではなかろうか。

シナリオもなにか不自然。最後のほうで、通りかかった車に乗せてもらったのはいいんだけど、その車が、逃げるんじゃなく、躊躇なく轢き殺しにかかった意味がわからん。フランクがたとえ血まみれだったとしても、事情もわからないのに轢くわけがない。

あまり褒められた出来ではない。お薦めしない。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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