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公開年:1974年
公開国:日本
時 間:89分
監 督:藤田敏八
出 演:梶芽衣子、伊丹十三、吉行和子、原田芳雄、岸田森、安部徹、山本麟一、南原宏治、広瀬昌助、溝口舜亮、浜田晃、石矢博 他
家族の恨みを晴らした鹿島雪は、殺人犯として指名手配になり、逃亡の末に逮捕され死刑判決が下る。執行の日、護送中の雪は謎の男に救出され、特高警察長官・菊井精四郎の屋敷に連れて行かれる。菊井は雪の命を救う替わりに、無政府主義者・徳永乱水の家に潜入し、彼が所持している書類を入手することを命じる。雪は住み込み女中として乱水の家に入り込むが、徳永の行動と考え方に次第に惹かれ…というストーリー。
冒頭、大人数に囲まれての立ち回りから始まるのだが、キャッチーなほどに切られた腕が飛び、血しぶきが溢れるといた前作の演出は鳴りを潜める。それが無くなったら、“マンガ”じゃなくなるわけで、「ああ、こりゃつまらないに違いない」と予感させてくれる。少なくとも前作までの様式美は消えるだろうなと。
前作の舞台は、明治維新後の混乱期で、主たる武器が刀であることに違和感はまったくなかったが、今回は警察官吏から追われているわけで、当然銃を携帯している。途中で出てくる悪役の皆さんも普通に銃を扱う。しかし、都合よく使わないんだよねぇ(笑)。そして、使ったとしても、たとえ近距離発砲だとしても、うまいこと肩とかにしか当たらないんだわ。
話のキーになる文書というのが、とある人物が特高警察の悪行について書き残したもの。内容はインパクトがあるのかもしれないが、その文書自体にどれだけ証拠能力があるというのか甚だ疑問(公的な文書でもなけりゃ、絶対的な証拠になるわけでもない)。
そんな、根拠のふわふわした文書の在り処を知るために乱水を拷問するのだが、あまりに吐かないもんだから最終手段としてペストに感染させて放り出す。逃げ込む先に文書があるに違いないから、感染防止の名目で焼き払っちゃえばいいじゃん!と、トンデモ展開。そんな作戦でいいのか?と思いつつも、目論見どおり展開し(笑)、結果としてスラム街は焼き討ちにあい、兄のペストが感染した周介と雪だけが生き残る。最後は二人が菊井たちに特攻してく…と。
こうなってくると、観ている方は、映画に引き込まれるどころか、どんどん醒めて行く。
乱水は大杉栄のイメージなのかな。藤田敏八が学生運動にシンパシーを感じているからなのかもしれないけど、学生運動家のお花畑思考が前面に出てきちゃっている。元々リアルとは無縁な設定なので、マンガ・フィクション的なノリをキープしないと、矛盾やアラが目立ってしまうのに。
“怨み恋歌”とあるけれど、雪が恋するわけではない。徳永乱水が実弟・周介が出征している間に妻あやを寝取ってしまったことを指している模様。つまり徳永周介の怨みってことみたい。タイトルにするほどのポイントか?と私なんかは思うんだけど、それも活動家側に比重を置いている証拠だと思うよ。
こんな調子だから、肝心の“修羅雪姫”に焦点が合っておらず、他人の義憤に同調する過程がしっかり描けていない。私が梶芽衣子なら文句いいたくなるわ。
作る意味のなかった続編。駄作だと思う。
#途中、悪役の丸山警部が、妻あやにアイスピックで目を突かれアイパッチ状態に。その後、雪との戦闘で残った目をくりぬかれ悶絶。これ、『キル・ビル Vol.2』のエル・ドライバーの元ネタだね。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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