[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
公開国:アメリカ
時 間:87分
監 督:バリー・クック、トニー・バンクロフト
出 演:ミンナ・ウェン、エディ・マーフィ、B・D・ウォン、ミゲル・ファーラー、パット・モリタ、ジョージ・タケイ、ハーヴェイ・ファイアスタイン、スーン=テック・オー、ジェームズ繁田 他
ノミネート:【1998年/第71回アカデミー賞】音楽賞[オリジナル・ミュージカル/コメディ](ジェリー・ゴールドスミス)
【1998年/第56回ールデン・グローブ】音楽賞(ジェリー・ゴールドスミス)、歌曲賞(曲:マシュー・ワイルダー“Reflection”、詞:David Zippel“Reflection”)
コピー:この秋、激しくも美しいヒロインが鮮烈な感動を贈ります
秘めたる想いを胸に 少女ムーランは 髪を切り 戦士になった… 私は決してふりかえらない
ファ家のひとり娘ムーランは、女らしくすることが苦手で、嫁ぎ先が見つからず、家族を悩まさせていた。そんなある日、北方騎馬民族フン族が中国に侵攻してきた。皇帝は各家から男子一人を出征させるように命を下した。しかし、ファ家の男は、老いて足の悪くなった父しかいない。父想いのムーランは、長い髪を切って男装し入隊するのだった。そんな彼女を心配した先祖の霊たちは、ファ家最強の守護竜を降臨させてムーランを守らせようとしたが、手違いで弱小の守護竜ムーシューを呼び出してしまう。仕方なくムーシューを派遣。それでも、ムーランはムーシューの力を借りて、なんとか軍隊の厳しい訓練をこなしていくのだったが…というストーリー。
あんまり女性らしい行動が出来ない子…という描写はあったが、男まさり…という描写はなかったので、急に徴兵に応募する展開が、少々不自然に感じられた。『リボンの騎士』的なお話で、ありがちなプロットではあるが、女性の活躍と、純粋な立身出世物語として、ストレートに楽しめる内容だと思う。
ただ、それ以外に、ストーリーらしいストーリーはないのも事実。メリハリをつけるために、場面場面すべてでドタバタを差し込んでいる感じ。恋愛については、それを主軸におくとストーリーが壊れてしまうので、ラスト以外は友情の範囲に収めているので、そういう意味では女の子向けとは言い難いのかも。
では、戦争スペクタルとして優秀かといわれると、敵が中華の派遣を握っている統一王朝を脅かすほどの勢力には見えないという大欠点があり、盛り上がりに欠ける。黄巾党みたいなのが、同時多発的に各地で勃発して、ムーランのいる地方にも…という話ならわかるのだが。アメリカ人は、中国のスケールを理解していないし、歴史もよくわかっていない模様。フン族って、いつの時代に比定しているのかわからん。テュルク族とかが適当なんだと思うけど、それにしてもスケールが小さい。皇帝の城に攻めてくるラストだが、敵の数が少なく、且つ城の周りにいる民衆も、ただ眺めているだけという、ある意味シュールなクライマックス。
まあ、アメリカ人はおバカだし、アジアの歴史なんかまともに描くつもりはなさそうなので、違和感など感じないんだろう。お粥を箸で食えるかどうかは、アメリカ人でもなんとなくわかりそうなもんだけどね。
個人的には、民族的特長を出しすぎなキャラデザイン云々よりも、ご先祖が降りてきて会談するシーンが、なにか不快に感じる。なんでだろう。
私なら、あの小さい竜とかコオロギは出さない。『ピノキオ』的な効果を狙ったんだろうがストーリーにマッチしていない。
まず、ムーランの村に世捨て人のような老人を出す。村人からは疎まれているがムーランはやさしく接する。そして父もそんなムーランの行動を暖かく見守る。ムーランが男装して入隊したことをしった老人は、密かにムーランの後を追い、影からムーランを助ける。実はその老人は、以前皇帝の使えた軍師だったのだ。そして、皇帝とはちょっとした因縁があり、ラストではその因縁や過去の事件が明かされ、皇帝と老人も和解する。こんな話にするかな。要するにご先祖の霊とか妖精とか、そういうテイストと合わないプロットだと思うんだよね。
ストーリー面での苦言はここまでにして、技術面の話。
奥行きのある構図で、ヘタな3D作品なんかよりも、よっぽど空間を感じられる。まあ普通の遠近法なんだけど、原画マンの基本が出来ているってことだね。CG全盛になる前のディズニー作品の中で、一番のデキだと私は思う。手塚治虫が『バンビ』を見習って、自分の糧にしたように、本作の構図は見習う価値がある。これをただトレースするだけで、とてつもなく技術向上するんじゃなかろうか。
昨日観た『009 RE:CYBORG』がいかにクソかを、本作でも思い知らされる。それはね、原画のエッジの線。『009 RE:CYBORG』は全部黒でしょ。本柵は塗り色に近い色で書かれている部分が多く、雰囲気を毀損していない。
ストーリーの練り上げがもう少々できていれば、大傑作になったであろう作品。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
11 | 2024/12 | 01 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 | 31 |