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image1669.png公開年:2010年 
公開国:アメリカ
時 間:105分
監 督:イーサン・マニキス、ロバート・ロドリゲス
出 演:ダニー・トレホ、ジェシカ・アルバ、ロバート・デ・ニーロ、スティーヴン・セガール、ミシェル・ロドリゲス、ジェフ・フェイヒー、ドン・ジョンソン、シェー・ウィガム、リンジー・ローハン、チーチ・マリン 他




連邦捜査官マチェーテは、麻薬王トーレスによって愛する家族を殺され、現在は失意のままアメリカに不法移民として留まっている。抜け殻のように生きながら、その胸の内では復讐の機会を狙っていた。そんなある日、謎のビジネスマンから喧嘩の腕を買われ、高額の報酬で不法移民弾圧をスローガンに掲げるマクラフリン議員の暗殺を依頼される。しかしそれは、不法移民を暗殺犯に仕立て上げることで、不法移民排斥を有利に進めようとする、クラフリン側が仕組んだ罠だったのだ。犯人として捕らえられそうなところを何とか切り抜けたマチェーテは、タコスを販売しながら裏で不法移民を支援する女性ルースと、今でこそ牧師だが昔は殺人も厭わなかった男パードレの助けを借りて、反撃に出るのだった…というストーリー。

ロドリゲス監督の『グラインドハウス』に含まれるフェイク予告編の評判が良かったので、本当に映画にしちゃったって作品。ようするに悪ノリで生まれたってことだね。
フェイク予告編の評判がよかったってことは、プレゼンレベルで成功しているようなものだから、あとはトコトン悪ノリをし続ければいい。こういうノリで作られた作品が、楽しくならないわけがない。

ダニー・トレホ(『スパイ・キッズ』の子供達の叔父さん役の人ね)が主役を張るようなレベルではないのと対比して、デ・ニーロにセガールにジェシカ・アルバと、主役級を遠慮なく脇役(それも端役に近い役)で使っちゃう。この豪華さ。

とはいえ、スティーヴン・セガールは、主役でもなければ正義の味方でもないとき、こんなにしょぼくて奇妙に映るのかと、驚くほど(笑)。ダニー・トレホとB級感と合わさって。この映画全体のB級感の半分を担っているといってもいいほど。

そして、この手のロドリゲス作品ではお約束の、一線をちょっと超えたレベルのエロ演出。そんなエロに直面しても、一切鼻の下を伸ばすことがないダニー・トレホがだんだん格好良くみえてくるから不思議(別に手を出さないわけではないのだが)。男の格好よさって何なんだろうって、ちょっと考えさせられちゃう。

B級感をだそうとして、わざとフィルムを劣化させたような画像処理が陳腐極まりなくて、邪魔臭いが、それは大目に見るとしよう。『グラインドハウス』も同じようにB級一直線を目指した作品だったと思うのだが、どこかに、劇場公開を見据えたA級感が漂っていた。しかし、本作にその臭いはない。それなのに、おそらく劇場で観た人の満足度は結構高かったのではないかと思わせる何かがある。
ノリと統一感のある雰囲気づくり、現実世界を頭によぎらせない疾走感。もしかすると、金を払ってみる価値の有り無しは、巧みなシナリオでも高等な技術でもないのかもしれない。

移民政策に対する政治的なメッセージがありそうに見えながら、実のところなにがいいたいのかよくわからないという、掴み所の無さもよい。色々考えさせてくれはするけど、深く考えさせもしない、良作でも佳作でもない“おもしろい”作品。お薦め。
#さすがのジェシカ・アルバもはじけるような美しさは薄れてきたかな…。





負けるな日本

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