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image1212.png公開年:1989年 
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:スティーブン・ソダーバーグ
出 演:ジェームズ・スぺイダー、アンディ・マクダウェル、ピーター・ギャラガー、ローラ・サン・ジャコモ、ジェームズ・スペイダー、ロン・ヴォーター 他
受 賞:【1989年/第42回カンヌ国際映画祭】パルム・ドール(スティーヴン・ソダーバーグ)、男優賞(ジェームズ・スペイダー)、FIPRESCI[国際映画批評家連盟賞](スティーヴン・ソダーバーグ)
【1989年/第15回LA批評家協会賞】女優賞(アンディ・マクダウェル)、ニュー・ジェネレーション賞(ローラ・サン・ジャコモ)
【1989年/第5回インディペンデント・スピリット賞】作品賞、監督賞(スティーヴン・ソダーバーグ)、主演女優賞(アンディ・マクダウェル)、助演女優賞(ローラ・サン・ジャコモ)
【2006年/アメリカ国立フィルム登録簿】新規登録作品

弁護士のジョンと専業主婦のアンは、理想的な夫婦。しかし、ジョンはアンの妹シンシアと肉体関係にあり、アンはジョンとの夫婦生活に違和感を感じ精神科のカウンセリングを受ける日々。そんなある日、ジョンの旧友グレアムが彼ら夫婦を訪れる。グレアムと関わることで、アンの内面に潜んでいた自分自身が浮かび上がり、これまでの生活が偽り満ちていると思えてきて…というストーリー。

けっこう好きな監督ソダーバーグだけど、そのデビュー作を観るのははじめて。というか、当時、このタイトルのビデオをレンタルするのが、なんとなく憚られただけなんだけど。もう、そんなこと気にする歳ではない。

一言でこの作品を表現しろといわれれば“寸止め”かな。相手の心に踏み込むことで人生が変わっていくような内容ではあるけれど、すべての人間関係がザクっと刺さっていない感じ。そう、あらゆる関係が“ためらい傷”レベルの影響しか与えていない。この寸止めで生じている空気感を良いと思うかどうか。

決して悪い作品だなんて思っていない。むしろかなり好意的に観た。しかし、若干26歳にしてパルムドールを獲った作品ではあるが、そこまで高い評価に値する作品かどうかは微妙。というか、カンヌの選考委員が独りよがりでアーチスト気取りの馬鹿なのか、もしくは他の作品がポンコツだったかだと思う。
#ちなみに、今村昌平の『黒い雨』も候補だった年だね。
こういう寸止め演出というのは、その余韻と必要以上に演出しない手法のせいで、見ている側の想像に拠るところが多い。自分の気に入ったものは認めるけど、気に喰わないものは認めないような人だって、自分の想像したものは、自分の描いた好みの想像なわけだから、評価は高くなるのはあたりまえ。自分大好きなやつらばかっかりだもの。他人の作品を評価してるんじゃなくて、自分の想像力を評価してるだけなんだよね。
そして、こんな若い奴が金もかけずにこんな作品をつくった。俺こんな奴みつけたわ!って、パトロン感覚が加わる(カンヌには、こういう“ニッチ”志向が強くある)。

やっぱ、カンヌ映画祭はセンスには会わない。私の中ではラジー賞と同レベルだと思う…って、書いたところで、ラース・フォン・トリアー監督が“ヒトラーに共感”発言したことで、カンヌ映画祭から追放というニュースが入り込んできた。ほーら、馬脚を現したぞカンヌ映画祭。あの程度の発言で追放とは恐れ入るよ。いくらヒトラーが大悪人だろうと、その人生において彼が感じたことについて、一部たりとも共感しちゃいけないなんて、何様のつもりだ!別にホロコーストを賞賛したわけじゃあるまいし(ましてや、少し心や病んでる人間をつかまえてさ)。くだらねー、私がカンヌに参加してたら、途中で帰ってくるわ。そんな恐ろしい映画祭。なんで、ユダヤ団体やイスラエルにいちいちヘコヘコしなきゃならんのか意味わからん。彼らは“絶対正義”ではない。ほんとウンザリ。まあ、9割がクソみたいな映画しか賞がもらえない映画祭だから、どうでもいいけど。こんな映画祭、やめちまえばいいんだ。

閑話休題。

ただ、この空気感に目が離せなくなるのは、カメラワークがたくみだから(カメラマンがいのか、ソダーバーグのコンテがいいのかは、わからないけれど)。最近、毎度毎度同じことを言っていて申し訳ないんだけど、メインキャラの二人が、作品の中で大きく変化してく様子を描いているという、シナリオの基本中の基本ができているし、そして、変化を及ぼしている要因、つまり“セックス”と“嘘”と“ビデオテープ”が直球でタイトルになっているという、「ソダーバーグ、わかってるなぁ~」って感じ。巻き起こってることは、けっこうエグい話なのに、これをサラッ
とした後味に纏め上げているこのセンス・力量、そしてこれがデビュー作っていう驚き。一定の評価と期待を集めるのは強く理解できるし、実際に後々その期待には応えてくれているわけだから(だんだんデキが悪くなってると揶揄されることはあれど)。

それに、今回レンタルしたDVDには、吹替音声が付いていなかったんだけど、口調による感情表現が効果的な作品なので、久々に原音声で観てよかったなと思えた作品だった。
パルムドール!ってことで、過剰に期待しなければ、非常に愉しめる作品。軽くお薦め。でも、30歳台以上むけかな…という気はする。




負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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