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公開国:アメリカ
時 間:165分
監 督:クエンティン・タランティーノ
出 演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン、ドン・ジョンソン、ジョナ・ヒル、ウォルトン・ゴギンズ、デニス・クリストファー、ローラ・カユーテ、M・C・ゲイニー、クーパー・ハッカビー、ドク・デュハム、ジェームズ・ルッソ、トム・ウォパット、ジェームズ・レマー、マイケル・パークス、フランコ・ネロ、ジョン・ジャラット、ニコール・ガリシア、アトー・エッサンドー、ドン・ストラウド、ラス・タンブリン、アンバー・タンブリン、ブルース・ダーン、クエンティン・タランティーノ、ゾーイ・ベル、マイケル・ボーウェン、ロバート・キャラダイン、テッド・ニーリー、ジェームズ・パークス、トム・サヴィーニ、サミ・ロティビ、レックス・リン、マイケル・バコール、ネッド・ベラミー、オマー・J・ドージー、エヴァン・パーク、リッチー・モンゴメリー、ジャロッド・バンチ、ジャマール・ダフ、トッド・アレン、ルイス・スミス 他
受 賞:【2012年/第85回アカデミー賞】助演男優賞(クリストフ・ヴァルツ)、脚本賞(クエンティン・タランティーノ)
【2012年/第70回ゴールデン・グローブ】助演男優賞(クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ)、脚本賞(クエンティン・タランティーノ)
【2012年/第66回英国アカデミー賞】助演男優賞(クリストフ・ヴァルツ)、オリジナル脚本賞(クエンティン・タランティーノ)
【2012年/第18回放送映画批評家協会賞】オリジナル脚本賞(クエンティン・タランティーノ
【2012年/第22回MTVムービー・アワード】トンデモ・シーン賞(サミュエル・L・ジャクソン、ジェイミー・フォックス:ジャンゴによるスティーブンの処刑シーン)
コピー:これがワイルドだ。
南北戦争勃発前夜のアメリカ南部。賞金稼ぎのドイツ人歯科医キング・シュルツは、お尋ね者三兄弟の顔を知る黒人奴隷ジャンゴを見つけると、彼の鎖を解き放ち、三兄弟の追跡に繰り出す。その後、ジャンゴの腕を見込んだシュルツは、彼を賞金稼ぎの相棒にして2人で旅を続けることに。しかし、そんなジャンゴが真に目指す先は、奴隷市場で生き別れた最愛の妻ブルームヒルダのもと。やがて、彼女が極悪非道な農園領主カルビン・キャンディに売り飛ばされたことを突き止めたジャンゴとシュルツ。2人はキャンディに近づくため、ある周到な作戦を準備するのだが…。
165分となかなかの長作。でも、テンポの良い作品という印象はないのに、観終わった後、何故かその長さを感じない。「ああ、こんなに長かったんだ…」って感じ。タランティーノのシナリオが優秀すぎるんだと思う。ちょっと神が降りてきたレベルかも。
場面転換でダレそうなところなんだけど、音楽のチョイスが絶妙すぎて、別の街へ移動しているだけのシーンでも、いい気分に浸れるほど。
この選曲のセンスは、今の日本映画にはないなぁ。
クリストフ・ヴァルツが助演男優賞を数々受賞ているが、彼の演技もさることながら、Dr.シュルツというキャラクターの設定が非常によかったと思う。かなり割り切った守銭奴として登場するが、反面それ以外の思想面はフラットだといえる。人種差別なんか金の問題に比べれば、どうでもいい…って感じ。でも、ジャンゴという“人間らしい”黒人に出会うことで、自分の中にある何かに気付く(簡単に“自由”とかいいたくない)。別にシュルツが黒人奴隷問題に目覚めたってわけじゃなくて、ジャンゴという人間の魅力を素直に認め、さらに尊敬に似た感情を抱いていく。
最後の「我慢できなかった」という台詞。これが、彼の内面の変化をすべて表しているね。どうしてそこまでジャンゴに手を差し伸べ続けなければならないのか…と、鑑賞中は思ったのだが、たった一言で腑に落ちる。
一見、無駄とも思える会話の応酬に、耳を奪われるのは、あいかわらずのタランティーノ節。白覆面のくだりとか、もうどうでもいいのに、聞いちゃう。居酒屋で隣の席のおもろいおっさんの話に思わず耳を傾けてしまうアレだわ。
地主キャンディと奴隷頭スティーブンのコンビ。おそらく実際の大農園では往々にして存在したであろうこの構造。キャンディの狂気とお坊ちゃま性の共存具合をレオナルド・ディカプリオが見事に演じ(というかキャスティングが良い)、従属と支配というアンビバレントな要素が見事に混在している“悪魔”スティーブンをサミュエル・L・ジャクソンが演じている(こっちは、演じているというよりも、“化身”しているレベル)。「いいから、書斎にこい!」このささやき一つで、真の関係性が見えるってのがすごい。
無駄なおもしろおしゃべりと、こういう一発でキメる台詞の振幅がすごい。やっぱり、このシナリオすごいんだよ。
人種問題もそうだけど、女性の地位向上についてだって、最終的な敵は“味方サイド”にいる。いつまでたっても全然問題が解消されていない…っていう世の中の出来事の半分の原因はこれ。もう半分は、問題の対立構造で得をしているやつがいて、維持している。
復讐というテーマを前面に出して、こういう社会構造の影にも切りつけている。シナリオの多重性という意味でも優秀。『イングロリアス・バスターズ』でも人種差別を扱ったが、やっぱりナチスを出すとふわっとしちゃう。自国の歴史で且つ黒人奴隷問題という
#そう考えると、ある意味、本作も昨今のリンカーン物連発の流れっちゃあ流れではあるな。
主人公ジャンゴの話にならなくて申し訳ないが、闇雲な暴走者でもないし、知恵者ってわけものないが、確実に青白い復讐の炎を絶やすことが無い、冷静なリベンジャーとしてのジェイミー・フォックスの演技は良かった。格好よい。
#なんで、炭鉱送りからキャンディの屋敷に戻るとき、裸馬にしたのか意味不明だが、なんかのパロディだろうか(すまぬ、西部劇は詳しくない)。
『アメイジング・スパイダーマン』がTSUTAYAオンリーだったのは、まああの程度の出来なら許容範囲か…と思ったが、本作がTSUTAYAオンリーなのはいかがなものかう。もっと広く観てもらいたいレベルの作品。
#コピーが、超絶的にダサい。これ考えたヤツは、2年くらい昏睡状態になればいいのに。そう思うくらいダサい。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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