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公開国:アメリカ
時 間:103分
監 督:ジョージ・ロイ・ヒル
出 演:マイケル・サックス、ユージン・ロッシュ、ロン・リーブマン、シャロン・ガンス、ヴァレリー・ペリン、ジョン・デナー、ペリー・キング、ロバーツ・ブロッサム、フレデリック・レデブール 他
受 賞:【1972年/第25回カンヌ国際映画祭】審査員賞(ジョージ・ロイ・ヒル)
ビリー・ビルグリムは、第二次世界大戦に参加し、帰還後はビジネスでそれなりの成功を収め、外見的には平凡な男だった。しかし彼は、自分の意思とは無関係に、過去や未来や現在を行き来するという、変わった能力を持っていた。ある朝、謎の部屋でガールフレンドのモンタナとイチャついていたかと思えば、次の瞬間には、ドイツ軍の捕虜となりドレスデンの捕虜収容所でナチスの虐待を受け、恐ろしい体験をする。そうかと思えば、帰国後の妻との出会いや、その後の凡庸でつまらない生活を追体験してうんざりすると、またもや捕虜生活に逆戻りする。そして、結婚1年後のビリー夫婦の家に移り、愛犬と一緒に湖畔に座っていた彼は空を飛ぶ光る物体が、近づいたり離れたりするのを目撃し…というストーリー。
いかにも珍作という雰囲気を前面に出した作品。主人公は、過去・現在・未来をヒュンヒュン移動するという設定がミソ。各時代の似たようなアクションやセリフを編集点として、時間が飛んでいく様子は確かに面白かった。
しかし、“時間と飛んでいく”という設定が、純粋にピンとこない。時空を越えて旅をしてるんじゃあくて、ただ、昔のことをフラッシュバックで思い出しているようにしか見えない。途中でモンタナが「また過去にいってるの?すぐわかるわよ、あなたの様子で…」というセリフがある。つまり、過去にいっている間はぼーっとしているわけで、時間を移動しているわけではないじゃない。中途半端な演出かな。
時間軸がずれている並行世界を意識だけが渡り歩いていて、別の世界にいっている間は意識を失っている…、そういうことかな?
でも、どの世界にいっても、結局ドイツに戻ってしまうところをみると、ドイツで瀕死の目にあって、その時の妄想だったりするのかな?なんて、この前『ジェイコブス・ラダー』を観たからかもしれないけど、そんな風に思ってしまった。ドレスデン爆撃のシーンが、やたら執拗に描写されているので、余計に。しかし、結局、SFになっちゃうという、斜め上の展開。正直、私にはその演出意図が、理解できず消化不良。
無理矢理に深読みすれば、捕虜施設にて全体主義/共産主義に対するやりとりがくりひろげられるが、伝えたい真意はそこなのかな…と。
反共産バカのアメリカだけど、争いは似たもの同士の間でしかおこらない。強い公権力で国民を支配するという統治手段や、対立のために周辺国を衛星的に陣営に取り込む手法は、アメリカも同じだからね。いや、言いたいことはわかる。でも、そういう反政府的な思考をもった人が、自分の思い通りにならないからって、SF的な作り話を持ってきて溜飲を下げてるようなのは如何なものか。切り口が鋭いわけでもなく、物陰でウジウジ文句いっているような内容は、嫌い。
#「ママの車、キャデラックなのよ?」の意味がわからんけど、結局アメリカを揶揄したいだけなのかも。
おまけに、“ドレスデンが広島以上?”とか、寝惚けたセリフもあるし。なんか白人の馬鹿さ加減が所々がにじみ出ているような気がする。
昇華しきれていない、奇形のルサンチマンを観せられた気分。でもカンヌでは賞がもらえる。体制に楯突いてりゃ価値があると思ってる、馬鹿カンヌ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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