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公開年:1987年
公開国:日本
時 間:120分
監 督:山賀博之
出 演:森本レオ、弥生みつき、村田彩、曽我部和恭、平野正人、鈴置洋孝、伊沢弘、戸谷公次、安原義人、島田敏、安西正弘、大塚周夫、内田稔、飯塚昭三、徳光和夫 他
有人宇宙飛行をめざして設立された王立宇宙軍だったが、実験は失敗続きで、その存続すら危うい組織。宇宙軍の士官であるシロツグ達すら、本当に宇宙にいけるとは考えておらず、安い給料でも不況の中で職さがしをするよりは良いと、怠惰な日々を送っていた。そんな中、いよいよ宇宙軍の廃止が検討されはじめたため、長官は最後の勝負に、独自のコネクションで資金を集め、有人飛行実験を強行することに。そして、偶然に街で出会った少女リイクニに刺激を受けたシロツグは、そのパイロットに志願するのだが…というストーリー。
『AKIRA』がジャパニメーションの事始だと前に書いたが、海外から見ての“THE ジャパニメーション”的な位置づけではないかもしれないが、アニメとか実写とか、そういう枠をとっぱらって、純粋に素晴らしい日本映画だと思う。ナレータに森本レオをもってきたこと、音楽に坂本龍一をもってきたこと、いまでこそあたりまえのプロデュース手法かもしれないけど、本作がパイオニアだといってよい。
ストーリーが凡庸だとか、いまさら有人宇宙飛行をテーマにしたアニメに何の意味があるのだ?とか、そういうことを言うバカがいたのだが、そういうやつはとっとと退散すればよい。じゃあ、『ライトスタッフ』や『アポロ13』はくだらないとでも?個人が抗うことのできない世の流れの中で、目的を果たそうとする姿がくだらない?逆にこの良さがわからない人の神経が私にわかりませんけどね。
まあ、逆にいえば、“アニメファン”の嗅覚の埒外に存在するという証明だし、純粋に素晴らしい日本映画という私の評価の裏づけでもあるんだけど。
絵柄がアクが強いとか、前半の森本レオがヘタクソだとか難点は色々あるのだが、まあ、当時の原画マンの線の調子とか影のつけ方はあんなかんじなのでしょうがないし、いまでこそナレーションで有名な森本レオだが、これがアフレコ初仕事らしいし。
しかし、それらを補って余りあるサブカルチャーをとことん突き詰めたディティール。これこそ、この映画の厚みであり、世に長く愛される映画の重要なファクターでもある。“文化”っていうのは、学術的に列挙される特色以上に、実際はサブカルチャーといわれるものが形作っているのだから。
これになんの賞もあたえられなかった、日本映画界ってどうなんでしょうねぇ。
かなり昔に観たけれど、その時はどおってことなかったなぁ…って人は、騙されたと思って観直していただきたい。年齢を重ねるごとに、益々、味を感じることができる、スルメみたいな作品なので、お薦めする。
#このサントラCDをもっていたんだけど、紛失してしまったなぁ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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