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image1635.png公開年:2010年 
公開国:日本
時 間:106分
監 督:中島哲也
出 演:松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、藤原薫、橋本愛、天見樹力、一井直樹、伊藤優衣、井之脇海、岩田宇、大倉裕真、大迫葵、沖高美結、加川ゆり、柿原未友、加藤果林、奏音、樺澤力也、佳代、刈谷友衣子、草川拓弥、倉田伊織、栗城亜衣、近藤真彩、斉藤みのり、清水元揮、清水尚弥、田中雄土、中島広稀、根本一輝、能年玲奈、野本ほたる、知花、古橋美菜、前田輝、三村和敬、三吉彩花、山谷花純、吉永あゆり、新井浩文、山口馬木也、黒田育世、芦田愛菜、山田キヌヲ、鈴木惣一朗、二宮弘子、高橋努、金井勇太、野村信次、ヘイデル龍生、吉川拳生、成島有騎、小野孝弘、三浦由衣、前田想太 他
受 賞:【2010年/第34回日本アカデミー賞】作品賞、監督賞(中島哲也)、脚本賞(中島哲也)
【2010年/第53回ブルーリボン賞】作品賞、助演女優賞(木村佳乃)、編集賞(小池義幸)
コピー:告白が、あなたの命につきささる。

ある中学校の終業式の日。1年B組の担任・森口悠子は、教壇から生徒にある告白をする。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡するという事件があったが、警察は事故と断定したが、実はこのクラスの生徒2人よる殺人だったと。しかし、たとえそれを白日の下にしたとしても、彼らは少年法に守られて罰せられることはない。だから、自分の手で処罰することに決めた、と彼女は宣言し…というストーリー。

原作は読んでいない。あくまでこの映画をみた上での感想・指摘である。なぜ、その断りを入れるかというと、これから述べる、問題のあるポイントは、おそらく原作の段階から存在する問題だと思うから。

中島監督の前作『パコと魔法の絵本』が、ただただカラフルで奇抜なだけの表現に留まっていたことに失望し、次回作に多大に期待していた私。打って変わってカラフルさは鳴りを潜めたものの、そのエネルギーは、“告白”という言葉の羅列をいかに効果的に視覚を用いて訴えるかに注がれ、見事に成功している。
ホメ言葉に聞こえないかもしれないが、誤解を恐れずに言うと、デキよいプレゼン資料を見せられた感じ。「いやー、同じことを説明しようとしているのに、こっちの資料は見せたいところのポイントのメリハリがあって、表現もすっきりしていて、いいですねー」なんて、お客に褒められて、いかにもコンペに勝てそうな資料みたい。
中島監督といえば色彩表現だけど、じゃあ、色を除いたら何が残るのか。別にきらびやかな表現だけが俺の能力じゃねえ!そういう演出上のテーマがあったかどうかは知らないが、そういう挑戦的なものは感じる。別にこの告白という作品で、従来の色彩表現を使ってはいけないという制限は無いのだから。
他の監督が、本作を撮ったなら、もっと普通の“告白”になっただけだろう。映画にする意味があったの?のオンパレードだったと思う。特に、冒頭部分の森口による告白部分なんて、ほぼ棒読みのセリフが続くだけなんだから、ヘタな監督がやったら、この段階で半分以上の観客が「ダメだこりゃー」状態になったのは必至。中島監督だったから持ちこたえたられたのだ。こういう、ある意味奇抜な原作を映画化するには、このくらい“毒”ともいえる演出は最適だったと思う。演出の面では、私は大満足しており、中島監督の次回作にも期待したい。

で、その中島節をもってしても、覆い隠せなかったシナリオ上の問題点とはなにか。ただ1点。なんで、森口のやったことを口外すると犯人Cとみなすというメールだけで、誰一人、親に言わないのかという点。自分以外の誰かが公表してしまうかもしれないし、それを心に留め置くつらさよりも、親にチクったほうが心が楽になるに決まっている。犯人Cとみなすということは、同じように感染させてやるぞ!という脅迫以外の何者でもないわけだが、森口の所業を複数の生徒が公言してしまえば、その森口自体の行動は制限され、おそらく安全になるはず。森口がそういうことをしたという証明ができないから…という見方もできるが、複数の生徒が言えばおそらく問題にはなるはず。生徒がHIVの基礎知識もないポンコツで、謝った恐怖を抱いたとしても、それとこれとは別の問題。やはり、何をどう天秤にかけても、数十人の生徒の行動を束縛できるだけのパワーがそのメールには無い。
で、おそらくこのあたりは、原作からそうなんだろうな…と。この点に関しては、どういう演出にすればリアリティを持たせることができるか、色々考えたが思い浮かばなかった。

もう一点だけ、残念な点は、松たか子がどうしても森三中の村上さんに見えてしまったこと。別に揶揄しているわけでもなんでもなくて、せっかくのシリアスシーンに、余計な要素が混じって邪魔臭かった(今後の俳優人生を考えると、死活問題だと思うのだが)。感情の表出の少ない役なので難しい面もあったし、木村佳乃が神がかり的な演技だったので対比せざるを得ないので、松たか子はちょっと損をした感がある。

世の中には期待はずれだったという評価が散見されているが、もう一度言うが、大概の指摘内容は原作から包含しているものなので、仕方が無い。後味の悪い作品だという感想もあるが、元々そういう作品だから(それに文句をいってたら「セブン」なんかどうなっちゃうんだ)。いずれにせよ、軽く及第点は越えているのでお薦めする。
#最後の「なーんてね」は、海外ではなんて訳されてるのかな…。
 

 

負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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