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image2206.png公開年:1982年
公開国:日本
時 間:164分
監 督:橋本忍
出 演:南條玲子、北大路欣也、隆大介、関根恵子、宮口精二、大滝秀治、星野知子、光田昌弘、かたせ梨乃、長谷川初範、室田日出男、下絛アトム、北村和夫、谷幹一、仲谷昇 他






トルコ嬢の道子は、ある日一匹の野良犬と出会いシロと名づける。その愛犬シロと琵琶湖の湖畔を走り続け、1年以上が過ぎた。一方で、トルコの仕事に疲れ始め、そろそろ潮時かも…と思い始めていた秋のある日、シロが何者かに撲殺されて発見された。心の支えだったシロを失った道子は、仕事を休み、犯人探しに躍起になり、手がかりを求めて東京まで出向く。昔の仕事仲間だったローザの協力により、犯人が有名作曲家の日夏であることを突き止める。なんとか復讐しようとするが果たすことができず、琵琶湖に帰った道子は、かねてより親切にしてもらっていた銀行員の倉田に求婚され、結婚を決意するのだったが…というストーリー。

日本映画のトンデモ作品といえば、かならず登場する本作。いや、本作と『シベリア超特急』と『北京原人 Who are you?』がトップ3かな(『デビルマン』が食い込みそうだけど、あれはトンデモでもなんでもない駄作だしな)。なかなか発見できなかったがやっと借りることができた。

まず、主人公がトルコ嬢というのがなかなかのパンチなわけだが、こんな作品が東宝創立50周年記念作品の一つだという。そんなことが許されるのだろうか。当時の東宝社員は何を考えていたのだろう。まず、冒頭の“ランニング指導”っていうテロップで、なんか笑けて来たりする。

大体にして、あらすじを書いていてイヤになる。“昔の仕事仲間だったローザの協力により、犯人突き止める”と書いたが、そのローザは、何か良く判らないが、日本の性風俗産業を調査するために実際に現場で働いていたアメリカの諜報部員という設定である。トルコ嬢として相当な期間を働いた結果が、“日本の性風俗産業は、昔の赤線のようには発展し得ない…”とか、それ働かないと判らんか???スポーツ新聞のピンク欄を読むだけでなんとなく判らんか?そして、そのレポートをまとめるシーンを、『パルプ・フィクション』ばりに時間軸を交差させて差し込む演出。そこまでする意味は?
実は、ストーリー的に、犬を殺した犯人の身柄を判明させる役柄のためだけに彼女は存在する。はたして、犬を殺した犯人を捜すために、わざわざアメリカの諜報員を持ち出さないといけないものだろうか。

164分と、地味に長かったりするのだが、そのくせ無駄なシーンが多い。冒頭の、銀行に金を預けろだ何だのすったもんだは何だったのか。経営側と主人公間の対立関係を表現しようとしているのかと思ったら、その後の展開において、両者は仲良しさんである。犬が殺された程度で仕事は長期間休ませてくれるは、犬を殺した犯人を捜すために警察との間は取り持ってくれるわ、親切極まりないじゃないか。
#話のキーポイントである犬の死だが、その犬の死体が本物ように見えた。これが一番怖かった。

で、復讐劇になるわけだが、その復讐というのが、ジョギングで追い抜いてギャフンといわせてやる…って、なにそれ。頭のおかしい人間の発想ですわ。なんか変なクスリでもやってるんじゃないかと…。このシナリオを、だれか止める人間は東宝にはいなかったのか…。

配役をみると、役者陣は異様に豪華。トルコ嬢の同僚役のかたせ梨乃だが、別に彼女でなければいけないどころか、彼女の役が必要だったか甚だ疑問。かたせ梨乃
の無駄遣い。さらに、突然、秀吉時代の描写になるのだが、そこでの関根恵子やら星野知子やら秀治やら北大路欣也が登場。別の映画のセットを転用したのだろうが、これまた本編の筋とは不釣合いなほど豪奢。秀吉の時代に、自分と同じように理不尽な恨みを抱いた人がいた…という話だけなのに、無駄に長く豪奢である。

このくだりは、笛の人の語りなのだが、良く考えると、何でシロが死んだって、笛の人が知ってるわけ?
最後、凶刃に襲われたヒゲのおっさんは、誰の助けも呼ばずに、追いかけられるままに素直に走ってるわけ?
こんだけ、ダラダラ長いのに、大局的に矛盾があるってどういうことよ?

無駄にスペース・シャトルの模型が精巧。色々、力の入れ具合が間違っているんだよね。
トンデモな内容でも、琵琶湖周辺のご当地映画くらいになってりゃ意味もあるんだろうけど、それにすらなっていない。いやぁ、噂どおりのスゴい奴だった。こんな作品を作った人間に、仕事を頼む気などせんわなぁ。

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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