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image2142.png公開年:2012年
公開国:日本
時 間:137分
監 督:西川美和
出 演:松たか子、阿部サダヲ、田中麗奈、鈴木砂羽、安藤玉恵、江原由夏、木村多江、やべきょうすけ、大堀こういち、中村靖日、山中崇、村岡希美、猫背椿、倉科カナ、佐藤和太、栗原瞳、原扶貴子、森富士夫、柏村栄行、栗本有規、ヤン・イクチュン、伊勢谷友介、古舘寛治、小林勝也、香川照之、笑福亭鶴瓶 他
ノミネート:【2012年/第36回日本アカデミー賞】主演女優賞(松たか子)
コピー:人間最大の謎は、男と女

東京の片隅で小料理屋を営む板前の貫也とその妻、里子。小さいながらも、いつも常連客で賑わっている店は、5周年を迎える。そんなある日、調理場からの失火で店は全焼。二人は全てを失ってしまう。もう一度やり直そうと前向きな里子はラーメン屋のアルバイトを始める。貫也も知り合いのツテで板場で働き始めるが、自分の店で思うようにやってきて、ここにきて他所のしきたりに従えるはずもなく、モメごとをおこして辞めてしまう。そして、次第にやる気をなくし、酒に溺れる毎日に。そんなある日、店の常連だった玲子と、駅のホームでばったり遭遇。酔った勢いで玲子の部屋で一夜を共にしてしまう。愛人に手切れ金を渡され落ち込んでいた玲子は、貫也の話を聞いて、貰った手切れ金をすっかり渡してしまう。大金に浮かれた貫也は、小走りで帰宅するが、浮気はすぐに里子にバレてしまう。激怒してもらってきた金を焼いてしまおうかというその時、もしかすると、夫には女にとことん同情される才能があるのではないかと気付き…というストーリー。

冒頭の迂遠なカットの連続で、挫けてしまう。正直、2回ほど観るのを中断した。後々、貫也に騙される女性の様子を描いているのはわかるが、それ必要だろうか?
重量挙げの人はパっと見は男性みたいだし、風俗の人は最初ソープで再登場のときはデリヘルだから同じ人だとすぐに繋がらない。両者とも地味な顔立ちだから、印象薄いし。後から出てきて「わー、あの人かー」っていう驚きや感動があるだろうか。普通の感覚ならカットするところだろう。監督のせいなのか編集のせいなのかはよくわからんけど。
とにかく話の本題である結婚詐欺の流れになるまでが、迂遠なの。

一番釈然としないのは、里子が結婚詐欺を思いつく場面。札束を燃やそうとするときにふと思いつく。思いつくのはいい。確かにそういう才能があるのかも?!と気付くのは不自然ではない。でも、才能に気付くということと、それをやらせようという感情に至ることとは、別問題ではなかろうか。よっぽど愛想が尽きたか、恨みの気持ちが増したか、かなり悪魔的な感情が沸かないと、それなりに愛していたであろう夫に、別の女性と夜を共にする生活を強要させるまでには至らないと思うのだが…。
一回の浮気だろうが不快で許せなくなるのはわかる。でもそこまで、極端に振れる境目が、全然わからなかった。浮気が数回続いたというなら判るが、一回の浮気だけで結婚詐欺がバンバン成功するに違いない!と確信できるその違和感よ。

自分がこんな大したことのない男にずっと尽くしているのは、玲子が金を渡したのと同じ感情が発露なんじゃねーの?という考えに至ったのなら理解できなくもない。でも、そこに気付いて愕然とした…、プツッと切れてしまった…っていう瞬間は伝わってこない。
仮にそれに気付いたならば、このままじゃいけないと思い、別れよう…って考えにも至ると思うが、それは選択肢にあがらない。“割れ鍋に綴じ蓋”とか“愛憎”だといえばそれまでだが、しっくりはこない。

そこで、私はふと思う。女性には、これがピンとくるのかしら? どうなんだろう。
このターニングポイントさえ、スパっと描けていたら、文句なしのコメディだったと思うのだ。本作は、コメディをコメディとして描かない“スタイル”なだけで、立派なコメディ。ただ、頭でも書いたけど、ちょっとテンポが悪いから、そうは見えないだけ。

なんだかんだで、結婚詐欺が波に乗ってしまうくだりは、なかなか面白く、その間の松たか子の演技がユニークで愉しめる。本当に軌道に乗ってしまうことへの戸惑い。“店”が目的だったけど、実は、店自体は幸せに至る手段だったことに薄々気付き始める。じゃあ、真の目的である幸せな生活は? 結婚詐欺なんかやっていたら子供なんか作れない、むしろ幸せから遠ざかっている。ところが、ブレーキの踏み時のはずなのに、逆にアクセルを踏んでしまう自分への戸惑い。

西川美和監督作品は、結局、いつも警察に追われるような内容ばかり。最後の金の返却って何か意味があるんだろうか…。穴を掘って埋めて…みたいな行為に近い。人間は所詮、遺伝子の呪縛から逃れられない…というような、諦めの運命説みたいなものが漂う。もうちょっと肩の力を抜いて作れば、監督自身の人としての地金みたいな部分が滲み出なくていいと思うな。

田中麗奈が調査を依頼した笑福亭鶴瓶の役は、法律の話をしていたから弁護士なのかと思ったけど刺青してるし、興信所なの?ヤクザなの? それとも刺青のある弁護士をディスってるの? スッと理解できまへんでした。
#鈴木砂羽が演技してるの初めて見た。

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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