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公開国:アメリカ
時 間:86分
監 督:ジミー・ヘイワード、スティーヴ・マーティノ
出 演:ジム・キャリー ホートン、スティーヴ・カレル、キャロル・バーネット、ウィル・アーネット、アイラ・フィッシャー、エイミー・ポーラー、セス・ローゲン、ジョシュ・フリッター、ジェイミー・プレスリー、ラウラ・オルティス、ジョナ・ヒル、ダン・フォグラー、ジェシー・マッカートニー 他
コピー:こりみたいに小さくたって、ひとはひとだ。
ジャングルヌールに住む象のホートンは、風に乗って耳元とかすめたホコリの中から、助けを求める声を聞く。他の動物たちにそのことを話ても嘲笑されるだけだった。実は、ホコリの中には、超極小の生き物“ダレダーレ”の国があったのだ。ダレダーレ国のあるホコリは、これまでヒマワリの花の上に固着していたが、突然の突風により空中に放り出されてしまったのだ。そのせいでダレダーレ国では大嵐や地震が発生。助けを求めたダレダーレたちの悲鳴が、ホートンの耳に届いたのだった。ホートンはそのホコリをクローバーの花で受け止め、仲間たちがバカにするのもお構いなしに、ホコリへ話し掛ける。すると、ホートンの声はダレダーレの国の市長の耳に届く。市長は、外の大きな世界からホートンが話しかけていることを知って驚くが、それを市民に説明しても嘲笑されるだけ。ホコリの中にたくさんの人が住んでいることを知ったホートンは、ヌール山の頂上の割れ目なら彼らは安全にくらせるだろうと考え、山頂目指して旅立つのだったが…というストーリー。
表面的には、ホコリの中に小さな国があるとかバカなこと言ってんじゃねえ!と嘲笑される象と、そんな空の彼方にデカい生き物がいるなんてあり得ねえ!と気違い扱いされる市長が、お互いを信じてがんばるというストーリー。マヌケな両者のがんばりが微笑ましいお話で、もちろん子供向けの作品なんだが、ホートンとカンガルーの母親の対立軸構図が地味にエグいお話だと思う。
パッと見だと、見えないものを信じるホートンがカトリックで、見えるもの以外は信じられないというカンガルーの母親が無神論者に感じる。しかし、実際の行動様式は間逆。
カンガルーの母親は、アホなことを言っているホートンを社会を乱す種とレッテル貼りして、住人たちを扇動して村八分的に追い詰めていく。アメリカ南部で、進化論を唱えた教師を、地域で追い詰めていった流れに酷似。巧みにファンダメンタリスト批判になっている…と私には映る。
さらに、カンガルーの母親は、ホートンが大事に守っている花の破棄をハゲタカ(?)に依頼する。反社会組織に仕事を依頼する行為で、簡単に言えば、PTAの会長が地元にある暴力団事務所の下部組織の組長に、気に喰わない母親に嫌がらせを依頼するようなレベル。
『グリンチ』と同じ原作者らしいので、人間の奥底の歪みのようなものを表現するのが味になっているのはわかるだが、このカンガルーの母親の行動には、はっきりいって引かざるを得ない。
ラストはすったもんだで大団円になるのだが、最後まで動物たちが、カンガルーの母親の扇動にのせられ続けるのが怖い。上っ面の扇動に簡単に簡単に騙され、自分の考えというものが一切ない。何、この衆愚政治。
そして、ホートンが信じてもらえる決め手になるのが、カンガルーの子供の勇気。ただそれだけ。ダレダーレ国民が団結して大きな声を出せたから…ということになっているが、そんなことをしなくてもホートンの耳には届いていたわけで、声量の問題ではないのは明らか。じゃあ、彼らの耳に届かない理由は何か? それを考えると、大人たちの先入観がまず変わることはなく、子供たちに託すしかないという諦めに見えて、実に怖い。
これは、アメリカ社会の滅びを予言した作品かと。大げさかもしれないけど、進化論を完全否定して、この世が生まれたのは6000年くらい前で、人間と恐竜は共存していた!と、本気で子供に教え込んでいるような国は、アメリカだけだからね(南部だけど)。で、そいつらが支持する政党が共和党。二大政党のどっちになっても終わってるんだから、アメリカは終わってるんだろう。
いやー、アニメと内容の振幅が大きすぎるもんだから、素直に楽しめないわ、この作品。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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