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公開年:2013年
公開国:日本
時 間:133分
監 督:石井裕也
出 演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、黒木華、渡辺美佐子、池脇千鶴、鶴見辰吾、宇野祥平、又吉直樹、波岡一喜、森岡龍、斎藤嘉樹、麻生久美子、伊佐山ひろ子、八千草薫、小林薫、加藤剛 他
受 賞 :【2013年/第37回日本アカデミー賞】作品賞、主演男優賞(松田龍平)、監督賞(石井裕也)、脚本賞(渡辺謙作)、録音賞(加藤大和)、編集賞(普嶋信一)、新人俳優賞(黒木華『草原の椅子』に対しても)
コピー :マジメって、面白い。
1995年。玄武書房では、新しい辞書『大渡海(だいとかい)』の編纂事業が進んでいたが、ベテラン編集者の荒木が定年を迎えることとなり、後継者の育成が急務となっていた。社内で目ぼしい人物を物色していた荒木は、真面目すぎる性格ゆえに営業部で浮いた馬締光也という青年を発見する。大学で言語学を専攻していた言葉に対するセンスが評価され、馬締は辞書編集部に異動となる。辞書編集部には、荒木のほか、お調子者の西岡、契約社員の中年女性・佐々木、辞書監修を行う老国語学者・松本という個性的な面々がいた。24万語という大規模な編纂事業は、社内で“金喰い虫”と揶揄されていたが、彼らを通して辞書の世界の奥深さを知り、馬締はどんどんのめりこんでいくのだった。一方、馬締が暮らす下宿に、大家の孫娘・林香具矢が住むことになり、一目惚れしてしまう馬締。思いと伝えられず苦悩するが、そんな中、出版社の方針変更により『大渡海』事業が中止になるという噂が広がり…というストーリー。
ダメな主人公が、実は特殊な才能の持ち主だと見いだされるという展開は、少年マンガ的な展開。そして辞書という身近なツールなのに、辞書編纂というとてつもないテクニックと努力を要する世界を見せてくれる。『タンポポ』とか伊丹十三作品などの視点に通じるものがあり、はじめの15分で、ギュッと心が掴れた(もう、この時点で成功したも同然の作品)。
松田龍平は、またいつもどおりボソボソしゃべってるな…と思いつつも、役柄に合っているので良し。元々目も死んでるし、何を考えているのかわからないのが功を奏している。
オダギリ・ジョーを一番評価したい。チャラ男だけど人情味溢れる熱い男を好演。松田龍平とは相性が悪そうに見えたんだけど、逆にいいコントラストになっていた。
加藤剛は、長いスパンの時間軸の中で、しっかりと“老い”てくれた。あれ?もしかして加藤剛ってお亡くなりになった。本作は遺作?って思っちゃうくらい劇中で見事に弱ってくれているし、一方で“静かな執念”を演じきったと思う。二人にはこの仕事で何か受賞させたかった。
長いスパンといえば、時間を追うごとに世の中に存在するツールが変わってく様子が描かれてるんだけど、まあおそらく小道具の時代考証はしっかりしているとは思うんだけど、なんか違和感を感じてしまった。おそらく、こっちの記憶がおかしいのだとは思うけど。
鶴見辰吾演ずる局長くらいしか悪役が出てこないのも特徴。それも、会社の偉い人としては当然の行いであり、むしろ事業継続を許してくれた善人だし。善人しかでてこない作品なのに、おもしろいというね。“道”追及する人々を淡々と描くだけで、ここまで熱く観ることができるのかと。
宮崎あおいの配役がマッチしていないとはいわないが、宮崎あおいしかいないのか?という飽きみたいなものを正直感じてしまう。
個人的には、もっともっと“用例採集”の偏執的な努力の様子を描いてほしかったんだけど、そうしちゃうと他の人間模様が薄くなっちゃうから女性客が逃げちゃうんだろう。ほどよいバランスなんだろう。原作は読んでいないけれど、もっと原作では山あり谷ありの展開があったんだと予想する。それらをザクっとカットして、淡々と描いたのは監督のセンスだと思う。
これは良作。お薦めしたい。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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