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公開年:2008年
公開国:日本
時 間:115分
監 督:長崎俊一
出 演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実、木村祐一 他
コピー:人はみんな幸せになれるようにできているんですよ
中学1年生のまいは、友達関係がうまくいかず登校拒否になってしまう。対処に困ったママは、田舎にくらすおばあちゃんのところにまいを預けることに。おばあちゃんはイギリス人で、日本人の夫に先立たれてからは一人暮らしをしている。そんなおばあちゃんとの暮らしはとても新鮮だった。ある日、おばあちゃんは自分が魔女の家系だとまいに打ち明ける。自分にも魔女の血が流れていると知ったまいは、自分も魔女になりたいと願い、魔女になるべく“修行”をはじめるのだった…というストーリー。
いうほど“魔女”がどうしたこうしたという内容ではなくって、田舎にすむ西洋人のおばあちゃんとの異空間での生活…そのゆるく流れる空気を感じる作品かと。
途中、妙に料理シーンを挟んできて、『かもめ食堂』的なテイストで押そうとしてるのかな…なんて思ったが、如何せんイギリス人のやることななので、料理がおいしく見えるはずもなく。イギリス人なので、庭もけっこうぼーぼー(イングリッシュガーデンってそんなものでしょ)。まあ、飾らない感じではあるので、テーマには合ってるといえば合ってるのだが。
主人公に共感を持った人が意外といるのではないかな…と思う。登校拒否児とはいえ、その直接的な原因は主人公には無くて、そんな状況に甘んじる必要も迎合する必要ない、おかしいのはおまえじゃないから変に乗り越えようとするだけ無駄。だから、別に逃げたっていいじゃないかという思考に、「やっぱりそうだよな…」と妙に納得できて、それこそ励まされる何かを感じたりする。
特に会社勤めをしていると、往々にして、苦境に立たされると、こんなことが乗り越えられない自分に問題があるんじゃないかと考えてしまうことがある。しかし、後になって冷静に考えてみると、どう考えても上司の言っていることや状況がクレイジーだったと思うことが多々ある。
だからといって、いつも斜に構えてイヤなことはやらないで結構というわけではないのだが、“逃げるが勝ち”という場面は存在すると、はっきり主張してくれるのは、なにか心強く感じられる。
#西洋人で且つ魔女というおばあちゃんが、ある意味“部外者”としての客観的視点を発揮してくれるわけだが、異世界で異端者から救済されるという、何かジブリ作品に通じるものも感じなくは無い。
ただ、一方的に逃げりゃいいじゃんと肯定しているわけでもなくて、“客観視できる能力”を孫のあなたも見に付けなさい…と、そうじゃないと逃げるべき時なのかそうでなのか判断が付かず、永遠に苦しむことになるわよ…と。で、それが“魔女修行”という名で展開される。まあ、至極まっとうな考え方だし、それが中学生の主人公を通してのロールプレイになっていて、ちょっとしたメンタルヘルス改善のツールって気すらしてくる。
ただ、言っていることが正しければ、映画として正しいのかというと、それは否である。
途中で、この主人公がエスケイプできてるのって、親がそれなりの収入があって且つ逃げ場所があるからじゃん…とか頭をよぎる。大抵の世の中の人は、逃げ場所もなければ物理的に逃げられないからこまってるんじゃん…と、それが頭をよぎると、急に興醒めしてしまうのも事実。妙にゆるい空気を演出しているせいで、観客側に考えさせる猶予を与えているのが敗因。100分以内にまとめるなり、もうちょっと別のエピソードを挟んで気をそらすなりして、“逃げ切る”だけのパワーが無かった。
良作といいたいところなのだが、ほんとにあと一歩。実におしい出来映えだったと思う。でも、いかにもハリウッド的なエンタメ作品ばかり観続けていると、ほっとできたのも事実。荻上直子作品なんかよりは、ずっとほっとできたかも。軽くお薦め。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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