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image1941.png公開年:1960年
公開国:日本
時 間:91分
監 督:本多猪四郎
出 演:土屋嘉男、三橋達也、八千草薫、左卜全、佐多契子、野村浩三、伊藤久哉、佐々木孝丸、山田圭介、草間璋夫、田島義文、三島耕、小杉義男、坪野鎌之、権藤幸彦、中村哲、緒方燐作、山田巳之助、熊谷二良、村上冬樹、山本廉、榊田敬二、広瀬正一、岡豊、佐藤功一、黒田忠彦、塩沢とき、松村達雄 他



東京で銀行強盗が連続して発生するが、手口がまったくわからない。岡本警部補たちは、逃亡した犯人が消えた現場付近にある屋敷に住んでいた日本舞踊の家元・藤千代を怪しいと睨むが決め手は無い。そんな中、銀行強盗の予告が入る。予告のとおりに警備するが、強盗は別の銀行に入り逮捕される。しかしその犯人は、これまでの犯行で手に入れたはずの大金の在り処を明かさない。岡本警部補は、突然金回りの良くなった藤千代の周囲を再び洗い出すと、彼女が舞台を開くために使った金の紙幣番号と銀行が控えていた番号が一致。彼女を共犯者として逮捕する。しかし、そこに彼女は無実であると主張する男・水野が現れる。自分が犯人あることを証明するために、強盗現場で手口を公開しようとするが、水野は自分の体をガス状に変化させ、衆人環視の中、銀行の職員を殺害し逃亡する…というストーリー。

クライムサスペンスとSFを大胆に混ぜた作品。この企画自体は評価できる。しかし、残念ながらタイトルが“ガス人間”。何をどうひっくりかえしても犯人はガス人間だ(笑)。それでも、八千草薫演じる藤千代と犯人の関係は何なのか。ガス人間とは一体何なのか。という謎もまぶしながら、魅力的にストーリーは展開していく。

しかし、残念ながら終盤で息切れしてしまう。途中からメロドラマの要素が入ってくるのだが、藤千代と水野は元々恋愛関係ではなかったのに、強盗だった上にガス人間であることが判明した後に、心中するまでの恋愛関係になる。しかし、そのプロセスが描ききれていない。舞踊家として相手になれなくなってしまった自分と、社会から阻害されるどころか人間ですらなくなってしまった男がシンパシーを感じたってことなんだろうけど、ちょっと弱すぎる。

藤千代の舞台をやり切るという欲求は判る。しかし、舞台というのはお客様に観せてナンボだと思う。無観客でもやりきろうというモチベーションがいまいちよくわからない。また、藤千代はどこから爆弾を入手したのか。
ガス人間が、社会で抑圧されている何かの投影だとか、何かの隠喩であるとかいうのがしっかり描けていないので、最後の滅びのシーンも、いまいち感情が湧いてこない。

でも、地味にスゴイ特撮だと思う。さすが特技監督は円谷英二。人間がガス化していく様子は、ドライアイス、実際に人形をしぼませる、光学的な合成など、複数のテクニックを織り交ぜて表現されており、1960年とは思えない技術。

やはり、特撮作品としては異色だと思う。興味を持った方はどうぞ。悪くは無い。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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