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公開国:フランス、ドイツ、イギリス
時 間:128分
監 督:ロマン・ポランスキー
出 演:ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン、キム・キャトラル、オリヴィア・ウィリアムズ、トム・ウィルキンソン、ティモシー・ハットン、ジョン・バーンサル、デヴィッド・リントール、ロバート・パフ、ジェームズ・ベルーシ、イーライ・ウォラック 他
受 賞:【2010年/第60回ベルリン国際映画祭】銀熊賞[監督賞](ロマン・ポランスキー)
【2010年/第45回全米批評家協会賞】助演女優賞(オリヴィア・ウィリアムズ)
【2010年/第36回LA批評家協会賞】音楽賞(アレクサンドル・デスプラ)
【2010年/第23回ヨーロッパ映画賞】作品賞、監督賞(ロマン・ポランスキー)、男優賞(ユアン・マクレガー)、脚本賞(ロマン・ポランスキー、ロバート・ハリス)、音楽賞(アレクサンドル・デスプラ)、プロダクションデザイン賞(アルブレヒト・コンラート)
【2010年/第36回セザール賞】監督賞(ロマン・ポランスキー)、脚色賞(ロマン・ポランスキー、ロバート・ハリス)、音楽賞(アレクサンドル・デスプラ)、編集賞(エルヴェ・ド・ルーズ)
コピー:知りすぎた、男(ゴースト)――。
イギリスの元首相ラングの自叙伝のゴーストライターを依頼された作家。前任者が不慮の事故で亡くなってしまい、引き継ぐ人間を捜しているとのこと。特に政治に興味はあるわけでもないし、自分のこれまでの仕事とマッチしているわけでもないのに、白羽の矢が刺さったことを訝しげに感じる彼。仕事を請け負い出版社を出るとすぐに暴漢に襲われてしまい、なにやらきな臭さを感じて気乗りしなかったのだが、促されるままにラングが滞在するアメリカ東海岸の島へ向かう。彼は前任者が残した原稿や資料を推敲・整理しながら徐々に仕事を進めてったが、やがて矛盾した資料を発見し、ラングの過去に疑問を抱くようになり…というストーリー。
かろうじて、話の筋は正統派のサスペンスなのが幸い。まったくの門外漢がただ凡庸に仕事をこなしていれば何の問題もなかったのに、ラングの戦犯容疑騒動に巻き込まれ、さらに資料のちょっとした矛盾を見つけてしまったことから興味が涵養され、真実の探索を止めることができなくなってしまう。
ラングが何かを隠しているのか?それとも別の黒幕がいるのか?この戦犯容疑と自叙伝にどういう関わりがあるのか?妻やスタッフたちも関わっているのか?と、謎・謎・謎の連続で確かにおもしろい。それこそメイドのアジア人でさえ怪しく見えてくるくらいだ。
主人公はゴーストライターを依頼されるわけだけど、全編に渡って彼の名前は明かされない。まあ本当にゴーストっていう演出なわけだ。ユアン・マクレガーは主人公のキャラクターにマッチしているし、演技も文句なし。
しかし、振り返ってみると、どうもピリっとしない。
知りすぎたっていうけど、鍵になる情報はふつうにネットから入手してるし。あれだけみっちり書かれた原稿が既に存在するのに、わざわざゴーストライターを必要とするのか?まあ、適当にまとめてくれりゃあいいって言う感じで、むしろ才能のない作家をチョイスしたんだとは思うけど、けっこうスタッフが文章をまとめていたりするのを見ると、自分達でどうにでもなったような気がするし。
そんなに真実を隠したいなら、殺した前任者の資料はしっかり隠滅すりゃいいじゃないか。べつに原稿はほとんどできているんだし、そこまで丁寧に資料を残すこともなかっただろう。CIAの恐ろしさを強調しょうとしているのに、ポンコツっぷりを小出ししてどうするのか…と。
また、謎がわかったからって、何であそこで明かさないといけないのか。そしてあのオチ。ポランスキーが、「ね?アメリカって怖いでしょ?」と言ってるようなオチ。まあ、イラク戦争だってCIAのチョンボだったわけで、奴らの陰謀を誇大に表現したいのはわかるけど、ちょっとやりすぎ。興醒めするレベル。大体にして、アメリカから少女への性暴行で逮捕され、保釈中に国外に逃げて、いまも逃げ続けてる人間が、アメリカ怖いワーっていう映画つくってもさ。
ものすごい数の映画賞を貰っているけど、アメリカ嫌いがこぞって評価してる感じかな。ここまで評価されるほど、巧みな演出でもないし、ドキドキハラハラできるわけでもない。佳作ではあるが。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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