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公開年:1980年
公開国:日本
時 間:158分
監 督:深作欣二
出 演:草刈正雄、渡瀬恒彦、夏木勲、千葉真一、森田健作、永島敏行、ジョージ・ケネディ、ステファニー・フォークナー、オリヴィア・ハッセー、グレン・フォード、ロバート・ヴォーン、チャック・コナーズ、多岐川裕美、緒形拳、ボー・スヴェンソン、エドワード・ジェームズ・オルモス、丘みつ子、中原早苗、ヘンリー・シルヴァ、セシル・リンダ 他
1982年、陸軍細菌研究所から新種の猛毒ウイルスMM-88が盗まれた。その細菌はマイナス10℃で増殖を開始し、0℃を超えると強い毒性を現す。MM-88を盗み出したスパイは、小型機でアルプス越えを図るが、吹雪の影響で墜落。細菌は飛散してしまう。やがて春になると、モンゴルで羊の集団死や、中国でのアヒルの大量死に始まり、イタリアでは乳幼児が次々と意識不明になる病気が蔓延し、通称“イタリア風邪”と呼ばれるように。そのまま猛威は衰えることなく全世界に拡散。初夏になると、東京でも次々と死んでいく人が路上に溢れるまでになっていた。そんなニュースを受信した、南極昭和基地では、隊員たちが残してきた家族の身を案じていたが、どうすることもできずにいた。そんな中、アメリカのホワイトハウスでは、連日閣議が開かれており、バークレイ上院議員が、ガーランド将軍が政府に内密に開発した細菌兵器MM-88であることを付き止めるのだったが…というストーリー。
市川崑以上に仕事のバリエーションが多彩な深作欣二の作品。同じ小松左京原作の『日本沈没』よりも本作のほうが面白かった。実際、興行収入も本作のほうが1.5倍だった模様。制作費も相当なものだろう。本当に南極ロケが必要だったかどうかは、甚だ疑問だが。
草刈正雄演じる吉住が、潜水艦から廃墟とかした東京を、潜望鏡から眺め、絶望するシーンからはじまる。どうしてこうなったのか?という疑問を観客に抱かせる構成はよい。
(ちょっとネタバレ)
極寒の中では活動しない細菌という設定。南極観測員だけが生き残るという設定。放射線が当たると無毒化するという設定から、クレイジー将軍によるオート核戦争による細菌消滅という流れ。こうやって簡単に書くと陳腐に思えるかもしれないが、とても収まりのよいストーリー展開。昨今のSF映画でこんなにきれいに流れるものは少ないと思う。
『日本沈没』というのは基本的に日本のドメスティックな展開で進むのだが、実際、海外と無関係ではすまないわけで、観ながら色々考えないわけにはいけない。色々考えるなかで、それはちょっと無理があるんじゃないか?とか、疑問を抱かせる余地が多分にある。本作の場合、全世界レベルでドンドン死んでしまうので、それを考える余地はない。この割り切りが実に功を奏している。
南極以外の人間の生存がほぼ絶望視される中、南極にいる人間は男855人と女8人、食料や燃料は2年分。南極の派遣される人たちなので、そこそこ英語が喋れる研究者も多く、南極臨時政府と作り、普通にコミュニケーションをとるのも、まったく不自然さがない。これも設定の勝利。
生物の種は個体数が500を下回ると、ほぼ滅亡するともいわれているが、人数もなかなか絶妙。ただ、女性数が極端に少ないのはいまよりも女性の社会進出が進んでいない時代だと考えるとこれまたリアル。
早々に種の存続の問題に直面。だけどこのくだりは、一人の女性隊員のレイプ事件から端を発する。本当は性処理の問題なのだが、さすがにそういう直球にするわけにもいかなかったのだろう。子孫を残すという崇高な目的のために、体を奉げるという設定になっている。ちょっとエグいけど、タイトルが“復活”の日だからしょうがない。
でも、どうがんばっても1年に8人しか生まれないわけで、種の存続としてはいかがなものか…という気が。せめて気に入った人との子供を生ませてやれよ…とも思うが、そうなると、男同士で争いが起こるってことなんだろう。まあ、納得はできるか…。そのおかげで、吉住と、オリヴィア・ハッセー演じるマリトとの悲恋に繋がるわけだが。
#両者のはじめの出会いがマリトの出産のお手伝いってことなのだが、大体にしてなんで妊婦が南極にいるんだよ!っていう疑問はあるよな(笑)
で、冒頭の東京の惨劇を潜望鏡で覗くシーン。彼らは、ニューヨークのクレイジー将軍が発動させてしまった、核防衛システムを止めに行くその途中に寄り道したものと思われる…、、、ん?ルート、遠回りじゃねぇか?とっとと大西洋を北上しろよ、一刻を争うんだから…。これも、本作の数少ない穴の一つだな。まあ、その他、都合良く、ニューヨーク上陸と同時に大地震がおきるというのも都合が良すぎる…。。
運よくワクチンが効いていた吉住。アメリカ大陸を南下。水分をサボテンで摂っていたのはわかるが、脊椎動物に等しく害を為すという細菌なので、どうやて食いつないでいたのか(魚はセーフというのはちょっと都合が良すぎるような)。それはそれとして、ボロボロになりながら(おそらく精神を病みながら)、生き残った隊員とその子供たちと再会。そこまでいったら、そのシーンがどういう意味を持つとか、どうでもいいラスト。
悪くない作品。というか、日本SF映画で、一番成功した作品かもしれないね。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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