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公開年:1964年
公開国:日本
時 間:95分
監 督:深作欣二
出 演:高倉健、北大路欣也、三國連太郎、江原真二郎、中原早苗、室田日出男、石橋蓮司 他
貧民窟で育った黒木三兄弟。長兄の市郎は、年老いた母の金を盗み、ヤクザの岩崎組に入り幹部となる。その後、次兄の次郎も家を出て、金持ちの愛人をやっている女のヒモとなり、一匹狼のワルとなり名を馳せていた。三男の三郎は、兄たちがいなくなった後、母親の世話をして看取ったが、すべてを押し付けていなくなった兄達を強く恨んでいた。その三郎も品行方正なわけではなく、同じ貧民窟に住むチンピラ達と徒党を組み、悪事を重ね無軌道な毎日を繰り返していた。そんな中、一匹狼でやっていくことの限界と、先行きの見えなさに不安を覚えた次郎は、国外脱出を思いつく。その資金として、岩崎組の麻薬取引現場を襲撃し、4千万の金品を計画。いつもの犯罪仲間の水原とだけでは遂行不可能なことから、三郎と仲間たちに話を持ちかける。兄への憎悪は強かったが、一人頭5万円の報酬に目がくらんだチンピラ仲間の説得もあり応諾。いよいよ決行となるのだったが…というストーリー。
深作欣二監督で、三兄弟に三國連太郎、高倉健、北大路欣也と豪華な配役なのに、あまり有名ではない作品。なぜだろう。イギリスのチンピラ映画なんかによくありそうな内容で、ガイ・リッチーなんかがこんなのを作りそう。深作欣二も若い頃なので、演出の荒削りさは否めないけど、もうちょっと評価されてもよさそうなものだ。でも、北大路欣也なんかも若くて、その若さ故の熱い演技が、本作を形成しているのも事実で、荒削りさが魅力となっているのは、間違いない。
三兄弟なので、タイトルの狼と豚と人間にそれぞれが当てはまるのかな?なんて思ったのだが、そうでもなさそう。メイン配役のそれぞれにスロットマシーンのドラムが割り当たっていて、それぞれ、狼と豚と人間のどれになるかなーっていう感じ。
確かに、だれが出し抜けるか?!っていう、目まぐるしく変わる展開。だが、話が進むにつれて、良い目が出る可能性が、ジワジワと減っていくという閉塞感が良い。
(ちょっとネタバレ)
で、最後に残る市郎に出た目は狼か豚か人間か。組織からの圧力を考えると、結局彼の命も無さそうで、三兄弟そろって豚で終わってしまうような気がする。
おそらく、なんでこの作品の評価が低いかというと、肝心の金が出てこないことだけでなく、その金の顛末で一エピソードつくれなかったからだと思う。誰か意外な人物が出し抜いていたりとかね。全員破滅でおしまいという展開にして悦に入ってしまいがちな、戦後育ち世代の悪い癖だと思う。
犬を食うところで、みなまで言わなくても彼らの出自が見えてくるわけだが、だからといって、そういうスラム的な部落出身者への差別を問題視している作品ではないところはよい。むしろ、ゾンビのような存在で描かれており。もっと彼らを生かすのも策だったかもしれない。金の顛末に彼らを絡めるのもよかっただろう。
良作だと思う。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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