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公開年:1986年
公開国:日本
時 間:99分
監 督:松田優作
出 演:松田優作、石橋凌、手塚理美、ポール牧、阿木燿子、片桐竜次、平沢智子、剛州、梅津栄、伊藤洋三郎、加藤善博、石橋蓮司、小林稔侍、ジャンボ杉田、工藤栄一、寺島進 他






大島組と旭会の抗争が続く新宿。大島組の若頭・山崎は、覚醒剤を捌くシマを旭会に奪われ、デート喫茶のシノギで稼ぐしかなくなり、腐っていた。そんな中、記憶喪失の男がバイクにのってふらりと現れ、ホームレスの世話になり廃屋で暮らし始め、“風さん”と呼ばれる。山崎は、警察の潜入捜査官か何かではないかと疑い、部下に調べさせたが、逆に痛めつけられてしまう。彼の圧倒的な腕力に興味を抱いた山崎は、直に接触。その、自由な行き方と雰囲気に惹かれ、デート喫茶で働かせることにする。そんな中、大島組の組長が旭会の構成員によって銃殺される事件が発生。組長の死によって大島組の実権を握った藤井は、山崎に旭会の副会長殺害を命る。なぜ、組長ではなく副会長なのか?という山崎の疑問に対して、事後に旭会と手打ちをして、大きな縄張りを手に入れる算段であると、藤井は答える。釈然としない山崎だったが、命令どおり襲撃を行う準備のために、覚醒剤を拳銃・現金と交換する取引に向う。“風さん”は、その取引に帯同すると山崎に申し出るのだったが…というストーリー。

ネタバレというかなんというか、正直、ラストには驚愕というか、顎が外れたというか…。
漫画原作があるようなので、こういうオチになるのは致し方ないのかな?なんて思ったが、wikipediaを見ると、原作はそういうオチではない模様(というか、こんなヤクザの構想話ですら無い模様)。そこまでは、正統派のヤクザ抗争ストーリーで、突然の来訪者により場がおもしろく掻き乱されていくという構図が、非常に面白かったのに、なんであんなオチにするのか。
#“あんなオチ”に関しては観てくだされ。

松田優作の監督作品で、彼が監督したのは後にも先にもこれだけ。実は本来の監督と松田優作がモメて降板。それもかなり進行してからの交代劇。松田優作はアクション要素を重視していたというから、その点は成功しているので、交代劇自体は否定するつもりはない。
素人監督らしく、カメラの構図が稚拙だったり、石橋凌や手塚理美の演技が素人臭かったり、音楽が田舎臭かったりと、臭い部分の連発なのだが、時間が経っているからなのか、そういう“臭さ”が一回りして、不思議な妙味になっていると思う。
#まあ、北野武みたいに代役監督で花開く例もあるけど、一発目でこれをやっちゃったらオファーはないわな。

いい味になっているんだから、やっぱりあの設定は変えるべきだった。ベトナム戦争に参加した傭兵で、何らかの化学兵器によって強靭な肉体と鋭敏な感覚を身に付けてしまった実験体で、記憶をなくした状態で施設から失踪した存在で…とかでいいじゃんか!(涙)。

驚愕設定を、役者の演技(石橋凌と手塚理美を除く)と監督演出が追い越していった、稀有な作品。よくも悪くも珍作。
ただ、本作のMVPは間違いなく、ポール牧による金子信雄ばりの怪演。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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