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公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:125分
監 督:ジョセフ・コシンスキー
出 演:ギャレット・ヘドランド、ジェフ・ブリッジス、オリヴィア・ワイルド、マイケル・シーン、ボー・ガレット、ブルース・ボックスライトナー、ヤヤ・ダコスタ、セリンダ・スワン、ジェームズ・フレイン、エリザベス・マシス、オーウェン・ベスト 他
ノミネート:【2010年/第83回アカデミー賞】音響賞[編集](Addison Teague、Gwendolyn Yates Whittle)
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】視覚効果賞
【2011年/第20回MTVムービー・アワード】ブレイクアウト・スター賞(オリヴィア・ワイルド)
コンピュータ業界のカリスマ・エンコム社CEOケヴィン・フリンが失踪して20年。ある日、27歳となった息子サムのもとにケヴィンからと思われるメッセージが。その導きに従い父の営んでいたゲームセンターへとやって来たサムは秘密の小部屋を発見。そこにあったコンピュータ・システムを起動すると、肉体が電子変換されコンピュータ内の世界に引きずり込まれてしまう。捉えられたサムは、強制的に命をかけた危険なゲームに参加させられるが、謎の女性クオラに窮地を救われ…というストーリー。
本家『トロン』を観ないとアウトということはないけれど、多分本作だけ観ると「たいしたことなんじゃね?」って感じになっちゃうような気がする。いまどきこのレベルの作品はたくさんあるからね。だから、本家を観ておくことを強くお薦めしたい。「あの世界がこうなっちゃった」っていう別の感動がそこにある。その後の技術進歩に沿って、トロン世界自体も革新されていたってノリで、元のトロン世界からのグレードアップも違和感無く説明されていて良し。
タイトルの“トロン”が悪役として登場するのも違和感があるだろう。一応説明はあるものの「で、結局トロンってなんなのさ」って感は否めない。でも、それも本家を観ておけば、腑に落ちるはず(まあ、あの扱いで終わらしたのが正解か否かは微妙だけど)。
新OSといいつつUNIXコマンドなのはご愛嬌(MacOSがUNIXベースなのと一緒ってことで)。psコマンドでプロセス探して、killコマンドで簡単に止まる程度なら、私にも簡単にハッキングできそうだ(笑)。ここまでやるなら、ケヴィンはデーモンプロセスになってて他のやつらからは見えないとか、トロンは特定時間だけソケットの口が開くので、タイミングをみはからって通信できるとか、UNIX技術者にしかわからんネタでも仕込んでくれればカルトムービー化したかもしれないのに。
#「Wi-Fi?80年代に思いついていた」ってこのセリフで、「あ、こいつ死亡フラグ立ったな」って思ったのは私だけ?
3D映画にはうってつけの素材なので、今続編が作られるのはタイミング的に理解できる。その他の技術的テーマとしは、若めのジェフ・ブリッジスをCGで表現しているところ。どれだけ違和感なくCGで若返らせることができるか。その点に関してはA-ってとこかな。映画版『ファイナルファンタジー』のころの技術とは隔世の感があるけれど、まだ顔の筋肉の動きなど違和感はある。
また、本家同様、いまいちストーリーに緩急がないのが難点か(そこまで引き継がなくても良かったのに)。本家もそうなんだけど、所詮コンピュータなので、内部で何かの作戦を実行していてうまくいきそうなときに、だれかがコンピュータを操作してしまって、作戦が失敗してしまうとか、そういう類のピンチがあってもよかったと思う(chmodコマンドを含むシェルが起動して書き込みできなくなっちゃうとか、そういう低レベルでもいい)。まあ、本作の場合、コンピュータが人目に付かない場所にあるから、どうしようもないんだけどさ。
エンコム社のOSは世界に拡散しちゃったし、トロンの世界では電脳生命が誕生しちゃう奇跡が発生したわけだから、他のどこかで同じような世界が生まれ、現実世界に進出してくるってことも可能。次回作は完全にその流れでしょう。そして、これが後の『マトリックス』世界になりましたとさ……なんて感じには、ディズニーとワーナーだからなるはずがない。
とにかく、本家⇒レガシーの順で観れば、なかなか味わい深い。軽くお薦め。
#個人的には仮面ライダー555が頭をよぎる(ってか、555のデザインは『トロン』のパクリだって訴えられてもおかしくないような…)。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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