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image1929.png公開年:2011年
公開国:イギリス
時 間:92分
監 督:デヴィッド・マッケンジー
出 演:ユアン・マクレガー、エヴァ・グリーン、ユエン・ブレムナー、スティーヴン・ディレイン、デニス・ローソン、コニー・ニールセン 他
コピー:五感が消えていく





ある日突然、嗅覚が失われる症状を訴える人が多発する。その症状は“SOS”と名付けられ、原因究明が急がれたが、感染経路などは一向につかめない。判ったことは、嗅覚を失う者は、その直前に深い悲しみに襲われるということだけ。感染者は全世界に広がっていく。そんな中、シェフのマイケルは“SOS”を研究する科学者スーザンと出会い、恋に落ちる。二人が結ばれたその時、スーザンは突然の悲しみに襲われる。そしてマイケルも同じように。翌朝、二人の嗅覚は失われ…てというストーリー。

センスが徐々に消えていくのに“パーフェクト”とはこれ如何に。

(以下、ネタバレ)
感覚が一つ消えるときには、ある種の感情が昂ぶるというのは、おもしろい。嗅覚が失われる前は悲しみがやってきて、味覚が失われる前には猛烈な食欲がやってくる。聴覚が失われる前には怒りが。

嗅覚は記憶と密接に結びついていて、嗅覚を失われるということは、記憶を失うこと…という考察も面白い。味覚を失った人々は食べることに興味を失うのか…というと、そうでもなく、クリスピー感や温度を楽しむようになったり、振舞うことやご馳走することに意味を見出す。
そして、感覚が失われていっても、行動様式を変えず、いつもどおりに振舞おうとするというのは、案外当たっていると思う。一方、一定数の人間が略奪を行うというのも当たっているだろう。逆に言えば、こんな感覚を失う症状にならなくても、ちょっとした不満で略奪に走る人は一定数いるわけで、人間はどういう苦難な状況になっても、普段と同じ行動をとるということになる。

で、ラストに何をもってくるのかと楽しみにしていたのだが、目が見えなくなった人は、愛の気持ちに満たされて、おそらくそのまま死んでいく…ってことでおしまい。
何が言いたいんだ?これ…

感染の差はあれど、みんな見えなくなるんなら、数日で人類は滅びるだろう。人は残された肌のぬくもりで、人の体温を感じ、そこに至福の喜びを感じる。交尾でからみあう蛇のように、より下等な生物が感じるような、即物的な快感だけが残される状態。
何で、これが“パーフェクト”なのかが、わからない。生き物たるものこのようにあるべきだと?感覚を失うことによって、人間本来の愛が研ぎ澄まされていくとでも言いたげなのだが、私には、むしろ人が人で無くなっているようにしか見えないのだが。

この展開の裏に、製作者の何らかの主張や視点は隠れているのだろうか。私には見つけられなかった。もう一回言う。何が言いたいんだ?これ…。それこそ、劇中に登場する一部の人のように、悔い改めよと警告しているのか?

SFストーリーの中で繰り広げられるシミュレートは面白い。しかし、その裏に一本主張の筋が欲しかった。このように、投げっぱなしで終わるのはいかがなものかと。何か釈然としない作品。あと、どういう要素を加えれば、面白くなったのだろう…と、考え込んでしまう。

#ちなみに、コピーは“五感が消えていく”となっているが、嗅覚、味覚、聴覚、視覚の四覚しか消えないから。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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