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公開国:アメリカ
時 間:98分
監 督:ジョン・カーペンター
出 演: クリストファー・リーブ、カースティ・アレイ、リンダ・コズラウスキー、マーク・ハミル、マイケル・パレ、メレディス・サレンジャー、カースティ・アリホ、トーマス・デッカー、リンジー・ホーン 他
ノミネート:【1995年/第16回ラジー賞】ワースト・リメイク・続編賞
カリフォルニア州の海沿いの小さな町ミッドウィッチ。ある日、町の全住民が午前10時に気を失ってしまうという現象が発生する。異変に気付いた周辺の警察組織が救援に向かうものの、町に近づいた人間も気を失ってしまうという状況で、何もできずにいた。その後、6時間が経過すると全員が目を覚ましはじめる。一部の人間は、気を失ったことで事故をおこして死亡してしまったが、大半の住民は特に問題はなく、日常生活に戻っていった。しかし後日とあることが発覚する。町の女性10人が妊娠していたのだ。住人が困惑する中、政府は研究に協力することで費用の援助を申し出る。夫が不在であったり、男性を交際したことのない者まで妊娠していたことから、中絶を選択する者もいると予想されたが、ある日を境に出産することに迷いを抱くものは誰一人いなくなっていた。やがて、女性たちは同日に出産。一人だけ死産だったが、5人の男の子と4人の女の子が誕生する。すくすくと成長する子供たちだったが、光る眼で大人たちの精神を操るよういなっていき…という
ストーリー。
ジョン・カーペンターのハズレ作品は、大ハズレであることが多い。本作はそれだと思う。リメイク作品らしいのだが、とても前作を踏まえて作り直されたとは信じがたいレベルである。
妊娠が発覚し、混乱しつつも全員が出産するという流れまでは、そこそこ面白い展開である。ところがそれ以降がトーンダウンしてしまう。むしろ、そこからが本題なのだが、イマイチなのだ。
精神が読まれるだけでなく支配されるというのは大変恐ろしい能力だと思う。これの能力を小憎らしいほど巧みに使えば、ゾっとするお話になったことだろう。そう、ならないのは何故か。
同様の現象が発生した地域が世界各国にあり、同じような状況になっていると、作中で語られる。しかし、ミッドウィッチ以外は爆破されたと。もう、私たちしか残っていないので、絶対に生き残ってみせる…という趣旨のことを子供たちは発言する。
でも、冷静に考えれば、何でそうなるのかは明白である。子供のうちから安易に能力をつかって大人たちに敵だと認識させたからである。もう少し怪しまれないように潜伏して、大人になってから社会に紛れれば、世界征服なんか簡単にできたと思う。地球人の情報もそこそこ学習したであろうに、我を通して自分たちの奇異な行動様式を隠そうともしない無策っぷり。他の地域では、あっさり魂胆がバレて、町ごと爆破されてしまったのだ。
たしかに恐ろしい能力かもしれないが、他では対処できたんだから、この町でも対処できちゃうだろう。急に恐怖にレベルが下がってしまう。
また、感情の有無に、ストーリーの焦点を当てた意味が無くなってしまっているのも敗因。感情=慈悲や愛…みたいなノリで展開するのだが、感情とはそれだけではないだろう。死産だった子供のホルマリン漬けを発見するシーンがあるのだが、それを見つけるシーンの意味があっただろうか。だって、彼らは感情が無いんだから、それに対して怒ることもないだろう。そうなのだ、感情が無いのなら、痛いと思いをさせられたからって母親を超能力で折檻するという行動には出ないはず。別にあの女博士が殺したわけではなく死産だったことは、頭の中を読めばわかったはず。なのに、残虐な方法で殺すということは、同胞を殺された怒りがあったからに相違ない。目的遂行のための障害の排除という意味ならば、一番効率の良い殺し方を選択するのにそうしないのは、実に矛盾している。
結局、パートナーのいない男の子にに感情を湧かせることがポイントのような流れにしておきながら、そこは全然ポイントにならずじまい。この設定は不完全燃焼だ。
ラストの陳腐さは、「心を読まれない方法をみつけたんだ。海の映像を思い浮かべるんだ!」に極まれる。そう言っていたのに、いざ心をブロックするときはレンガの壁でブロックするという方法。妻との思い出の中にある海じゃないんかい。変なの…。
スーパーマンのクリストファー・リーブに、ルーク・スカイウォーカーのマーク・ハミルの競演ということで、ちょっと期待したが、完全に裏切られた作品。駄作といってよいだろう。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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