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公開年:2011年
公開国:アメリカ、カナダ
時 間:110分
監 督:ザック・スナイダー
出 演:エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ、ジェナ・マローン、ヴァネッサ・ハジェンズ、ジェイミー・チャン、オスカー・アイザック、カーラ・グギーノ、ジョン・ハム、スコット・グレン、リチャード・セトロン、ジェラルド・プランケット、マルコム・スコット、ロン・セルモア、A・C・ピーターソン、フレデリック・ド・ラコート 他
母の死後、遺産を狙う義父により精神病院に入れられてしまう少女ベイビードール。彼女は辛い現実から逃れるために、売春宿に入れられたという設定の空想に逃げ込む。そこで、同じ境遇のロケット、ブロンディ、アンバー、スイートピーと知り合い、売春宿から脱出するのために、ある計画を実行しようと呼びかける。その計画とは、男達がベイビードールの踊りに見とれている間に、建物の地図、ライター、ナイフ、鍵を手に入れるというものだった。当初はためらいを見せる4人だったが、やがて自由をもとめ共闘していく…というストーリー。
別に賢い人ぶって言うわけじゃないんだけど、おそらく6割の人が「はあ?」ってなるんじゃないかと思う(プロの映画批評家でさえも)。そして、2割の人が「まあまあかな」。残りの1割の人が「あれ?評判悪いけど、良いよね、これ」って感じじゃないかな(私はその1割の中にいるけど)。
まあ、そりゃそうだろう。基本的にザック・スナイダー作品に好意的で、『アンデンティティ』みたいな話も大好物な私ですら、一瞬戸惑うレベルだからね。
日本の寺院、世界大戦下、中世の城、未来の惑星と、ベイビードールの空想の“ステージ”が移り変わっていく様子が、テレビゲーム的だと批評されているわけだが、プロの批評家達がそんな見たまんまの指摘をしてどうするのか…とちょっと閉口。つっこむところはそこじゃないと思うんだ。ザック・スナイダーが、日本のサブカルチャーやコンピュータゲームが好きなのは明らかだけど、だからといってそれだけを前面に出して勝負しているようには見えないし、映像表現に関しては、むしろ過去作品を超えているくらい。
踊り始めたら空想の世界に飛んじゃって、上手に踊れていることをああいう映像で表現しちゃうって、これは薬をキメた人じゃないと思いつかないレベル。ザック・スナイダー、やはり只者ではないな…と(いろんな意味で)感じさせてくれた。むしろ、そこは否定するところではなくて、褒めるべきところである。
では、なにが問題か。その答えは単純明快。シナリオが悪い。その精神病院では目ぼしい入院患者をこっそり売春組織に送り込んでいる…という部分を、観客がそれがリアルであると疑わないレベルで作りこむべきだったのだ。はっきりと、ベイビードールの空想だと始めからわかってしまうような演出こそが、本作シナリオの稚拙な部分である。どっちが現実なのか判然としない演出に腐心すべきだった。
じゃあ、シナリオを書いているのはだれか?ザック・スナイダー本人だったりする。だから、今回、文句を言われるのは監督のザックではなく、脚本家のザックということだね。
でも、個人的には許容範囲。この作品をOKといえる人はどんな人は。『アイデンティティ』『キックアス』『300』この3つがすべてOKな人は本作もOK。間違いない。
ベイビードールに見覚えがあるな…と思っていたが、『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』で長女役を演じていたエミリー・ブラウニングだね。絶妙というか微妙というか、いい感じに成長しましたな。クリスティーナ・リッチみたいな感じになるのかと思っていたけど、少なくともそういう方向には進んでいない模様。
“SUCKER PUNCH”じゃ聞いてもパッと意味がわからないから、適当な邦題をつけてみたのだろう(“SUCKER PUNCH”は“不意の一撃”的な意味)。でも、観終わるとエンジェル ウォーズの意味がわからん。いまどき、ネット辞書で簡単に調べられるんだし、むしろそのままの題名のほうが気を引いたんじゃないかな。
#カテゴライズに困る作品だな…。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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