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公開年:2007年
公開国:フランス
時 間:125分
監 督:オリヴィエ・マルシャル
出 演:ダニエル・オートゥイユ、オリヴィア・ボナミー、カトリーヌ・マルシャル、フランシス・ルノー、ジェラール・ラロシュ、フィリップ・ナオン、ムーサ・マースクリ 他
自分の過失によって娘を失い、妻は病院で寝たきり状態にしてしまったシュナイデル刑事は、酒に溺れた生活をおくり、終にはバスジャック騒動までおこしてしまう。過去の功績のおかげで免職は逃れるが、引き換えに、自分が追いかけていた連続猟奇殺人の捜査からは外されてしまう。どうしても自分の手で解決したいシュナイデルは、独断で捜査を継続する。一方、25年前に両親を目の前で殺され、未だにトラウマを抱える女性ジュスティーヌは、終身刑になった犯人が仮出所するという噂を聞き苦悩。当時、犯人を逮捕したのがシュナイデルであることを知り、彼に話を聞こうと接触を試みる…というストーリー。
同監督による『あるいは裏切りという名の犬』と同じく、野良犬のように堕ちていく刑事が、泥くさく事件を追っていく…みたいな感じかと思い観てみたのだが、微妙に違った。
本作は元刑事というキャリアをもつ監督が、実在の事件に基づいて作ったということらしいのだが、実話ベースのくせにまったくもってリアリティが感じられない。事実は小説より奇なり…とか、そういうレベルじゃなく、お世辞でも薦められないレベル。とにかく、シナリオがとっちらかっているとしか言いようが無い。
連続殺人事件を追う話と刑務所に入っている猟奇殺人鬼が出所する話が、なんらかの形でリンクするんだろうと予測していたのだが、基本的に無関係。こういう展開がダメとはいわないが、普通は事件の上で何らかの関係があると思うのでは?この肩透かしがピンとこない一番の理由。
同時進行させる意味があまり無いし、実際におもしろさに繋がっていない。この二つが無関係なんて、許されるのだろうか。こんなことなら、お偉いさんの息子が犯人だった流れだけを膨らませて、サイコサスペンスに徹すればよかったのに。警察上部の隠蔽工作とかの話もあるわけだし、いくらでも膨らませようはあったっだろう。
フランス映画のノリなんてこんな感じだよ…といわれてしまえばそうなのかもしれないが、何でジュスティーヌがシュナイデルに話を聞こう思ったのか、振り返るとよくわからん。当時の刑事に話を聞いたところで、その犯人が更正したかどうかの判断なんかつかないだろうに。
また、自分の行動が招いてしまった取り返しの付かない行為を悔やんでいるのは判るが、心が病んでいるということを表現するために、バスジャックをしてしまうという演出は必要だろうか。つらい経験に耐え切れない男を表現したいだけなのに、ちょっとオーバーで不必要な演出だと思う。
自分が捜査に加われなくても、独自に調べて情報を流すことはできるし、上部がもみ消そうとしても証拠を集めてマスコミにリークするなり、方法はいくらでもありそう。それが思いつかないだけならいざしらず、打つ手打つ手がすべて短絡的。その無念さを警察組織にぶつけているのが、理不尽にすら見えるし、同僚(上司?)の刑事を悪役にするのも、稚拙で都合によい設定に感じる。知恵というものを発揮して難局を乗りる場面があまり見られず、ただ狂ったように荒くれるだけでは、共感のしようもない。
『あるいは裏切りという名の犬』では、脱法していても理があるように見えるから主人公への共感が可能なのだが、本作の主人公は、ただ自分が捜査したいからやってるだけに見える。
ラストに向かうにつれ、観ている側と主人公の距離が離れ、最後は完全に冷めていくという…。日本未公開なのもさもありなん。お薦めしない。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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