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公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:ジャレッド・ヘス
出 演:ジョン・ヘダー、エフレン・ラミレッツ、ジョン・グライス、アーロン・ルーエル、ディードリック・ベーダー、ティナ・マジョリーノ、サンディ・マーティン、ヘイリー・ダフ、トレヴァー・スナー、ションドレラ・エイヴリー、エミリー・ティンドール 他
受 賞:【2005年/第14回MTVムービー・アワード】作品賞、音楽シーン賞(ジョン・ヘダー)、ブレイクスルー演技賞[男優](ジョン・ヘダー)
アイダホの田舎町。祖母と惹きこもりぎみの兄キップと3人暮らししているナポレオン・ダイナマイトは、ルックスが悪く、冴えない性格のため、変人扱いされイジメられる学校生活を送っている。ある日、祖母がバイク事故で入院してしまう。兄はチャットに夢中で役立たずだし、祖母の指示でやってきた叔父リコモも高圧的な態度でナポレオンを罵るばかりで、ストレスは募るばかり。そんな中、メキシコ人のペドロ転校してきて友達になるが、突然生徒会長に立候補すると言い出したため、ナポレオンも応援することになったのだが…というストーリー。
いうまでもないが、邦題の『バス男』は、『電車男』が流行っていたからつけただけ。本作でバスが出てくるのは、冒頭で主人公が登校する時に乗っているシーンと、兄が恋人と旅立つときに出てくるだけ。バスはストーリーの主筋とは無関係。ナポレオンの立ち姿の後ろにバスが堂々とコラージュされているDVDジャケット画像は、客をナメた仕事だと思う。この邦題をつけた会社は、映画の神の罰が当たることだろう。
内容は、ウェス・アンダーソンの『天才マックスの世界』に近い感じか。ただ主人公は目立った才能はない上に、キモいというか愚鈍である。周囲の人間も愚鈍な人間ばかり。学校でイジメられているといっても、イジメている方も、ただの田舎の乱暴物というだけ。どこを見渡しても、町中パっとした人がいない。向上心というものが皆無な町なのだ。イケてると思われている人ですら、実にダサい。
とにかく、エッジの効いた部分がない印象。
そんなところに、見た目はナポレオンと同様に愚鈍極まりないメキシコ系のペドロがやってくる。しかし、彼は、いきなり生徒会長になろうという向上心を示すわけだ。じゃあ、それに奮起して、ナポレオンたちは彼を必死に応援するのか?たしかに応援はするが、援護になってるんだかどうかわからないような…。
口コミで話題になり全米でヒットしたとのことだが、そんなレベルの内容ではない。日本で未公開なのも理解できる。そんなグダグダというかダラダラというか、ピリッとしない展開の繰り返しが、なぜか心地よい。そんな愚鈍な彼らに対して、「まあ、自分もそんな時あるしな…」という同情というか共感が湧いてくるのが不思議。
もう、最後のダンスなんか、逆転劇とかじゃなくて、煙に巻かれた気分になる。
この監督が意図したかどうかはわからないが、この珍妙なノリは一見に値すると思う。この作品の後に『ナチョ・リブレ 覆面の神様』の脚本・監督を手掛けたが、本作のような空気感が作れていなかったところをみると、偶然なんだろうな。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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