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公開年:1998年
公開国:アメリカ
時 間:96分
監 督:ウェス・アンダーソン
出 演:ジェイソン・シュワルツマン、ビル・マーレイ、オリヴィア・ウィリアムズ、シーモア・カッセル、ブライアン・コックス、メイソン・ギャンブル、サラ・タナカ、スティーヴン・マッコール、ルーク・ウィルソン、コニー・ニールセン、アンドリュー・ウィルソン 他
受 賞:【1998年/第33回全米批評家協会賞】助演男優賞(ビル・マーレイ)
【1998年/第65回NY批評家協会賞】助演男優賞(ビル・マーレイ)
【1998年/第24回LA批評家協会賞】助演男優賞(ビル・マーレイ)
【1998年/第14回インディペンデント・スピリット賞】監督賞(ウェス・アンダーソン)、助演男優賞(ビル・マーレイ)
私立ラシュモア校に通うマックス15歳のマックス少年は、19ものクラブを主要メンバとして掛け持ちするなど、そのバイタリティを発揮していたが、肝心の学業は疎かとなり落第を繰り返している始末。そんなある日、学校にやってきた女性教師に恋をしてしまい、彼なりの奇妙なアタックが始まり…というストーリー。
ワタクシお気に入りのウェス・アンダーソンの初期作品で、常々是非鑑賞したいと思っていたのだが、近所のレンタルショップには在庫なし。ネットレンタルで何とか入手し鑑賞に至る(それでも、なかなか人気らしくて、すぐに借りられなかった)。
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の3年前の作品であるが、キャラクター設定はもちろん、場面展開や音楽まで、ウェス・アンダーソンらしさは既に確立されている。終盤、グダグダになりかけている気は若干するが、許容範囲だろう。“家族関係”“水生動物”など、後の作品のキーワードとなる要素も、すでに盛り込まれている(というか、彼の頭の中に常にあるんだろう)。数分観れば、彼の作品であることはすぐにわかるほど。ここまで自分らしさを表現できる映画監督って羨ましいとすら思う。
私が彼の作品をすばらしいと思う一番の理由は、その独特のストーリー展開。一言で表せば“私が普段みている夢のよう”、ということ。夢といっても単なるドリームではなくナイトメアって意味。登場人物は能動的に行動しているつもりだが、まわりの状況に絡みつくように影響をうけて、おかしな方向にどんどん進んで、あがき続ける。私がみる夢は本当にこんな感じ。おそらく、鑑賞中の脳波が夢を見ている状態になるんだろう。まさに“夢見心地”なのだ。
強くお薦めする一本ではあるが、受け付けない人にはまったく受け付けない作品であることは指摘しておく。
ビル・マーレイの受賞歴ばかりだが、何で彼だけが評価されているのか甚だ疑問。別に彼の演技が特筆してすばらしいとは思えないのだ。もしかすると、素晴らしい何かを感じ取り評価はしたいのだが、評価するにも何をどう評価してよいのかわからず、かといって無視するのは憚られるので、とりあえず手近な賞を与えてみたって感じではないかと思っている。
#ジェイソン・シュワルツマンはフランシス・コッポラの甥っ子ってことだけど、ってことはニコラス・ケイジとかソフィア・コッポラといとこってこと?すごいタレント一家だなぁ。
公開年:1999年
公開国:アメリカ
時 間:102分
監 督:ディーン・パリソット
出 演:ティム・アレン、シガーニー・ウィーヴァー、アラン・リックマン、トニー・シャルーブ、サム・ロックウェル、ダリル・ミッチェル、エンリコ・コラントーニ、ロビン・サックス、パトリック・ブリーン、ミッシー・パイル、ジェド・リース、ジャスティン・ロング、コービン・ブルー、レイン・ウィルソン 他
受 賞:【2005年/第11回放送映画批評家協会賞】コメディ映画賞
コピー:Never Giveup! Never Surrender!
SF番組“ギャラクシー・クエスト”が終了して20年。番組のイメージが付いてしまって、その後の役者活動もいまいちな出演者が多いが、熱狂的なファンを持っていて、今でもファン集会が催されている。ある日、イベントに招待された出演者の前に、妙なコスプレの4人組が現れ、“私達の星を侵略者から守って欲しい”と懇願する。最初は冗談だと思い聞き流していた出演者たちだったが、彼らは本当に異星人で、宇宙に流れた電波をキャッチして、番組の内容を史実と思い込み、設定どおりの宇宙船まで用意していたのだった…というストーリー。
いかにもなスター・トレックのパロディ作品で、勘違いネタとしては『サボテン・ブラザーズ』のパクりかな。私はまったくトレッキーじゃないので、元ネタはほとんどわからないんだけど、ノリと雰囲気でしっかり楽しめた。これ、ぜんぜん有名な作品じゃないけど、案外いいデキじゃない?
『ファンボーイズ』に通じるファン愛みたいなのも感じる。ベタ中のベタだとはいえ、伏線もお約束もしっかり。B級扱いだけど、制作費は潤沢に投入していて特撮は異様にしっかりしていて、本当に勘違いした高文明の宇宙人がいたら?というギミックも、作りこみはしっかりしているし、ドラマどおりの緻密な設計をファンに聞いて助けられるのも、おもしろい。
『シュレック』のノリにも通じるところがあって、さすがドリームワークスってところか。
つまんないっていう人がいるんだけど、そういう人は、一週廻って逆におもしろい…って感覚がわからないだけでしょう。素直なコメディだと捉えているとダメだろうね。私はお薦めする。良作コメディだと思う。
それにしても、シガニー・ウィーバーってたま~にこんな役やるよね(『穴/HOLES』とかね)。当時50歳でしょ。ずいぶんスタイル良いわね(って、それを見せたいがための出演なんだと思うけどさ)。素敵。
#なんで、これを大晦日にみるかね。でも、けっこう幸せな気持ちになったよ。
公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:116分
監 督:ジャド・アパトー
出 演:スティーヴ・カレル、キャサリン・キーナー、ポール・ラッド、ロマニー・マルコ、セス・ローゲン、エリザベス・バンクス、レスリー・マン、ジェーン・リンチ、シェリー・マリル、カット・デニングス、ナンシー・ウォールズ、ジェリー・ベッドノブ、ミンディ・カリング、エリカ・ヴィッティナ・フィリップス、モー・コリンズ、ストーミー、ミキ・ミア、マリカ・ドミンスク、ジョナ・ヒル 他
受 賞:【2005年/第11回放送映画批評家協会賞】コメディ映画賞
コピー:遅くて何が悪い!
電気店で働くアンディは、フィギュアやゲームを愛し、自分の生活ペースを乱さない40歳の独身男。しかし、仕事仲間3人と遊んでいる最中に、自分が童貞であることを気づかれてしまう。3人はどうにかしてアンディに初体験をさせようと手をつくしはじめるが、まったく功を奏さない。そんな中、アンディは電気店の近くでネット競売の仕事をしているトリシュと知り合い、なんとかデートの約束をするのだが…というストーリー。
なんか身も蓋もないタイトルだけど、原題の直訳なんだよね。特に有名なキャストが出ているわけでもないし、一般ウケしそうな内容でもないから、ゲテ物作品だと思われてもいいからインパクトで勝負したってところだろうけど、結果からいうと失敗だと思う(逆の意味で)。
40歳の妖精男とか草食男とか、もうちょっと手に取るのが憚られないようなタイトルが良かったと思う。
もっと下品に展開するのかと思ったけれどそれほどでもなくて、どちらかといえば高尚なテーマのコメディだと思う。脇役のキャラもポンコツながらもイイ奴ばかりで、とても微笑ましい。『ファンボーイズ』と同じくらいの爽やかさすら感じる。
日本だと性的なテーマをこういう軽さで仕上げられないと思う。アメリカと日本の映画界の力の差を感じてしまうのは私だけか…。
ゲイかシリアルキラーと思われちゃうってのは、いかにもアメリカでおもしろい。毛深い、フィギュアだらけの部屋、会社のポジション、それなりに料理ができる…、掃除がヘタな以外はほぼ自分を見ているようでなんか変な感じだった。彼女ができないようには見えないな、一般のオタクのイメージとちょっと違うな、と感じる人もいるだろうけど、自分のポリシーを長年貫ける人って、案外こんなかんじだよね。
ラストのミュージカルシーンはよくわからんけど、まあ、わかりきったオチにするくらいなら、これもアリだろう。
年末、あんまり重いのが観たくなかったので、ちょうど良かった。軽くお薦め。
公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:マルコム・D・リー
出 演:サミュエル・L・ジャクソン、バーニー・マック、シャロン・リール、アダム・ハーシュマン、ショーン・ヘイズ、ファッツォ=ファサーノ、ジャッキー・ロング、マイク・エップス、ジョン・レジェンド、アイザック・ヘイズ、ヴァネッサ・デル・リオ、P・J・バーン、ケン・ダヴィティアン、ジェニファー・クーリッジ、サラ・エリクソン 他
かつて大人気だったコーラス・グループ、マーカス・フックス&ザ・リアル・ディールだが、脱退したマーカスがソロで大成功したのと対照的に、コーラス・デュオとして再出発したルイスとフロイドは泣かず飛ばずでケンカ別れして、それっきり。それから約20年後、マーカス訃報の報せが届き、ニューヨークのアポロシアターで行われる追悼コンサートでの再結成を依頼される。しかし、久々に再会した二人だったが、仲の悪さは相変わらずで、道中もケンカ続きでトラブルばかり…というストーリー。
意識したわけではないのだが、奇しくも『カントリー・ベアーズ』とは音楽グループ再結成モノっていう共通点があり、昨日の『アフロサムライ』とはサミュエル・L・ジャクソンていう共通点が。日本未公開映画で、TSUTAYA独占レンタル。バーニー・マックが主演で未公開のものはあるんだけど(笑)、サミュエル・L・ジャクソンも主演なのに未公開って、どんだけおもしろくないのかって普通は思っちゃう。
エンドロールのバーニー・マックのインタビューは何?って思って調べてみたら、本作の撮影中にお亡くなりになってるのね。びっくり。まだ若いのに(50歳)。同じく未公開の『Mr.3000』とか、嫌いじゃなかったよ。さらにアイザック・ヘイズも数ヶ月違いでお亡くなりに。いやはや。もしかして、本当はまだ撮る必要があったカットとかがあったのかもしれない。
それはそれとして、内容のレビュを。
劇中で、ジジィ呼ばわりされてるんだが、それほどジジィには見えない点には違和感が。設定的には60年~70年代に活躍したってことなんだから、60歳前後だろう。途中、腰を痛がったり薬を飲んだりと、それなりの演出はあるんだけど、基本的にピンピンしてるのが、なんとも。逆に昔の写真が若くないってのも…。それは小ネタだとしても、もうちょっと老けメイクするなり、工夫をしたほうがよかったんじゃないかな。
テンポがいいのは認めるが、中盤までは、コメディ&ロードームービーにありがちな展開。凡庸さは否めないのだが、シャロン・リールが出てきたあたりで、すこし映画がシマっってくる。意地の悪い言い方をすれば、そろそろ二人で笑いをとるのが苦しくなってきたところで、ポンコツマネージャとか娘の男(夫?彼氏?)を出すことで、何とか凌いだという感じ。とはいえ、棺桶の中のシーンなんかは、なかなか無い演出だと思うし、その他にもちょこちょこ目を引く演出はあるのに、どうも薄皮一枚破れていない感じが、全体的にする。
根本的な難点は、あまりグルーヴを感じないというか、二人のステージのパフォーマンスがとても“絶品”ってレベルじゃないこと。シャロン・リールの歌も『天使にラブ・ソングを2』のローリン・ヒルをみたいな衝撃は無い(『ドリームガールズ』なんだけどね…)。音楽モノで、音楽シーンになってもワクワクもしないし鳥肌も立たないのは、ある意味致命的で、未公開な理由はこのあたりかなと思う。
新作料金で、それに見合った満足感ってわけにはいかないが、旧作料金なら全然アリ。同じTSUTAYA独占レンタルの『ファンボーイズ』よりは落ちるけど、変な比べかたかもしれないが『最高の人生の見つけ方』と同じレベルって感じのおもしろさかな。
公開年:1993年
公開国:アメリカ
時 間:110分
監 督:アイヴァン・ライトマン
出 演:ケヴィン・クライン、シガーニー・ウィーヴァー、フランク・ランジェラ、ケヴィン・ダン、ベン・キングズレー、チャールズ・グローディン、ヴィング・レイムス、ボニー・ハント、ローラ・リニー 他
ノミネート:【1993年/第66回アカデミー賞】脚本賞(ゲイリー・ロス)
【1993年/第51回ゴールデン・グローブ】作品賞[コメディ/ミュージカル]、男優賞[コメディ/ミュージカル](ケヴィン・クライン)
とある事情で、大統領に瓜二つのデーヴは一夜限りの代役を引き受けることになるのだが、替え玉遂行中に、運悪く大統領が脳卒中で倒れてしまう。大統領の取り巻き達は、副大統領が気に喰わない上に自分の立場が脅かされることを嫌ったため、しばらくデーヴを替え玉のまま使うことを画策する。しかし、まがりなりにも政務をこなすうちに、デーヴは持ち前の誠実さを発揮し始め、おかまいなしに改革を実行していき…というストーリー。
『影武者』のように“王子と乞食”のようなストーリーは多々あるが、その中でも本作は際立ってデキがよい。普通に考えれば、かなり荒唐無稽だし予定調和バリバリの展開なので、飽きてしまいそうなものだが、演者の仕事があまりにも上質なのでグっと引き込まれる。主人公のケビン・クライン演技は上品かつ的確だし、一見ミスキャストとも思えるシガニー・ウィーバーも、なにげにツンデレな感じでうまく仕上げている。ベン・キングスレーも他の作品での重厚さとは一味ちがう善人っぷりが心あたたまる。
こういうコメディ作品の味付けとして非常に大事なのが、小ネタ的ながらも味のあるキャラ。本作でいえばシークレット・サービスの役(『ダイハード』でいうところのパウエルに相当)。本作全体のハートフルさの3分の1は彼が構築したといってもよくて、最後の車内でのセリフは思わずじわっと涙が出そうになるし、エンドロール前の彼には思わずニヤリとしてしまった。
最後のエンドロールが“HIMSELF”のオンパレードなのもおもしろい。日本なんかより政治が身近だな…という感じがものすごくする。同じテーマの作品を日本で作ったとしても、もっとエグくなるか、逆に現実離れした内容になるに違いない。
本作を見てしまうと、いまの事業仕分けがなんでうまくいかないかの理由がわかってしまう。デーヴはホームレスのために予算を確保することを目的に、それより無駄だと思われる予算を削っていき、結果としてうまくいってしまう。いやいや作り話だから…という無かれ。なぜうまくいったかには、はっきりとした理由がある。それは、予算削減をなんでしなくてはいけないか…という目的が明確だからである。目的がはっきりしていれば、その目的よりも重要度や緊急性の低い予算を見つけ出して削ればいいのである。
では、いまの政権の事業仕分けはなんの目的でやっているのか?その目的は予算を削減することである。いやいや、予算の削減というのは、他に予算を使わねばいけないところがあるから行う“手段”であって、決して目的ではない。では、事業仕分けをしている人たちに聞いてみよう。なんで削減しているのか?「そこに無駄があるからだ」と言うに違いがない。もっともらしく聞こえるかもしれないが、手段が目的化した行動こそ、愚かなものはない。目的がはっきりしていないから、ツボがはずれてうまくいくはずがないのだ。いやぁ、こんな17年も前のコメディ作品に教えられるとは、情けない話である。
とにかく、上品でハートフルでウィットに富んでいる定期的に繰り返しみたくなるような作品。強くお薦めする。もし自分が政治家になるようなことがあったら、ことあるごとに観たい作品。
公開年:2007年
公開国:アメリカ
時 間:138分
監 督:デイヴィッド・ドフキン
出 演:ヴィンス・ヴォーン、ポール・ジアマッティ、ミランダ・リチャードソン、ジョン・マイケル・ヒギンズ、エリザベス・バンクス、レイチェル・ワイズ、キャシー・ベイツ、ケヴィン・スペイシー、トレヴァー・ピーコック、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス 他
コピー:ありえない家族のぶっ飛んだ再会劇!
ダメ人間のフレッド・クラウスは、なんと、本物のサンタクロースの兄。聖人は歳をとらないが、そのルールは家族にも適用さて、フレッドも歳をとらない。いつも完璧な弟と比較されるせいでヒネくれてしまったフレッドは、荒れた生活を続け、ついに横領事件を起こして拘置所行きに。にっちもさっちもいかず、苦肉の策で弟ニコラスに助けを求めると、兄思いのニコラスは妻の反対を押し切り、北極にあるサンタのおもちゃ工場で働いて返済することを条件に、保釈金を用意してくれるのだったが…というストーリー。
公開していた記憶もないくらいだし、“ブラザーサンタ”なんていうチープな題名をみちゃうと、『ホームアローン3』レベルのつまんないファミリー向けコメディかと思ってしまう(“3”だよ)。“FRED CLAUS”と聞くと、海外ならサンタの関係者?とピンとくるだろうから、実はものすごく頃合の良い題名なんだと思う。しかし、日本ではそうは想像されれないだろうってことで、ブラザーサンタって…わかるけどあまりにもダサいなぁ。せめて“ブラザーサンタ ~フレッド・クラウスの場合~”とか、なんとか原題を生かせなかったかねえ。
このチープな印象とは裏腹に、悪役はケビン・スペイシーだわ、サンタのママはキャシー・ベイツだわ、主人公の彼女はレイチェル・ワイズだわ、かなりがっちりしたキャスティング。よくわかんない男二人が肩を組んでいるDVDのジャケットを観ても、そんな豪華さは微塵も感じることができない(主役の二人すまん)。もうちょっと前面に出したパッケージ画像にすれば、レンタル数は増えるんじゃないの?
内容も、この認知度の低さほどヒドくはない。子供のころスーパーマンのマントを貰えなかった恨みって、あなたレックス・ルーサーだったでしょ!(笑)とか、シルヴェスター・スタローンの弟とかビル・クリントンの弟とかアレック・ボールドウィンの弟とかが、ご本人さん登場で、偉大な兄をもつ弟としての苦悩を演じていたり、ニヤリとできる場面は多々ある。まあ、秀作かといわれるとちょっと口ごもってしまうんだけど。
ちょっとツメが甘い部分はあるのは事実。有名人の弟に苦労を語らせるんなら、ダメ人間のフレッドは兄じゃなくて弟設定にすればよかったと思うし(冒頭の、後からうまれた弟が優秀で…っていうギミックを壊したくなかったんだろうけど)、突然北極につれてこられたワンダがあっさり状況を把握しているのも違和感あるし(あなたフレッドと結婚したら不死ですけど、わかってます?(笑))。あと15分長くてもいいので、フレッドとワンダの恋愛の経過を濃くしたほうがよかったし、エルフと工場のおねえちゃんとの恋の行方ももうちょっとエピソードを多くしてもよいかもね。
でも、ローティーンの子供と親が一緒にみる映画としては、かなり最適だろう。両世代が楽しめるように、かなり工夫されていると思う。隠れた良作として軽くお薦め。
公開年:1979年
公開国:アメリカ
時 間:130分
監 督:ハル・アシュビー
出 演:トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ピーター・セラーズ、シャーリー・マクレーン、メルヴィン・ダグラス、ジャック・ウォーデン、リチャード・ダイサート、リチャード・ベースハート、ジェームズ・ノーブル、エリヤ・バスキン 他
受 賞:【1979年/第52回アカデミー賞】助演男優賞(メルヴィン・ダグラス)
【1979年/第14回全米批評家協会賞】 撮影賞(キャレブ・デシャネル 「ワイルド・
ブラック/少年の黒い馬」に対しても)
【1979年/第45回NY批評家協会賞】助演男優賞(メルヴィン・ダグラス)
【1979年/第5回LA批評家協会賞 】助演男優賞(メルヴィン・ダグラス)
【1979年/第37回ゴールデン・グローブ】 男優賞[コメディ/ミュージカル](ピー
ター・セラーズ)、助演男優賞(メルヴィン・ダグラス)
【1980年/第34回英国アカデミー賞】 脚本賞(イエジー・コジンスキー)
生まれてから一歩も屋敷から出たことのない庭師チャンスは、主人の死をきっかけに屋敷を出ることに。はじめて出る世間にとまどいつつも、見るもの全てが珍しい彼は街を徘徊。そんなとき、偶然にも、余命いくばくも無い財界大物を夫に持つ貴婦人が乗る高級車に轢かれてしまい、屋敷で治療を受けることになり…というストーリー。
『フォレスト・ガンプ』のレビューのときに、同じテーマの作品と書いてしまったが、観終わって、主役が知的障害という設定こそ一緒だが、テーマも切り口もまったく異なっていると気付いた。まず、根本的に、世間からアホ扱いされるか、傑物扱いされかという段階でまったく別もの。アホ扱いされずに世の中から勘違いされ続けるという脚本を成立させている点は、もちろんすばらしいと思う。コメディだものね。そこは否定しない。しかし、本作の、極端なまでの世の中に対するシニカルな目線が、私には、鼻についてしかたがなかった。
結局はラストに到っても、何かが示唆されるわけではなく、世の中をハスに見続けて揶揄して終わっただけ。さらに、その揶揄は、最後の悪趣味なキリストのパロディで終わるのだ。ちょっとセンスが悪くはないだろうか(それもフリー・メイソンのお葬式で)。不謹慎だといっているのではないし、シニカルな目線が悪いといっているのでもない。結局、私の大嫌いな、“世の中のアホは救いようが無いんだよ”“いくら何をやっても変わらないんだよ”っていう、シニカルを通り越してニヒリズムになっちゃってるのがイヤなのだ。
でも、最後のNGシーンを観て、ああ、製作側は私が受け取ったよりも軽い感覚で作っていたのだな…と気づく。それはそれで、なんかしっくりこなくて不快ではある。
もっと評価されていい作品という意見もあるけれど、私にとってはものすごく不快な作品。どうも、うまく表現できないんだけど、邪悪な思考の匂いがしてしかたがない。非常に底意地の悪い人がつくった作品だと思う(もちろん実際は知らんけど)。だから、お薦めしない。
公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:カイル・ニューマン
出 演:サム・ハンティントン、クリストファー・マークエット、ダン・フォグラー、ジェイ・バルシェル、クリステン・ベル、デヴィッド・デンマン、クリス・マクドナルド、セス・ローゲン、ダニー・トレホ、イーサン・サプリー、ビリー・ディー・ウィリアムズ、ジェイミー・キング=ニューマン、ペル・ジェームズ、ウィリアム・シャトナー、キャリー・フィッシャー、ケヴィン・スミス、ジェイソン・ミューズ、レイ・パーク 他
1998年。父親の経営する中古車販売店に勤務するエリックは、高校時代、スター・ウォーズに熱狂したオタク仲間たちと久々に再会。長いブランクの末に来夏に公開される『スター・ウォーズ エピソード1』の話で大盛り上がりだったが、仲間の一人ライナスがガンで余命わずかであることを知る。彼の命が尽きるまでに、エピソード1を見せてあげたいと思い、ルーカス・フィルムの本拠地“スカイウォーカー・ランチ”に侵入しようと考え、一同はアメリカ横断の旅に出る…というストーリー。
TSUTAYA独占レンタルなんて謳い文句だが、実際はどこかで単館上映した(する?)模様。あらすじを聞いただけで、なんとなくいい感じの思えた作品なのだが、当初は国内未公開の予定だった。さて、それはなぜだろう。そんな思いで視聴。
ルーカスサイドの許可がなければ、もちろん実現しないような映像が目白押し。製作にケヴィン・スペイシーが名を連ねているが、シナリオを読んで感心して、諸々調整に尽力したってところだろうか。まあ、ルーカスサイドが損をするような内容ではないし、アニメの方は放映中だし、いろいろ大人の事情も影響はしているだろうが、とにかくルーカスって太っ腹だね、、って感じ。
豪華なカメオ出演陣もなかなかのもので、いろいろな映画関係の人脈の賜物ともいえるが、スターウォーズの威光、衰えずといったところ。
コメディということだが、中途半端に小手先の笑いだけを取りにいった感じではなく、純粋にオタク達の青春ロードムービーに仕上がっていると思う。
でも、観進めていくと、なんて本作が日本未公開になりそうだったか理由がわかったような…。ネタバレになるし、もしかしたら私が見落としているかもしれないのだが…。
まず、ライナスの余命が短いことは、ライナス本人は知らなかったんだよね????もしかして知ってたの?いつから?
どっちにしろ、ルーカスは何でライナスだけにエピソードⅠを観ることを許可したの?ライナスの病気を何で知ったのだ?もしかして“フォース”ってことだろうか。
わけがわからなかったので、実はも言う一回後半部分を見直したのだが、やっぱりわからなかった。
やっぱりフォースの力ってことで、なんとなく成立しちゃってるのだろうか…。もしそうなら、その部分だけはちょっと芸がない。なんとかならなかったのだろうか…。んー。
内容以外に注目したいのは、TSUTAYAがこういう未公開作品をどんどん買い付けてレンタルしはじめたってこと(本作以外にも、色々カルチャ・パブリッシングは買い付けてはじめている)。小さい配給会社がどんどん倒産して、ますますニッチな良作が公開されにくくなるなかで、一つのいい方向性だろ思う(冒頭のCPのロゴ映像はものすごくダサいけどね)。
まあ、小さい配給会社が倒産していったのは、シネコンに押されて…みたいな事情だけでなく、やっぱり山師的な感覚の経営者が多かったからだと思う。いまの情勢を考えれば、合従連衡で乗り切る局面だったのに、だれもその旗振りはしなかった。所詮はお山の大将たちだったいうことかも。残念だけど。
閑話休題。若干、シナリオに難点はあるように思えるけど、なかなか気持ちのいい良作。スターウォーズがそこそこ好きなら、基本的にお薦めする。私はかなり楽しめた。うん。
公開年:2007年
公開国:ドイツ
時 間:95分
監 督:ダニー・レヴィ
出 演:ウルリッヒ・ミューエ、ヘルゲ・シュナイダー、シルヴェスター・グロート、アドリアーナ・アルタラス、シュテファン・クルト、ウルリッヒ・ノエテン、ウド・クロシュヴァルト 他
コピー:私が見たのは、狂気の独裁者ではない、ひとりの孤独な人間だった──
ナチスドイツが劣勢に陥っていた1944年、ゲッベルスは、5日後の新年大会にてヒトラーの演説を大々的に行って国民を煽り、起死回生を図ろうと考えた。しかし、肝心のヒトラーは心を病んでおり、とてもスピーチなどできる状態ではない。そこで、ヒトラーを再生させる大役を世界的俳優(だけどユダヤ人の)グリュンバウム教授に託すことを思いつき、強制収容所から教授を移送し、ヒトラーを教育させるが…というストーリー。
もう、毒を喰らわば皿まで、ナチス映画の連チャンである。
タイトルから、ヒトラーの幼少期に先生だった人の話とかかしら…と勝手に思い込んでいたが、全然違って、ましてやコメディとは…。
冒頭にこの話は実話である…と示されるので、素直にそうなんだろうなぁと思って観ていたが、時間が経過するにつれ、こりゃ実話じゃないな…と思いはじめる。実際にヒトラーにはボイストレーナーがいたらしく、実話なのはその点だけ、あとは創作も創作ということ。
とはいえ、まあ、ブラックなコメディとしてはなかなか軽妙でニヤリとしてしまうのだが、ニヤリとする口角が上がりきる途中で無意識にストップがかかってしまった。なぜか。「これって笑っていいのかしら?」ってことだ。
本作はドイツ映画である。2004年にドイツで作られた『ヒトラー~最期の12日間~』が公開されるときには、ヒトラーを正面きって表現することだけで、製作側にも観る側にもものすごく“引っかかり”があったはず。それが6年たって、今では軽妙なコメディである。ドイツもずいぶん変わったものだ。
ヒトラーは幼少期に虐待を受けていた、祖父はユダヤ人だった、と確かに聞いたことのある話だが半分都市伝説だし、ジャージ姿で体操させたり、ユダヤ人夫婦の間で川の字に寝せてみたり、コミカルに侮蔑したつもりだろうが、人類史上屈指の悪魔に対して、その程度の侮蔑なんか屁でもないな…と思い始めると、さほど笑えなくなってしまう。だって、そうやってバカにしている間に、ベルトコンベア式にガス室送りになっているんだもの。せめてもうすこし、真実かも…と思わせてくれれば、いくらか捉え方も違ったかもしれない。
#それにしても、今の日本にヒトラーレベルの政治家が登場したら、あっさり煽動されて乗っ取られるのだろうな。鳩山首相みたいなポンコツでよかったですね(苦笑)。
まあ、世界中の人がどう受けとめているのか、わからないけれど、私には受け止めきれない作品だった。しかし、まったく気にならない人には、そこそこのコメディと感じられるはずなので、観ていただくこと自体はやぶさかではない。
#ウルリッヒ・ミューエの遺作になってしまったのは、惜しいことであるが、最後がコレをいうのは、なんとも…。
公開年:2003年
公開国:イギリス
時 間:108分
監 督:ナイジェル・コール
出 演:ヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ、シアラン・ハインズ、ペネロープ・ウィルトン、セリア・イムリー、リンダ・バセット、ジェラルディン・ジェームズ、ジョン・アルダートン、アネット・クロスビー、フィリップ・グレニスター、ジョージ・コスティガン、グレアム・クラウデン、ジョン・フォーチュン 他
ノミネート:【2003年/第61回ゴールデン・グローブ】女優賞[コメディ/ミュージカル](ヘレン・ミレン)
【2003年/第16回ヨーロッパ映画賞】女優賞(ヘレン・ミレン)
コピー:ひと月ごとに綴られる彼女たちの《心の冒険》――
これは1999年、英国の小さな田舎町で本当に作られた《カレンダー》
イギリスの田舎町ネイプリーの婦人会のメンバーであるクリスとアニーは、平凡すぎる日々に飽き飽きしていた。そんな時、アニーの夫ジョンが白血病で亡くなってしまう。アニーを励ます意味もあり、クリスは毎年恒例の婦人会カレンダーを自分たち自身のヌード・カレンダーにしようという突飛な提案を。そして、その売上げはジョンが世話になった病院に寄付するというのだ。最初は誰も同調しなかったが、次第に仲間が集まり…というストーリー。
実話ベース。なかなか面白く仕上がっている…というのは簡単だが、これをまとめるのはさぞや難しかったことだろう。日本ではさほどでもなかったが、当時欧米では大変話題になっており、すっかり周知の内容だった。それを映画にするにしても、ハードルは上がりに上がりきってしまっている。かといってむやみにオリジナルエピソードを挿入することもできまい。自分にこれを映画にしろ…とオファーがきたことを想像したら、ゾッとする。
息子の話や奔放な妻を抱えて悩める夫のことなどをもっと掘り下げて、加えることはできたと思うが、やはりそこには実話の壁がある。ギリギリの線でまとめ、最後もなんとなくフワっと終わらせているが、その事情を勘案すれば、まあまあ許せる。
以前にお薦めした『キンキー・ブーツ』のスタッフが製作・脚本を手掛けているのだが(本作のほうが前に作られている)、そう考えると、『キンキー・ブーツ』では、その実話の壁をいくらか越えることに成功していると言える。
群像劇とはいえないが、多くの人物が登場し且つそれぞれのキャラをほどよく立たせるのが非常にうまい。
当時、女性版「フル・モンティ」という評価があったが、観ればわかると思うが、かなりテイストは違う。
とにかく明るく前向きな人たちと、その思いや気持ちが世の中に伝わっていく様を観るのは楽しい。本作と『キンキー・ブーツ』を続けてみると、おもしろいかも。セットでお薦めする。
#ヘレン・ミレンは『クィーン』とはかなりイメージがちがう。『クィーン』も観てみるかな。
公開年:1993年
公開国:アメリカ
時 間:108分
監 督:ビル・デューク
出 演:ウーピー・ゴールドバーグ、マギー・スミス、キャシー・ナジミー、ウェンディ・マッケナ、メアリー・ウィックス、バーナード・ヒューズ、ジェームズ・コバーン、ローリン・ヒル、ジェニファー・ラヴ・ヒューイット、アラナ・ユーバック 他
ノミネート:【1994年/第3回MTVムービー・アワード】コメディ演技賞(ウーピー・ゴールドバーグ)
セント・キャスリン修道院のシスターたちは、社会奉仕として高校で指導をしているが、タチの悪い生徒ばかりでお手上げ状態に。そこで、修道院長は今やラスベガスのシンガーとして忙しいデロリスに学校の指導の手助けを懇願。その学校がデロリスの母校であったことと、ほかでもない修道院長の頼みということで断ることができず、音楽担当として着任したが、思っていた以上に生徒たちの態度は悪く、さすがのデロリスも諦めかける。しかし、そんな中、偶然に学校の閉鎖話を聞いてしまうが、閉鎖を取りやめさせるためには、なにか目立った成果を上げなければいけない。そこで、デロリスは聖歌隊の結成し、コンテストで優勝することで、学校の閉鎖を防ごうとするが…というストーリー。
続いて『2』を観る。
昨今、惰性で『3』までつくってしまい失敗するパターンが目白押しだし、それどころか続編決定の段階で、『3』まで作ることが決定している場合も多々(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』方式が成功の方程式と勘違いしてるんじゃなかろうか、と呆れることも)。
どういう理由があったかはしらないが、勇み足で『3』を作らなかったことが、『SISTER ACT』自体が長く評価・支持される一つの要因かも。
正直、導入部には続編故のストーリー的な無理がある。“SISTER ACT”っていうタイトルだから、デロリスを無理やり修道士系の学校で指導するSISTERにするわけだが、その“ACT”は本作の主軸ではないし、SISTERでなければいけないわけでもない。脚本にも無理がある。ローリン・ヒル演じるリタと母親との軋轢も、無理やり進路の問題にすり替わっているが、学校の窮状を救うためと説明するればどうにもなるだろうし、第一、勉強しろ勉強しろって言われても、今その勉強するための学校がなくなろうって状況なのに。冷静に考えたら、頭がおかしくなるようなトンチンカンな話なのだ。
その後の展開も凡庸で、イマイチな続編のレッテルを貼られる寸前なのだが、ローリン・ヒルの歌声にギリギリで救われている。はじめて観たとき(大昔だが)、彼女の歌声に驚愕したのを覚えている。
とにかく、設定や脚本のウィークポイントを補うように、楽曲への力の入れようはものすごく、気持ちのよい青春音楽映画に仕上がっている(実は、私、サントラ買っちゃっている)。ベタベタだとわかっていても、コンテストシーンは鳥肌が立ってしまう。
残念ながら『1』ほど、手放しで傑作とは言えないけれど、『1』『2』ワンセットで気持ちよく見ることが出来る良作といえる。両方とも短めなので、どうせ観るならワンセットで…とお薦めする。
#ただ、びっくりするのだが、DVDの日本語吹替えでは、このローリン・ヒルの歌まで吹替えちゃっている。勇気があるっていうのか、良い悪いのセンスがめちゃくちゃというか、呆れるしかない。
公開年:1992年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:エミール・アルドリーノ
出 演:ウーピー・ゴールドバーグ、マギー・スミス、キャシー・ナジミー、ハーヴェイ・カイテル、ウェンディ・マッケナ、メアリー・ウィックス、ビル・ナン、ロバート・ミランダ 他
ノミネート:【1992年/第50回ゴールデン・グローブ】作品賞[コメディ/ミュージカル]、女優賞[コメディ/ミュージカル](ウーピー・ゴールドバーグ)
【1993年/第2回MTVムービー・アワード】女優賞(ウーピー・ゴールドバーグ)、ブレイクスルー演技賞(キャシー・ナジミー)、コメディ演技賞(ウーピー・ゴールドバーグ)
【2007年/第33回セザール賞】主演女優賞(マリオン・コティヤール)、撮影賞(テツオ・ナガタ)、音響賞(Jean-Paul Hurier、Pascal Villard、Laurent Zeilig)、美術賞(オリヴィエ・ラウー)、衣装デザイン賞(マリット・アレン)
愛人による殺人現場を目撃したために命を狙われるハメになった売れないクラブ歌手デロリスは、警察に保護を求めたが、裁判の日まで修道院にかくまわれることに。しかし、下品に育った彼女が教会でおとなしくできるはずもなく、聖歌隊をゴスペル風に変え、TVで紹介されるほど話題になってしまい…というストーリー。
今回は、私のチョイスではない。先週あたりに『2』のTV放送をやっていて、家族が見ようとてチャンネルを廻したらすでに最後のほうだったみたいで、観たくなったとのこと。どうせみるなら『1』から、ってことみたい。とはいえ、もう我が家では10回ちかく見てると思う。定期的に観たくなるような作品のようだ。
それにしても、本作は何もTV放映される。今は日テレが放映権をもっているのだと思うが、放映権を買った金額を回収するために数度放映するのはわかるが、ここまで繰り返すことができるのは、毎回それなりに視聴率がとれているわけで、充分ペイしている優等生なんだろうな。そういう洋画は、『天使にラブ・ソングを…』『ダイ・ハード』『ホーム・アローン』くらいかな。
おもしろいことに、この3作、いずれも、海外ではめぼしい受賞歴がない。スポーツ界でよく言われる記録よりも記憶っていうのを地でいっているわけである。さらに本作は、他の2作よりも、視聴層の年齢・性別の範囲が広そうだ。『ダイ・ハード』は男性よりでやや年齢が上の傾向。『ホーム・アローン』はファミリーよりの傾向。本作は、性別も年齢もまんべんなくウケていそうだ。
単純なストーリーに、魅力的な出演人。ハーヴェイ・カイテルは本当に幅の広い役者。この歌のうまい女の子ティルダ・スウィントンがアカデミー賞を獲るようになるなんて。いまさらお薦めする必要もない作品だが、手放しで“良い”っていえる作品である。
#一見ズレた邦題に見えるけど、これを考えた人のセンスは大変すばらしいですな。
公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:101分
監 督:ミシェル・ゴンドリー
出 演:ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローヴァー、ミア・ファロー、メロニー・ディアス、シガーニー・ウィーヴァー、アージェイ・スミス、マーカス・カール・フランクリン、キシュー・チャンド、P・J・バーン、チャンドラー・パーカー、クィントン・アーロン 他
コピー:はっぴいえんどにリメイク中
マイクは、潰れかけのおんぼろレンタルビデオ店“ビー・カインド・リワインド”で働いているが、再開発の波が押し寄せ立ち退きをを迫られている。そんなある日、マイクは店長に留守を任されるが、友人のジェリーのせいで、商品のビデオテープが全てダメになってしまう。あわてた2人は、ビデオカメラ片手にダンボールや廃材を使ってリメイクし急場をしのぐ。ところが、そのチープな手作りビデオが何故か評判を呼び、2人は町の住人たちを巻き込み様々なハリウッドの名作、ヒット作を次々と勝手にリメイクし始めるのだったが…というストーリー。
昨日コメントした『ほぼ300』と同じで、アメリカだからできる映画だと思う。他国なら、素人が思いつきでリメイクして、それなりに面白くなるようなユニークな作品が、大量にあるなんてことはないから。
とはいえ、本作でリメイクされている作品の半分くらい、観てないなぁ(なんとなく判っちゃうんだけどね)。
でも、ダニー・グローヴァーは、まじめに演じているけどシチュエーション的におもしろい…みたいな、『リーサルウェポン』みたいなのはいいだけど、本作みたいな正面切ってのコメディー作品は向いてないねぇ。とはいえ、一番笑ったのは、『ドライビングMissデイジー』をリメイクしているところだったけどね(観てくれればわかる)。
それもそうなんだけど、ジャック・ブラック以外だと成立しない映画かもしれないんだろうな。他の役者がやれてるところを想像できない。
これまで、ミシェル・ゴンドリー監督の作品は『ヒューマンネイチュア』『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』と観てきて、全部好きだったんで、本作も期待してたんだけど、“映画をリメイクする”っていうアイデアだけだったことと、ジャック・ブラックの演技に頼りすぎたせいで、ラストの感動(になるはずの)シーンもいまいち盛り上がりに欠けてしまった。もう一つ二つ、別のキャラのサイドストーリーをからめて厚くするとよかったのかもしれない。
決して駄作ではないけれど、凡作の粋を超えようとして超えられなかった線だと思ってくれればいい。何も観たいのが見つけられないときにはいいかも。
邦題は、ぜんぜん内容とマッチしてないし、言葉の響きもイマイチだし、根本的に意味不明なんだけど、かといって本作に邦題をつけるのって、実は難しいよね。“ニュー・ビデオ・パラダイス”とか?(ダメだね)
案外、コピーが邦題でもよかったかもね。
#でも、モス・デフ演じるマイクが、『ドライビングMissデイジー』のリメイクを作るのを嫌がったのって、『ドライビングMissデイジー』が嫌いだったから?それとも逆に好きだったから??見直して確認する気なし。
公開年:2000年
公開国:アメリカ
時 間:108分
監 督:ジョエル・コーエン
出 演:ジョージ・クルーニー、ジョン・タートゥーロ、ティム・ブレイク・ネルソン、ジョン・グッドマン、ホリー・ハンター、クリス・トーマス・キング、チャールズ・ダーニング、デル・ペンテコスト、マイケル・バダルコ、ウェイン・デュヴァル、レイ・マッキノン、ダニエル・フォン・バーゲン、フランク・コリソン 他
受 賞:【2000年/第58回ゴールデン・グローブ】男優賞[コメディ/ミュージカル](ジョージ・クルーニー)
コピー:だから、人生はおもしろい。
1930年代、アメリカ南部のミシシッピー。エヴェレット、ビート、デルマーは、脱獄し、昔エヴェレットが隠した現金120万ドルの場所へ向かう。その隠し場所は、もうすぐダム建設で川底に沈むことになっていた…というストーリー。
コーエン兄弟の作品だが、ある意味、彼ららしさが良く出ている作品だと思う。
居酒屋で、たまたま隣に座ったオヤジたちの一人が、くっだらない話をしていやがるなぁ…と思いつつ、ずうっと聞いてしまう感じ。そういう酔客の戯言みたいなお話こそ、私は楽しいと思うので、本作はアリだ。
#ずぶ濡れボーイズ。ステキだ。
また引き合いに出して申し訳ないのだが、脱走&ロードムービーということで、『裸足の1500マイル』と同じ材料なのだが、こうも違うかね。本作は実に楽しく仕上がっている(、『裸足の1500マイル』は、コメディじゃない…とか、つまらないツッコミは無用。“楽しい”とは笑えることを指しているのではない)。
多分、本作を観て、つまらなかったという人が、結構いると思う。でも、もう一度言うが、酔客の戯言的な面白さだから。ジョージ・クルーニーの演技も、受賞するほどかぁ?と思う人がいるかもしれないが、演技というよりも表情(目ヂカラ、顔ヂカラとでもいうのかな)が出色。それまで、比較的シリアスな役が多かったが、本作以降は、シリアスとコメディをバランスよく演じている。彼のフィルモグラフィ上、ある意味、分岐点的な作品かもしれない。
変に、大作を期待しなければ、充分に楽しめるので、お薦めする。
#偶然なんだけれど、前日の『ショート・カッツ』と、似た感じのラスト・エピソードだったな。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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