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公開年:2005年
公開国:イギリス、フランス
時 間:86分
監 督:ブライアン・クック
出 演:ジョン・マルコヴィッチ、ジム・デヴィッドソン、ジェームズ・ドレイファス、テレンス・リグビイ、マーク・アンバース 他
1990年代のロンドン。バーやレストランで、スタンリー・キューブリックと名乗る男が、「私は映画監督のスタンリー・キューブリックだ。キミを次の映画に起用しよう」と話かける。アル中でゲイのこの男は、キューブリックとはに似ても似つかない風貌なのに、人々は次々と騙され、人々は彼に酒や食事をおごり、金品を渡してしまう…というストーリー。
冒頭から、“実話…?みたいな~”ってチョケた感じで始まるのだが、結局ラストでは、その後に死にましたーとテロップが入り、がっちり実話ってことらしい。実話の部分はベースのみで、あとはおもしろおかしく脚色するのかな…なんて期待したけれど、とくにおもしろく創作している様子は観られない。
人前には出てこないスタンリー・キューブリックなので、名声と裏腹にだれも顔を知らない。そこを突いて詐欺を働く男がいたと…。まあ、そういうことだったんだろうね。
なんか、大してそれっぽい演じ方をしていたわけでもないし、それほど巧みにも見えない。でも、実際にそういう事件があったんだと…。まあ、そういうことだったんだろうね。
で、その男はゲイでもあったと。別にゲイであることが、詐欺師の話として重要な要素でもないし、味付けとして効果的なわけでもない。でも、モデルになった人は実際にゲイだったと…。まあ、そういうことだったんだろうね。
詐欺のスケールが特段大きくなっていくとか、ハラハラするような展開になるとか、そういうわけでもなく、単に行き当たりばったりというか自暴自棄な感じ。別に詐欺にポリシーがあるわけでもないと…。まあ、そういうことだったんだろうね。
ん~~。まあ、そういう人がいた…というそれだけの話だね。マルコヴィッチが演じていたから、なんとか映画の体を保ってるって感じ。うん。「だから何…」その感想以外に何ひとつない。ウィット感が一切ない詐欺師の話。日本未公開なのもそりゃそうだろうなと…。もちろんお薦めしない。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:78分
監 督:ヘンリー・セイン
出 演:カイル・デイヴィス、デヴィン・マッギン、バラク・ハードリー、エドムンド・ルピンスキー、グレッグ・ローレンス、イーサン・ワイルド 他
考古学教授レイクの下に、とある遺物が届く。それは太古に地球を支配していた邪神クトゥルフが実在することを証明するものだった。そして、その邪神を崇拝するクトゥルフ教団が暗躍し、いよいよ邪神クトゥルフが蘇り人類滅亡の危機が間近となっていることを知るが、その危機を救えるのは、伝説の怪奇作家ラブクラフトの末裔のみ。レイクは救世主を見つけるも、が全く無能なただの会社員で…というストーリー。
いや、借りる時からわかってたよ。ジャケットだってB級感満載だったし。“2010スラムダンス映画祭で大絶賛”ってそんな賞知らないし。日本では未公開だったみたいだし。期待なんかしていなかったよ。
あれ。ラヴクラフトっていう作家は実在していて、“クトゥルフ神話”ってのは彼の作品の世界なのね。知らなかったわ。要するに、同好の志のおふざけ映画みたいなものか。主人公がそのラヴクラフトの子孫っていう設定。その存在を知らなけりゃ、おもしろくも何ともないのはあたりまえってことか。
#ラヴクラフト映画祭 観客賞受賞!”いや、この作品以外に、ノミネート作品ってあったんかいな。
現代の技術をもってして製作された作品でありながら、まるでエド・ウッドがのり移ったようなグダグダな技術(それは、ある意味で魅力なはずなんだけど)。せっかくクトゥルフ神話とやらを持ち出しているのに、敵キャラにまったく魅力が無いのはどうしたことか(元々、このレベルの小説なのか?)。
教団がどうしたとか、混血がどうしたとか、塩水だ、砂漠だ、両腕骨折だ…終盤、収まりのつかなくなったストーリーをなんとかしようと試みているが、さらにグダグダになる一方。そんなになっちゃうなら、いっそのこと纏めることなんか諦めて、トコトンまでハチャメチャやっちまえばいいのに。中途半端だよな。
たった78分なのに2時間観たような気分になるくらいテンポが悪い。ワタシ、B級映画には結構好意的な方だけど、これは地雷だわ。『ゾンビランド』の8分の1くらいの満足度しかない。枝毛を切るくらいしかやることが無い時に、タダで貸してくれるなら観てもいい。でも枝毛切りは止めませんけどね…、そんなレベル。いやいや、久々に無駄な時間を過ごしたよ。
負けるな日本
公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:トッド・フィリップス
出 演:ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィナーキス、ヘザー・グレアム、ジャスティン・バーサ、ジェフリー・タンバー、マイク・エップス、マイク・タイソン、ケン・チョン、レイチェル・ハリス、ロブ・リグル、サーシャ・バレス、ブライアン・カレン、イアン・アンソニー・デイル、ジリアン・ヴィグマン、ジャーナード・バークス 他
受 賞:【2009年/第67回ゴールデン・グローブ】作品賞[コメディ/ミュージカル]
【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】コメディ映画賞
【2009年/第19回MTVムービー・アワード】コメディ演技賞(ザック・ガリフィナーキス、ブラッドリー・クーパー)、トンデモ・シーン賞(ケン・チョン)
コピー:昨日の記憶が、全くない!?
結婚式を2日後に控えたダグは、悪友のフィルとステュ、義理の弟となるアランの4人で、バチェラーパーティーをするためにラスベガスへ向かう。高級ホテルのスイートを借り、浴びるように酒を飲み、独身最後の夜をバカ騒ぎする4人。しかし、翌朝目覚めると、部屋はメチャクチャで、何故か赤ん坊と一頭の虎が。しかも、新郎のダグは行方不明。まったく昨夜の記憶が無い3人は、まったく状況が把握できないが、とにかくダグを明日の結婚式に連れて行かねばならない。わずかな手掛かりを元に捜索を始めるが、ダグの行方に辿り着くどころか、昨夜の取り返しのつかない所業の数々が明らかになるばかり…というストーリー。
メジャーな俳優がまったく出ていないので、立ち上がりは悪かったものの、アメリカでは口コミでじわじわとヒットしたとのこと。日本でも当初は公開の予定がなかったらしいが、ちょっと日本の配給会社は見る目なさすぎじゃなかろうか。
下品さ”“くだらなさ”ばかり強調されてりるが、観てみたらそんなに下品じゃないし。それどころか、なかなか巧みで高度なシナリオだと思う。日本の配給会社の映画を観る目って節穴なんじゃねえかと。
サスペンス物やミステリー物で、実は自分が犯人でした…的な作品があるけど、それをコメディに転用しちゃうという、目からウロコの切り口。
そう、本作は、コメディというよりもミステリー要素が実に面白い。その主軸のプロットがしっかりしているので、変な中国系の人とか、お下品テイストは単なる味付けの範疇に収まっているし、ストリッパーとの結婚のくだりが逆にほのぼのといい感じになっちゃう。このシナリオはもっと評価されていいと思うぞ。
昨日の『ガリバー旅行記』もそうだが、私は、アメリカのお下品コメディーなんか、おもしろいとは思わない。おそらく、日本人の相当数が本作を単なるコメディとして疑わす、ひたすらそれを期待して観ていたに違いない。そういう観方をしていた人は、おそらくイマイチに感じたはず。このミステリー要素の巧みさに気付いて、それを愉しめた人は高得点だったはず(評価はパックリ割れたはずだ)。
ただ、『デュー・デート~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~』もそうだったけど、完全にアスペルガー症候群としか思えないキャラクターを出すのは、アメリカのコメディでは流行なのかね。確かに、実社会にもそれっぽい人が増えてはいるけれど、映画に出されると逆に笑えないんだけど。その点だけが不満。
近頃観たコメディの中では、飛び抜けて良いデキ。お下劣だっていう看板に騙されずに観るべし。お薦め。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:85分
監 督:ロブ・レターマン
出 演:ジャック・ブラック、エミリー・ブラント、アマンダ・ピート、ジェイソン・シーゲル、ビリー・コノリー、クリス・オダウド、T・J・ミラー、ジェームズ・コーデン、キャサリン・テイト、エマニュエル・カトラ、オリー・アレクサンデル 他
ノミネート:【2008年/第31回ラジー賞】ワースト主演男優賞(ジャック・ブラック)
コピー:そこは、本当の大きさを教えてくれる国。
ニューヨークにある新聞社のメール室で勤務するガリバー。本当は記者志望だが、失敗を恐れチャレンジせずじまい。また、旅行欄を担当しているダーシーに片思いしているが、そちらも告白できずにいる。ある日、ふとしたきっかけでダーシーから謎の三角海域バミューダ・トライアングルの取材を依頼されることに。意気揚々と現地に赴いたが、突然の大嵐に巻き込まれ、あえなく遭難。浜辺に打ち上げられたガリバーが気づくと、たくさんの小人たちによって拘束されていた。彼が漂着したのは、小人たちが住む“リリパット王国”だった。やがてガリバーは、その巨体を活かして王国の危機を救い一躍ヒーローになるのだが…というストーリー。
『ナイト ミュージアム』の製作チームが手がけたということだが、『ナイト ミュージアム』でも小さい模型を動かすシーンはたくさんあったし、技術的にはお手の物って感じ。ただ、今回は3Dに挑戦ってことで、他には特に目新しい技術は見られない。自分達でできることをできる範囲でやった…そんな感じで、技術面での感動は薄い。すごい映像のはずなんだけど、目が慣れちゃうってのはは恐ろしいことである。これで満足できなくなるのがいいことなのか悪いことなのか…。
監督に、同じように巨人を扱ったアニメ『モンスターVSエイリアン』のロブ・レターマンをもってきているが、巨人つながりだからといって、彼にやらせる意味がどこまであったのかも疑問である。
スウィフトの『ガリバー旅行記』を現代風にアレンジってことだけど、ストーリーはすごくまとも。素直すぎて悪くいえばヒネりが少ない。冒険物語なのにシナリオはあまり冒険していない。これがジャック・ブラック主演じゃなかったら、観客が見続けることができたのか、あやしいところである。
じゃあ、ジャック・ブラックの演技が絶妙か…というとそれも微妙。というかジャック・ブラックは、どの映画でもいつでも“ジャック・ブラック”であって、この人は役を演じているといえるのか?という疑問すら湧いてくる。個人的は嫌いじゃない人なのだが、さすがにいつも同じだと飽きてくる。それに、このいかにもなアメリカンジョークや、お約束のお下品は、アメリカではウケているのだろうか。おそらく日本ではこれをおもしろいと感じる人は少ないだろう。
『ナイト ミュージアム』のように子供をターゲットにしたいところなのだが、そうなってくると、子供達はノリきれない。下品なのは別のキャラにおまかせして、ジャック・ブラックにはアホでみじめなキャラクターに徹してもらったほうが良かっただろう。しかし、小人の国のキャラクターが弱い。『ナイト ミュージアム』のオーウェン・ウィルソン演じる西部劇人形くらいに際立ったキャラが生まれるまで、練りを重ねてたほうがよかっただろう。
あとはオマケの文句になっちゃうけど、巨人の島からガリバーが脱出しようとしないのかピンとこない(始めは脱出できないのかと思ったけど、その後、結構かんたんに脱出してるし)。
#小人の国と巨人の国までで、ラピュタはでてこないよ。
とはいえ、色々文句をいったが及第点ではあると思う。イヤなことはスカっと笑って忘れたいとか、家族みんなで楽しみたいとか、過度な期待を抱かなければ問題なし。まあ、旧作料金になってからでいいんじゃないかな。そんな感じ。
負けるな日本
公開年:1993年
公開国:アメリカ
時 間:104分
監 督:ロン・アンダーウッド
出 演:ロバート・ダウニー・Jr、チャールズ・グローディン、アルフレ・ウッダード、キーラ・セジウィック、トム・サイズモア、デヴィッド・ペイマー、エリザベス・シュー、エリック・ロイド、B・B・キング 他
1950年代末のサンフランシスコ。トロリーバスが事故をおこし、乗り合わせていた4人の乗客と運転手が死んでしまう。乗客4人の男女は霊となってしまうが、バス事故に巻き込まれた別の車の中で生まれた赤ん坊に、なぜか取り憑くことになってしまう。そして、4人はその赤ん坊から離れることができない。その子の名前はトーマス。トーマスに4人は見えているのだが、周りの人間には見えないため、4人と会話するトーマスは、異常があると看做されてしまう。このままでは、トーマスがまともな大人になることができないのではないかと心配した4人は、以後姿を見せないことを決断するのだった。その後成長したトーマスは、自分勝手で利己的で仕事中毒の銀行員となってしまう。4人の霊たちそんな彼を心配して再び姿を現すのだったが…というストーリー。
冒頭の上空俯瞰からの降下映像は、レトロ映画チックな雰囲気と共に、霊魂のお話であるということをさらりと醸し出している。1950年代という舞台にぴったりのGOOD演出で、掴みはOK。このスタッフは映画大好きなんだろうな…というのが伝わってきて好感が持てた。
不慮の事故で無くなった男女の幽霊のお話だが、(欧米なのでこういう表現はどうかと思うが)彼らは成仏できない自縛霊さんたちである。本来、伝わるべき最後の権利が知らされないという、ちょっと無理やり臭さが漂わないわけではないが、後半に展開される4人の成仏ロードは、ベタベタながらも感動できる。
低予算なのは間違いない。しかし、人間のSatisfactionって何か、ひいては生きる喜びって何だろうということまで考えされてくれる。それをシンプルで見やすく、且つお上品なコメディに仕上げている。4人の満足ポイントは何かという伏線も、導入部で自然にさらりと表現できているのもよい。
若い頃のロバート・ダウニー・Jrは、ちょっぴり気持ち悪さもある見た目で、これはどうかな…って感じだけど、演技はうまい。4人の芸達者に埋没しない輝きで、むしろメジャーになった今よりもウマいかも。
1点だけ難点を挙げれば、3人目までの成仏と比較して、最後の一人だけちょっと説明的でまわりくどすぎたかも。結局、数十年も待たされた理由がこの為か…、神の業か…という流れが、全体な流れとマッチしていない気がする。もうちょっと直感的なエピソードでよかった気がする。何なら最後のバスに、恋人が乗っていたっていいと思う。
#まあ、脚本家も4人クレジットされているくらいなので、この最後を悩み抜いたのが、何となく覗える。
受賞歴皆無というのも解せないが、案外キリスト教的な霊の概念と乖離しており、根源的に受け入れられない何かがあったのかもしれない。でも、逆に日本人としては、素直に楽しめる隠れた良作。お薦めする。
負けるな日本
公開年:2007年
公開国:イスラエル、フランス
時 間:87分
監 督:エラン・コリリン
出 演:サッソン・ガーベイ、ロニ・エルカベッツ、サーレフ・バクリ、カリファ・ナトゥール 他
受 賞:【2007年/第20回ヨーロッパ映画賞】男優賞(サッソン・ガーベイ)、ディスカバリー賞(エラン・コリリン)
【2007年/第20回東京国際映画祭】東京サクラグランプリ
コピー:エジプトからやってきた音楽隊が届けたものは、人が恋しくて、家族が大切で、そんな当たり前のことが大事に思える素敵な夜でした。
カンヌの審査員も一目惚れした、平和と希望の物語
イスラエルに新設されたアラブ文化センターに招かれたエジプトの警察音楽隊。イスラエルの空港に降り立つが、手違いで空港に迎えが着ておらず、自力で目的地に向かうことに。彼らの乗ったバスはネゲヴ砂漠近くのホテルもすらない辺境の町に到着。途方に暮れた一行は、食堂の女主人ディナに助けを求める。音楽隊は3組に分かれ、食堂、ディナの家、食堂の常連客イツィクの家にて一夜を過ごすことになり…というストーリー。
一応コメディってことだけど、ガハハと笑うようなコメディではない。
舞台になった時代は1990年代くらいだと思うので、比較的、アラブとイスラエルの雰囲気はよかった頃かな。だから、ぎくしゃくはするだろうけど個人レベルでそれほどいがみ合わないのは、それほど不思議ではないと。とはいえ、ここまで政治色が皆無という肩透かし。その代わりに、人間って寂しい生き物で、満たされてることのほうが少なくって…なんか寂しくなるようなことを突きつけちゃう。
ディナが「あの家族の父親は私の浮気相手」なんて話を聞かされてもトゥフィークは戸惑うだけ。一方トゥフィークは真摯に音楽への気持ちを語る。二人の会話は全然かみ合っていないんだけど、なんだかよくわからないにせよお互いが持っているであろう“寂しさ”っていう共通点で成立しちゃう時間。
変なとこでシンパシー感じてんじゃねーよって言われそうだけど、最後のほうで、夜中になにげに目覚めてみてたら、さっきまで一緒に飲みながら色々話していた姉ちゃんがやらかしてるのを見たときのトゥフィークの表情。いとおしいとか大事にしたいと思う気持ちが、簡単に性欲とか遺伝子的魅力に負けてしまう切なさとか、元々何か生まれると思ってたわけじゃなかろうし別にいいじゃないか、それで彼女の寂しさが紛れるならさ…とかとか、いろいろ混ざった顔。
#でも、きちんと仕事しねえ若造には、イラっときちゃう男心。
毎週イスラエル家庭ではアラブ映画は放送されていた…なんて、イスラエルにとってアラブ文化が遠いものでは無かったなんて、ちょっと目からウロコというか、勉強になったし。良作。軽くお薦め。
#カンヌの審査員も一目惚れした…なんてどうでもいいわ。カンヌがなんぼのもんじゃい。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:トッド・フィリップス
出 演:ロバート・ダウニー・Jr、ザック・ガリフィナーキス、ミシェル・モナハン、ジュリエット・ルイス、ジェイミー・フォックス、ダニー・マクブライド、RZA、マット・ウォルシュ、トッド・フィリップス、キーガン・マイケル・キー、ティンバリー・ヒル、アーロン・ラスティグ、ジョン・クライヤー、チャーリー・シーン 他
ノミネート:【2011年/第20回MTVムービー・アワード】コメディ演技賞(ザック・ガリフィナーキス)
妻の出産予定日を5日後に控えたピーターは、アトランタでの仕事を終えると、出産に立ち会うためにロスの自宅へ向かう。急いで飛行機に搭乗すると、乗り合わせたイーサンという男のせいで、テロリスト扱いされ搭乗拒否に。おまけに荷物だけロスに向かってしまい、財布も身分証もない状態に。帰る手段を失ったピーターが途方にくれていると、同様に搭乗拒否されたイーサンがレンタカーにのって現れ、ロスまで送ろうと持ちかけてきた。他にアテのないピーターは怒りを抑えて渋々同乗し、一緒に大陸横断の旅をすることに…というストーリー。
この手のコメディロードムービーというのは、結構ある。『大災難P.T.A』なんてのが思い浮かぶし、『ホーム・アローン』でお母さんがポルカバンドの車に同乗して家に帰るなんてのもよい。基本的に好きなジャンルだと思う。しかし、決してネット上の評判は悪くない作品なのだが、個人的な評価としては最悪。完全に好みに合わない。
何とかして目的地に到達しなくてはいけないが、その道すがらトラブルが次々と…ってのが基本パターンだけど、本作で巻き起こるトラブルってのが、面白くもなんともない。
脚本家陣が会議室で、「車で旅してて、同乗者がこんなことしてきたら最悪~ってこと、挙げてみ」とか言って、ホワイトボードに書き出して、ただ単にそれを並べただけにしか思えない。ただ、気持ち悪い、不快、微笑ましさを感じるエピソードがない、友情が芽生える要素がない、ダメ人間すぎて愛すべきポイントが一切ない。結局どのエピソードも見事に空回りしているから、車を暴走させて大回転させてみたり、メキシコ国境をぶっちぎってみたり、銃で撃たれてみたりと、ただただインフレ化するしか手がなくなっている。
大体、出張先にもどって事情を説明して金借りるとか、まだ5日もあるんだからロスの空港でだれかに荷物を引き取ってもらって、必要なものだけ送り返してもらうとか、いくらでも方法はあるじゃないか。でも、車でアメリカ横断させたいもんだから、どうしても5日前じゃないといけないってことなんだよね?なんかそれって本末転倒じゃね?基本プロットおかしいでしょ。こういうのは、トダバタとイライラとほんわかが絶妙に噛みあってこそ愉しいのだが、トタバタとイライラしか存在しない。稚拙、浅はか、笑いのセンスなし。褒めるところは一つもなし。多分、クソみたくおもしろくない人間が脚本を書いているにちがいない。作品がどうのこうの以前に、職業人として虫唾が走るわ。
まったくお薦めしない。時間の無駄。レンタル料金30円くらいなら許す。いやぁ~久々にとことん気分悪い。
『アイアンマン』で第一線に躍り出たロバート・ダウニー・Jrだけど、貪欲に(なのかどうかわからんが)こういう作品にも躊躇なくでちゃう。いろんな役を経験して幅を…って思っているのかもしれないけど、なぜか品性の悪い役ばかりしかこないよね。
負けるな日本
公開年:2009年
公開国:フランス
時 間:105分
監 督:ジャン=ピエール・ジュネ
出 演:ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ、オマール・シー、ドミニク・ピノン、ジュリー・フェリエ、ニコラ・マリエ、ヨランド・モロー、ジャン=ピエール・マリエール、ミシェル・クレマデ、マリー=ジュリー・ボー 他
ノミネート:【2009年/第35回セザール賞】音響賞、美術賞(アリーヌ・ボネット)、衣装デザイン賞(マデリーン・フォンテーヌ)
コピー:世界が平和でありますように。
レンタルビデオ店で働く男バジルは、店の前で繰り広げられた発砲事件に巻き込まれ、頭に銃弾を受けてしまう。なんとか一命は取り留めたものの、銃弾を取り出すことはできず、そのまま生きていくことに。さらに、何とか退院はしたものの、入院中に職も家も全てを失ってしまう。路頭に迷っていると、廃品回収をしながら共同生活を送る奇妙な人たちに出会う。彼らは、それぞれに“人間大砲”や“言語オタク”“計算マニア”“軟体女”などの特殊な能力をもつ7人だったが、彼らに温かく迎えられ、寝床と食料を得て何とか生きていく目処がたつ。ある日バジルが廃品回収をしている途中、偶然にも父親を殺した地雷を製造した会社と自分の頭に残る銃弾の製造会社を同時に発見。この2つのハイテク企業に復讐することを決意するのだったが…というストーリー。
キャラ設定も画質も『ロスト・チルドレン』のテイストが色濃い作品。サッカー競技に地雷が導入されるというトンチキな設定以外は、別に現実世界が舞台といってもおかしくない。この、地雷で父親が死んだという設定が必要だったか否かは微妙なところだが、まあ、これがあればこそファンタジーになってるともいえるし、奇妙な世界観をつくる一助にはなっている。
二つのハイテク企業を巧みに争わせるのは黒澤明の『用心棒』だし、悪に立ち向かうのが個性的な7人なのも黒澤明の『七人の侍』。はて、あまりにもあからさまだけど、ジャン=ピエール・ジュネが黒澤明をリスペクトしているなんて話は聞いたことはないな。どうなんだろう。
まあ、『七人の侍』ってよりも『七人のおたく』みたいなんだけどね。
でも、やっぱりフランスなんで、単なる勧善懲悪ものじゃなくって、社会的下層に生きる人たちとエリートとの階級闘争になっちゃう(あれ、この社会的下層に生きる人々の様子って『どん底』じゃないか。また黒澤じゃん)。
まあ、なんか知らないけれど、個人的な復讐が社会的な制裁の意味に転化されて、みんなが協力しちゃうわけだ。そして、それぞれの特殊能力を駆使して一致団結して立ち向かう。んで、いっさいトンパチを使わず、スカっと仕上げているわけだが、これを気持ちよく思うか、物足りないと思うか。
正直、油断しちゃうと眠くなっちゃうくらい、おとなしめの演出だったりするので、刺激を求める人には不向きかもしれない。私は、数あるジュネ作品の中では、彼独特の異常さとファンタジーが一番キレイに融合した作品だと思うので、評価したい。良作だと思う。お薦め。
ただ難点は吹き替え音声が無いことかな。映像に集中できない。角川、なんとかしろ。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:88分
監 督:ショーン・レヴィ
出 演:スティーヴ・カレル、ティナ・フェイ、マーク・ウォールバーグ、タラジ・P・ヘンソン、コモン、ジミ・シンプソン、ウィリアム・フィクトナー、レイトン・ミースター、J・B・スムーヴ、クリステン・ウィグ、マーク・ラファロ、ジェームズ・フランコ、ミラ・クニス 他
ノミネート:【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】コメディ映画賞
倦怠期をむかえた夫婦フィルとクレア。たまには気持ちを切り替えようと、子供をシッターに預けてNYの有名レストランへ繰り出したものの、予約で満席だったためバーでキャンセル待ちをすることに。なかなか順番がこないので諦めかけたときに、“トリプルホーン”という予約客が訪れていない事を知り、二人は成りすまして着席することに成功。ようやく食事を始めた二人だったが、突然謎の男二人組が現れ、例の物を返せを迫ってきた。何が何やらわからないフィルとクレアだったが、どうやらトリプルホーンは殺し屋に追われる身で…というストーリー。
『ナイト&デイ』のパロディームービーですよーといわんばかりの邦題なのだが、実際の中身は、男女が事件に巻き込まれていく展開こそ共通しているが、それほど直球のパロディではない。というか、このタイトルでなければ、頭をかすめることすらないと思う。
主演の二人はマイナーだし、日本未公開なのは理解できるが、じゃあ、それほどショボい作品か?と聞かれると、案外そうでもなかったりする。マーク・ウォールバーグにレイ・リオッタにジェームズ・フランコと、地味に出演者は豪華。バカみたいに高予算ではないけれど、それなりにお金の掛かる必然性のある演出も、全然惜しんでいる風は無い。
ご都合主義な展開も多いし、下ネタや顔芸が多いんだけど、直接それで笑わせに掛かっているのかどうかよくわからない。元々上品な二人が下品なことをいっても似合ってないのよね…みたいな、一周廻って逆に面白い的な状態をつくるために、わざと寒い感じにしているのかも。けど、日本人にはピンとこないかも。簡単にいってしまえば、コメディ映画だけど、笑いの部分がおもしろいわけではないということ。じゃあ、なにがおもしろいかというと、アクション部分である。
普通の夫婦なんで、アクションといってもモタモタしてるんだけど、それがかえって非現実的な浮揚感とは違う雰囲気になって、いい結果に繋がっているのかもしれない。
さすがに新作料金だと考えちゃうけど、旧作料金なら全然OKなレベル。拾い物を考えてよいのではなかろうか。ビール片手に頭を使わずに鑑賞すべき作品。軽くお薦め。
負けるな日本
公開年:1998年
公開国:アメリカ
時 間:94分
監 督:ジョン・アミエル
出 演:ビル・マーレイ、ピーター・ギャラガー、ジョアンヌ・ウォーリー、アルフレッド・モリナ、リチャード・ウィルソン、ジョン・スタンディング 他
コピー:その男は本当に知らなかった!![ダイ・ハード]より運がよく、[007]より女にモテ、ヒッチコックよりも先が読めない映画史上最強のウルトラC級スパイ・ムービー。
アメリカ在住のウォーレスは、ロンドンで銀行に勤務する弟ジェイムズから、誕生日のお祝いとしてイギリスに招待される。そして弟は、参加者が主役となって俳優たちに混ざって生のドラマが体験できるという、演劇体験ゲーム“ライブ劇場”のチケットをプレゼントする。そのゲームは、街角の公衆電話で助けを求められるところからスターとするが、偶然、本物の殺しの指令電話がかかってきてしまい、英国とロシアの諜報機関による陰謀に巻き込まれていく…というストーリー。
タイトルからすると、ヒッチコック監督の『知りすぎていた男』が元ネタなのかな(でも、観たこと無いから比べようがないけどね)。
ボケるどころの騒ぎではなく、頭から最後まで完全に何も知らないまま突き進む。Mr.ビーンレベルでずっと勘違いしまくるのだが、ビル・マーレイがここまでのボケ役をやるイメージがなくて、違和感を感じた。多分、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『天才マックスの世界』とか『ロスト・イン・トランスレーション』なんかの、飄々としていながらも充分に正気が残ってる彼の役柄が好きで、ここまでネジが飛んでいる役を見慣れていないからかもしれない(『ゴーストバスターズ』でもここまでではなかったと思う)。
演劇体験ゲームというかなり無理のある設定から始まり、スパイ小説に出てきそうな展開をずらっと用意して、あとは主人公にゲームだと思わせ続けるだけ…というプロット。基本的にはヒネりも芸もなく(まあ、そういう原作なんだろうけど)、シナリオにもうちょっと力が注がれていればなと思う。とても『薔薇の名前』の脚本家が関わっているとは思えない。とはいえ、結局最後までブレることなく貫いたことで、なんとか成立させたともいえる。
大抵なら『オースティン・パワーズ』みたいに下品な方向に寄っちゃうんだけど、極端なお下劣表現は一切なし(途中で出てくるSM夫婦なんてかわいいもんでしょ)。逆にこの品行方正な感じに堪えられるかどうかが、愉しめるか否かの分岐点かもしれない。まるで笑点の大喜利を1時間半観せられる感覚に近いかもしれない。
私はそれなりに愉しんだ方だと思うが、さすがに、ラストのビーチでのくだりにはうんざり。一人で観るには物足りないけど、だれかと一緒に観るなら、気まずくなることがない安全な作品といえる。用途限定で軽くお薦めする作品。
負けるな日本
公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:107分
監 督:ベン・スティラー
出 演:ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr、ブランドン・T・ジャクソン、ジェイ・バルシェル、ダニー・マクブライド、スティーヴ・クーガン、ビル・ヘイダー、ニック・ノルティ、ブランドン・スー・フー、レジー・リー、マリア・メノウノス、タイラ・バンクス、クリスティーン・テイラー、マシュー・マコノヒー、トム・クルーズ、ジョン・ヴォイト、ジェニファー・ラヴ・ヒューイット、ジェイソン・ベイトマン、ランス・ベース、アリシア・シルヴァーストーン、トビー・マグワイア、エイミー・スティラー 他
受 賞:【2008年/第14回放送映画批評家協会賞】助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr)
ベトナム戦争の英雄的兵士テイバックの回顧録“トロピック・サンダー”が映画化されることに。演じるのは、この作品でトップ俳優への返り咲きを狙うタグ・スピードマン、下品なおならネタで有名なコメディ俳優ジェフ・ポートノイ、キャリアは充分だが過剰な役作りで今回も黒人軍曹に成りきるため皮膚への色素沈着手術までしてしまったカーク・ラザラス…等々クセ者ばかり。いよいよ撮影が始まるものの、俳優たちのワガママやスタッフの不手際で僅か5日間で予算オーバーとなってしまう。困り果てた監督デミアンは、テイバックの助言により、俳優たちを東南アジアのジャングルの中に放り込んで、それを撮影することに。何も知らされず台本通りにジャングルを徘徊する俳優たちだったが、そこは、麻薬組織が支配する危険地帯で…というストーリー。
冒頭のCMとかトレーラー映像でやられちゃった。ハリウッド世界に対する皮肉満載のブラック・コメディなんだけど、コメディだからってチョケたりないでトコトン真剣につくりたいんだよ!っていうベン・スティラーの意思がビンビン伝わってくる作品。真剣におバカを繰り広げ、パロディの質もよい。
#まあ、基本的な話のベースは『サボテン・ブラザーズ』なんだけどね。
ハリウッドネタはけっこう直球だし、日本人でも知っているレベルのネタでおもしろかった(チョロいパロディームービーだと、元ネタがわからないのも多いからね)。
#『アイ・アム・サム』のショーン・ペンがアカデミー賞でノミネートどまりだったことなんか、ほうっておいてやれよ(笑)
ロバート・ダウニー・jrもアイアンマンの後にこれに出る(それもこんなキワモノで)ってのがイイし、トム・クルーズもそこまでやってくれりゃあ誰も文句言わないでしょう。おかげで、コメディ本職のベン・スティラーとジャック・ブラックが霞むほどだもの。
終盤、同じようなノリが続きすぎてダレてくるのはご愛嬌。ちょっとグロいので、ダメな人は全然受け止められないかもしれないので、その点はご注意を。なんか今のこの時期に観るべき作品ではないのは確かかもしれない。これが笑えるのも、生活が平穏であるばこそだな。早く、そうなってほしいと切に願う。
負けるな日本
公開年:2006年
公開国:アメリカ
時 間:110分
監 督:デビッド・フランケル
出 演:アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ、スタンリー・トゥッチ、エミリー・ブラント、サイモン・ベイカー、エイドリアン・グレニアー、エイドリアン・グレニア 他
受 賞:【2006年/第41回全米批評家協会賞賞】助演女優賞(メリル・ストリープ「今宵、フィッツジェラルド劇場で」に対しても)
【2006年/第64回ゴールデン・グローブ】女優賞[コメディ/ミュージカル](メリル・ストリープ)
コピー:こんな最高の職場なら、死んでもいい! こんな最悪の上司の下で、死にたくない!
恋に仕事にがんばるあなたの物語。
ジャーナリスト志望のアンディは、大学卒業後に新聞社勤務を目指しニューヨークへやってきたが、どこも彼女を採用してくれない。唯一、彼女を採用してくれたのは、まったくの畑違いの一流ファッション誌“RUNWAY”誌。それも編集長ミランダ・プリーストリーのアシスタントとして。オシャレには無関心の彼女は、次の就職先の単なる一ステップ程度と考えていたのだが…というストーリー。
当時のCMが、『ボビーに首ったけ』みたいな若いOLをターゲットにしたチャラチャラしたアピールをしていたので、好みの埒外と判断しスルーしていたのだが大間違い。お局の女の子いびりの話なんかじゃない。立派な企業戦士物語だった。ファッション業界であることは、さほど重要ではないと思えるくらい(まあ、そういう原作だからしょうがない)。
アンディの状況に共感できない人は、さぞや素敵な会社にお勤めなのだろう。私はこういう理不尽な状況に何度も引きずり込まれているので、ものすごくシンパシーを感じた。変に勢いがあったり、業績がいい部署なんかには、ありがちな上司像だと思うけれど。
ハードな職場で働いている人なら経験があると思うが、上司の発言の半分くらいは正しいので勢いで誤魔化されてしまう。まあ、はじめは流れに乗っておくか…と考えがちだしね。そういう場合は往々にしてストックホルムシンドローム状態になっていて、もっともらしい上司の意見を冷静に受け止められなくなっているだけ。もしくは挑発とも教育的配慮ともつかないような発言に絆されているだけ。本作のアンディも、とてつもない理不尽な指令にがんばって対応しちゃう。それなりにスキルがあるのでこなしちゃうもんだから、それが成功体験になって、これもアリかな?なんて思っちゃう(落とし穴だよね)。
資本主義社会では、普通の社会では性格破綻者みたいな人が“企業家”の役を担うことになっている。言い方は悪いけれど、必要悪なのだ。ミランダのような人は泳がしておくのが社会発展のため。周りもそういう人を利用することだけに集中すればよい(そう達観できるようになるまでには、色々経験を積まねばならんのだけど、これが大変なのよね)。
アンディがミランダに喰らいついていかずに、結局は逃げるような事態になってしまったことを良しとしない人もいると思うが、あそこでスパっと切れたことこそ、自分の道を見つけたということ(あの辞めるタイミングが絶妙で、心地が良かったと思う)。あんな上司にあたってしまったら私はすぐ辞めるわ~なんていう人もいるだろうが、そんなのはウソっぱちだと思う。アルバイトじゃないんだし、おまけに日本は職業の流動性が硬いので、簡単に転職できないんだから、そう簡単に辞められるはずがない(だから、心を病んじゃう人が多いんだろうけど)。
まあ、何を言いたいのかというと、コメディ調だけど案外リアルな話だよ…ってこと。女性向けだと思ってスルーしていた男性サラリーマン諸君、騙されたと思って観てみよう。そして、これから社会人になる諸君、この話はファンタジーではなくあり得る話。観ておいて損はないと思う。お薦めする。
メリル・ストリープの演技には、いまさら何の口出しができようぞ。
#わたしは、入社当時のダサいアン・ハサウェイのほうが好きだぞ!
公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:102分
監 督:アンジェラ・ロビンソン
出 演:リンジー・ローハン、マイケル・キートン、マット・ディロン、ブレッキン・メイヤー、ジャスティン・ロング、シェリル・ハインズ、ジミ・シンプソン、ジル・リッチー、トーマス・レノン、ジェレミー・ロバーツ、E・E・ベル 他
コピー:彼の名は、ハービー。人の心を持った魔法のクルマ。愛するオーナーに幸せを運ぶ…。
レーシングチームを経営する一家で育ち、自分もいつかはレーサーになることを夢みたいたマギー。しかし、数年前に事故を起こして以来、レースに出場することを禁じられ、大学卒業後はTV局へ就職することが決まっていた。卒業式を終えた彼女は、父から車をプレゼントしてもらうことになり、訪れた廃車場でスクラップ寸前のワーゲンを見つける。ところが、マギーがそのワーゲンのエンジンをかけた途端、勝手に猛スピードで走り始め…というストーリー。
どうも昔から、アメリカでは“ハービー”シリーズというのがあるようだが、私はまったく知らない(懐かしいとかそういう感慨は一切なし)。
感情のある車が…というストーリーなんだだけど、映画としては『ベイブ』とか『レーシングストライプ』とかを同系統の話だと思う。ダメなペット(車ね)がイヤな奴に馬鹿にされちゃっうんだけど、仲間の協力と愛情を受けて、一生懸命、レースやらコンテストやらステージやらを健気にがんばるというプロット。アメリカの映画では多いパターン。
チームの仲間が一致団結してハービーをメンテしていくシーンとか、お約束展開のオンパレード。もちろん容易に展開の予想はついちゃうんだけど、テンポがいいので、先回りさせて興醒めさせるヒマを与えない。それにいろんなところで差し込まれるBGMも懐かしくて(というか洋楽に詳しくない人でも知ってる曲で)高揚する。
リンジー・ローハンのファンを対象にしたアイドル映画みたいな感じもするけど、吹替え音声の土屋アンナが予想外に良かったせいか、ぜんぜん許容範囲。ハスキーな感じで耳当たりが新しかったし、リンジー・ローハンの演技自体が学芸会チックな感じのためか、それほど声優スキルがなくても全然違和感がなかった(叫ぶシーンも多かったし)。これまで彼女が携わった映画の仕事の中で一番のデキなんじゃないかな。
私、車にはあんまり興味もなくてワクワクしない方なんだけど、それなりに楽しめた。アニメ版の『マッハGoGoGo』のスタッフが誰ひとり車の免許を持っておらず、逆に現実にはありえないダイナミックさを表現できた…というエピソードは有名だけれど、本作のハービーの動きもそんな感じ。逆にモータースポーツに興味のない人間のほうが愉しめるんだと思う。まあ、『カーズ』なんて映画もあったくらいで、ディズニーらしいっちゃあディズニーらしいってことかな。
ジャケットからして女の子向けと思われるかもしれないけど、案外男の子向け。そりゃあ1800円払って劇場で観た日にゃあ、頭にくるかもしれないけど、旧作レンタル料金なら余裕で満足できるレベル。気楽に陽気な時間を過ごすには最適な作品だと思う。まさかの軽くお薦め。
#ああ、今週は当たり映画ばっかりでラッキーだなぁ…。
公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:94分
監 督:グラント・ヘスロヴ
出 演:ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ジェフ・ブリッジス、ケヴィン・スペイシー、スティーヴン・ラング、ニック・オファーマン、ティム・グリフィン、ワリード・F・ズエイター、ロバート・パトリック、レベッカ・メイダー、スティーヴン・ルート、グレン・モーシャワー、ブラッド・グランバー 他
コピー:ホントに実在した超能力部隊 これで世界は平和になる!
2003年。マイナー新聞記者のボブは、起死回生を狙ってイラク戦争の取材を敢行すべくクウェートへ。そこで偶然にも、かつて取材先で耳にした米陸軍極秘部隊のエスパー兵士リン出会う。ボブはイラクへ向かうというリンに無理やり同行したが、リンは道中、超能力部隊について語り始めるのだった。その“新地球軍”と呼ばれる超能力部隊は、ベトナム帰還兵のビルがニューエイジ思想に影響され創設したもので、愛と平和の精神で戦争を終結させるべく、奇抜な超能力研究に邁進していったという…というストーリー。
千原ジュニアが付けたという“ヤギと男と男と壁と”という邦題は、悪くないセンスだと思う。観始めると結構深い内容に思えてきて、こんなチョケたタイトルとはミスマッチかも…なんて思ったがそれは杞憂で、ジェダイだった人ににジェダイたれと説くような、そういうノリの映画だった。
あんなヒッピーみたいなノリを米軍が真剣に取り入れたとは考えにくいけど、正直どこまで実話なのかさっぱりわからないし。そこは深く引っかかるべきポイントではないようだ。
とにかく、この豪華なキャストと内容のユルさのギャップといったらハンパない。ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ケヴィン・スペイシーなんかチョイ役もいいところである。なんでこんな作品に?と始めは思ったが、次第に理由はあるな…と感じ始める。
全編、チョケ続けてはいるものの、リベラル派の共和党に対するウンザリが染み出しているようだし、アメリカ全体発する「もう疲れたわ…」という声が聞こえてくるようだ。そういう意味で、立派な反戦映画・厭戦映画に思えてならない。
反戦をテーマにした戦争コメディという点で共通する『M★A★S★H』と比較すると、私は本作のほうが好みである。ブッシュのバカがつくったダークサイドをかき消すには、このくらいクレイジーなことでもやらないとバランスが取れないってことだね。現在のアメリカの疲弊具合が伝わってくるようで、興味深い映画だった。軽くお薦めする。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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