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公開年:2002年
公開国:アメリカ
時 間:107分
監 督:M・ナイト・シャマラン
出 演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス、ロリー・カルキン、アビゲイル・ブレスリン、M・ナイト・シャマラン、チェリー・ジョーンズ 他
コピー:それは──決して気づいてはいけない兆候(サイン)
牧師グラハムは、最愛の妻を悲惨な事故で亡くしてしまい、その無慈悲さから神に疑念を抱き牧師を辞める。農夫となったグラハムは、弟と2人の子供たちと共に平穏に生活していた。そんなある日、畑に巨大なミステリー・サークルが突然出現。それ以降、不審な人影が現れるなど奇怪な出来事が続発し…というストーリー…。
公開当時、劇場で観た。宇宙人モノみたいなCMだったけど、私には何かピンときていた。それはあくまで単なる仕掛けに違いないと。観終わったあと、発売されたらすぐにDVDを買おう!と思ったのを覚えている。私の予感は的中。本作はシャマラン監督作のなかで飛びぬけてお気に入りである(とかいうと、私だけが本作を評価してるみたいな言い方に聞こえるかもしれないけど、実際に興収34億円の大ヒット作だったんだけどね)。、、、と話すと、“はあ?”みたいな顔をされることが多々ある。宇宙人がでてきたとこで笑っちゃったけどね…とか、なんか細かいところでツッコミどころ満載じゃね?とか言われる始末。
申し訳ないが、そう仰る方々は、本作をどっきり映画とかパニックムービーとしてご覧になっているのだろう。私の観ているポイントは全然そんな部分ではないのだ。
本作のテーマは、カソリックでよく言うとことの“神の遍在”。というか、本作では特定の宗教の枠を越えて“人知を超えた大いなる存在”っていうものにアプローチしてみた作品(話は前後するけど、何で今、本作を観たかというと、『フェイク』の作中で、ジョニー・デップ演じるドニーが、ベッドの娘に神の遍在を問答するシーンがあって、思い出しちゃったからなんだけど)。
人間という生き物は、説明のつかない事象に対面した時、それが何なのか理由を見つけないと我慢できない生き物である。様々な自然の事象や生命の不思議、その理由や成り立ちはどうなっているのか。しかし、その探究心はある意味高尚かもしれないが、裏返せば悩み続けなければいけない苦痛の種でもある。その命題が人知の手に負えないものであれば、その苦痛は永遠に続くものにすら感じられる。
そこで、適当な答えを見つけることで安心を得ることが多々ある。その一つが宗教である。それに対して、いい加減な答えで納得するんじゃなくって、追試可能なレベルで検証しようとするアプローチが科学である。
往々にして両者は対立する(西洋の場合は)。宗教は科学が進めば、これまでリアルストーリーと信じていたものが“ファンタジー”とした貶められる。かといって“リアル”と信じ続けても、ファンダメンタリスト達の所業は歴史や様々な事件を見れば判るとおり、かえって宗教の存在価値を下げている。じゃあ、科学だけですべてが解決するかというと、科学が定説と主張したものだって時代が経てば誤りだということも多々あるし、根本的になんでもかんでもすぐに答えが見つかるわけではない。科学だけで人間の心が平穏になることはあり得ないのだ。
で、本作の、「人知を超えた大いなる“何か”はある。だけど、宗教や科学だけで解決しなくちゃいけないわけじゃないよ。“ある”ということを受け止めるだけじゃだめなのかい?」っていう目線。誤解を恐れずに表現すれば、きわめて東洋的。これが、私は大好きなのだ。
グラハムは、再度、牧師の服に袖を通すわけだけど、同じ牧師の服を着ていても、昔の彼とその目線を獲得したラストの彼は、まったく別モノ…ということである。申し訳ないが、多くの人が目くじらをたてる宇宙人のギミックなんて、この目線を語るための単なる味付けにすぎない。
ということで、未見の人には、強くお薦め。私の意見を押し付けるつもりはさらさらないけど、単なるパニックムービーでもホラームービーでもないことだけは判ってほしい。
もし、私が本作のような映画を作ることができたら、満足感でその後は腑抜けになってしまいそう。実際、シャマラン監督のその後の作品はイマイだから、あながちハズレでもない気はするけどね。私の中では、本作にてシャマラン監督は終わってる。『千と千尋の神隠し』の途中で、私の中の宮崎駿が終わったのと同じに。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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