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image0939.png公開年:2004年
公開国:日本
時 間:119分
監 督:井筒和幸
出 演:塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之、真木よう子、小出恵介、波岡一喜、オダギリジョー、光石研、加瀬亮、キムラ緑子、余貴美子、大友康平、前田吟、笑福亭松之助、ぼんちおさむ、笹野高史、坂口拓、ケンドーコバヤシ、木下ほうか、江口のりこ、ちすん、徳井優、松澤一之 他
受 賞:【2005年/第29回日本アカデミー賞】新人俳優賞(塩谷瞬、沢尻エリカ)、話題賞[俳優](沢尻エリカ)
【2005年/第48回ブルーリボン賞】作品賞
コピー:世界は、愛で変えられる。

1968年京都。高校2年の康介はある日、担任から指示を受け、日頃争いの絶えない朝鮮高校へ親善サッカーの試合を申し込みに行くことに。朝鮮高を訪れた康介は、音楽室でフルートを吹くキョンジャという女生徒に一目惚れ。しかし、ほどなく彼女の兄が朝鮮高の番長アンソンであることを知る。キョンジャと仲良くなり康介は、“イムジン河”という曲を覚え、彼女の前でギター演奏しようと考えるのだが…というストーリー。

井筒監督の作品って実は観たことないんだけど、そのくせ、なぜか監督としては信用していたりする。それは彼の書籍『サルに教える映画の話』を読んで、映画の面白さをより知ることができたから。映画初心者向けのとてもいい内容なので、まずこちらをお薦めしちゃう。

で、昨日の『ブラザーフッド』を見ながら、ふと本作のことを思い出し、そういえばまだ観てなかったことを思い出し鑑賞。以前、TV放映していたのをちらっと観たことはあったけれど、その時は、冒頭の喧嘩シーンでいまいちピンとこなくて途中で観るのをやめてしまったと思う。CMが挟まれるせいかどうも集中できなかったからもしれない。いつかレンタルして観よう…って思いながら中断したのを覚えている(それからかなり時間はたってしまったけど)。

本作については、政治映画なのかラブストーリーなのか喧嘩映画なのかいろいろ盛り込みすぎだとか、ピントがボケているだとか、政治的信条が鼻につくだとか、あげくのはてには日韓の歴史を勉強ろだの売国映画だのいう人までいるのだが、逆にそれら意見に“?マーク”のワタシ。そういう観点の映画ではないように思える。

葬式の場面にて、笹野高史演じる朝鮮人のおっさんが康介に対して、在日朝鮮人に日本人はこういうことをやったんだから日本人のおまえにはここにいてほしくない!というシーン。まず、すべてが日本政府の強制連行ではなかったろうし(おそらくどさくさにまぎれて民間組織・企業主導で連行・勧誘されたケースが多いんだろう)、自主的に日本にきた例も相当多いだろう。一族の一部だけが日本行きにノリ気で、それにひっぱってこられた人も、“その人”からみれば“連れてこられた”ってことになるだろう。さらに比較的ノり気で来た人も、イザきてみると全然いい目に合わなかったりして日本に恨み節をいい始める例だってある。もう在日がらみについてはカオス状態で、なにが正しいなんて一概に言える状態ではない。でも、この映画にでてくる笹野高史演じる朝鮮人のおっさんは、そう思ってるんだもの。そう思っているキャラが出てきたにすぎない。それ以上のものでもそれ以下でもなく、勘ぐってそれがすべてのメッセージだなんて言っても的外れでしょ。

大体にして友達のが葬儀にきている康介にたいして、日本人だからここにいるなっていう、おっさんの言い分はもっともらしく聞こえて、むちゃくちゃな理屈。マイノリティの暴走もいいところ。
康介は、それを聞かされて、叫びながらギターを川に投げ捨てるけど、それは日本がやったことを痛感したからだけじゃないよ。その恨みを子供世代にまで押し付ける理不尽さ。子供らに対してこの“恨み”を忘れるなという怨念の邪悪さもふくめて叫んでいるのである。

で、最後にキョンジャは、康介が唄う“イムジン河”が流れるラジオを、そのおっさんたちの突きつけるわけ。もう、これだけで充分、溜飲が下がる。
だから、本作に何か意味を持たせたい言うんなら、政治でも民族でもなくて、“世代闘争”でしょ。ワタシの感性はそう言ってますけど。

中国や韓国の、子供世代に恨み続けることを強いる反日教育しかり、日本の北方領土問題だって、自分達の世代(当事者世代)が解決できなかったのを棚にあげ、“解決を託す”という姿勢ならならまだしも、何代も下の世代に押し付けて且つそれに反する意見を述べようものなら非国民扱いする奴らの風潮もしかり。“人を呪わば穴二つ”。この結果、中国や韓国がどうなっていくのかは、すごく意地の悪い言い方になるけど、見ものである(日本の場合は、逆の方向にバイアスが振れちゃって、反国教育になっちゃってるが、これはこれでどうなるか見もの。まあ、本心では、“見もの”なんてのんきに言ってられないのは重々承知してるんだけど)。

喧嘩まみれのカオス状態、まとめようがないだろうと思っていたんだけど、まさかこんなに爽やかにまとめてくれようとは…。なかなかやるじゃん井筒監督。これが正直な感想。

沢尻エリカはこのまま育てば大女優になったでしょうな。昨今のくだらない醜聞のせいで、今後、仮に良い演技をしたとしても、余計なイメージがよぎって正しく評価されることはないでしょう。
なんで、韓国俳優や歌手がブームなのか。それは、バックボーンが見えもしないし、想像もつかない世界の住人だから。同じ日本人なら、同じような教育をうけて同じようなTV番組を見てることが想像つく。さらに知りたくもない過去やプライベートはネットの中で知れてしまうわ、あげくのはてにプライベートの切り売り状態の場合もあるわ、全くファンタジー界の住人じゃないから、興味が涵養されるはずがない(いかに、Gacktのようなキャラ作りが正しいか、的を得ているか。彼は賢い)。その辺が判っていない彼女は、俳優失格というか、俳優業を真剣に考えていなかったということである。まあ、今となってはどうでもいい人ではあるけど、本作内の魅力をみる限りにおいては、もったいないといっておこう。これで充分な賛美でしょ。

未見の方はどうぞ観てくだされ。ワタシ的にはかなりの爽やかムービーだと。

#それにしても、真木よう子の胸が全然無いように見えるのだが…着脱可能なのか(笑)

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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