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公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:144分
監 督:ロン・ハワード
出 演:ラッセル・クロウ、レネー・ゼルウィガー、ポール・ジアマッティ、クレイグ・ビアーコ、ブルース・マッギル、パディ・コンシダイン、コナー・プライス、アリエル・ウォーラー、パトリック・ルイス、ロン・カナダ、デヴィッド・ヒューバンド、ローズマリー・デウィット、リンダ・カッシュ、ニコラス・キャンベル 他
受 賞:【2005年/第11回放送映画批評家協会賞】助演男優賞(ポール・ジアマッティ)
コピー: ――心で語り継がれる《奇跡の実話》――
妻と3人の子供と暮らすボクサーのジム。しかし、将来を嘱望されていたが右手の故障により、ライセンスを剥奪され引退することに。折りしも世の中は大恐慌で、ジムは失業者の一人として日雇労働者として家計を支える。そんなある日、元マネージャーのジョーから、一夜限りの復帰試合の話が舞い込む。相手はとても勝ち目のない新進気鋭の選手だったが、負けても得られる報酬で家族を救えるという一心で試合を引き受ける…というストーリー。
実在のボクサーのお話だが、この作品の素晴らしいところは、この人物を通して、何かの人生訓みたいなものを押し付ける気がないこと。
この映画をみて、何が言いたいのかわからんという人がいるかもしれない。でも、映画というのは明確なメッセージ性があって然るべきというその発想が誤りだと私は思う。
この映画のテーマは家族愛だという人がいる。間違っているとは言わないが、ロン・ハワードはそんな押し付けをする気はないと思う。彼は、純粋にブラドックの生き様を知ってグっときた。そのグッときた感情をそのまま映画として伝えることにした。ねえねえ、みんなもこの人を見てグッとこないかい?なんでグッときたかなんて、説明させんなよ。みんなが俺と同じようにグッとくればそれでいいのさ。
そして彼は、自分がグッときた感じを毀損しないように、一生懸命に作った。そして私もグッときた。いちいち考える必要なし。そういう作品だと思う。
あの社会状況の下にいた場合、自分だったらどうするか。自分がブラドックだったら。自分が妻の立場だったら。特異な人物として描いているわけではないので、ものすごく投影しやすい。共感しやすい。そして、自分もそういう選択をするかもしれないな…という感情と共に、彼らと一緒にラストに向かっていくという、観ている側と作品との一体感。実在人物の映画は数あれど、この作品の描き方の手法は素晴らしいと思う。
本作を観て、ただ感動を押し付けられているだけで薄っぺらいなんて感じる人は、べたべたで判りやすい韓国ドラマでもご覧になっていればよろしい。おそらくこの作品は、感性のリトマス試験紙的な映画だと思う。この映画がおもしろくないと感じる人は、私と映画の趣味が合うことはないだろう。
もう一点、特筆すべきなのは、肝心のボクシングシーン。『ロッキー』はもとより『ミリオン・ダラー・ベイビー』なんかと比較しても、ボクシングシーンのリアルさというか緊迫感がハンパない(ちょっと『レイジングブル』がどうだったか思い出せないのね№1と断言するのは避けておこうかな)。
快作。強くお薦めする。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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