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公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:77分
監 督:スティーヴン・ソダーバーグ
出 演:サーシャ・グレイ、クリス・サントス、マーク・ジェイコブソン 他
ニューヨークのマンハッタン。エリートたちを相手にした高級エスコート嬢として働くチェルシーは、彼女はセックスだけでなく、本当の恋人と過ごしているような経験を売りにして、1時間2000ドルを稼いでいるフリーランス。顧客の理想のガールフレンドを演じるために、ファッションや自己研鑽への投資を怠ることがないプロである。さらにビジネスを発展させるために、ウェブサイトを立ち上げたり、影響力のある評論家の推薦してもらうなどの努力を重ねている。その一方、彼女の仕事を理解する恋人クリスと同棲もしている。クリスはエリート相手のスポーツジムでトレーナーをしているが、仕事に行き詰まりを感じ始めていた時に、男性だけで行くラスヴェガス旅行に顧客から誘われる。クリスがそのことをチェルシーに打ち明けると、2人の関係はぎくしゃくし始め…というストーリー。
元々、インディーズ出身のソダーバーグなので、この手の作品はお得意なんだろう。都会の1ページを、ポートレートとして切り取ったような、アート臭すら漂う作品である。
ただ、都会の1ページとはいえ、写し出しているのは都会の底辺。高級“エスコートガール”なんていっているが、所詮は娼婦である。セックスがあるときもあれば無いときもあるわけだが、それは男性側の趣味が多様化しているだけのこと。
(短編ゆえにかなりネタバレになってしまっている。これから観る人は、以下要注意)
そんな彼女が、「自分はこんなレベルじゃない」と言わんばかりにのし上がろうともがき続ける。とはいえ、どんな策を講じようが、結局は自分の時間には限りがあるわけだから、回転数を上げるか時間単価を上げるしかないので、ビジネスとして拡大にしようにも限界があるはず。
しかし、その反面、信じるのは自分だけ!みたいな感じのくせに、“人間学”とかいうエセ科学をどっぷり信じており、行動様式はそれに侵食されてしまっている。
そんな足掻きの結果、特に好転したことは無く、むしろ失ったものが大きい有様。挙句の果てには、“人間学”的に相性のいい客にめぐり合ったと言って、客とは親密にならないというルールを破ってまで旅行を敢行。ある意味、娼婦の生活に疲れて、普通の女として生きることを選択したようにも見えるが、当然そんな白馬の王子様はいるわけもなく。カウンセラーみたいなおっさんにも、最後にはネチネチと気持ち悪く言い寄られるし、一体男ってなんなのさ…、そんな感じで、結局、元のレベルのビジネスに戻ってしまう。
彼女の“EXPERIENCE(経験)”の先に何があったのか。
現役ポルノ女優が主演をしているのだが、フィジカルな接触に躊躇するそぶりを微塵でも見せようものなら一瞬にして興醒めしてしまったと思うので、(語弊はあるが)本物に演技してもらったのは正解だろう。
本作に出てくる人間すべての共通しているのは、“愛嬌”とか“人懐っこさ”とかが無いところ。それが“愛”なんていう気は毛頭ないけれど、人間と人間の間に必要なものって、そういうものなんじゃないかな…と感じさせてくれた。
#欠けた人間は同じように欠けた人間と呼び合うのかもしれない。
まあ、多くを語らない分だけ、色々考えさせてくれる作品。飛びぬけて面白いわけじゃないのだが、嫌いじゃない一本ってところかな。軽くお薦め。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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