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公開年:2002年
公開国:ドイツ、アメリカ
時 間:101分
監 督:グレゴール・シュニッツラー
出 演:ティル・シュヴァイガー、マーティン・ファイフェル、ゼバスティアン・ブロンベルク、ナディヤ・ウール、マティアス・マシュケ、ドリス・シュレッツマイヤー、クラウス・レーヴィッチェ 他
コピー:暴発するヤバイ過去。





ベルリンの壁が崩壊する以前の1987年頃に、ベルリンで"レボリューション6”を名乗り、手製の爆弾を仕掛けるなどアナーキーな抵抗運動を繰り広げていた若者たちがいた。しかし、ベルリンの壁崩壊以降は、ティムとホッテの2人を残してバラバラになってしまう。22人はベルリン・クロイツベルグ地区マッハナウ通りにある廃屋で暮らしており、いまでも定職に就くことなく、細々と活動を継続していた。そんなある日、15年前に仕掛けたが不発に終わっていた爆弾が突然爆発し、空き家となっていた豪邸が吹っ飛んでしまう。警察は捜査を進めるが、その過程で6人が犯人であることが証明できるフィルムが警察に押収されてしまった。ティムとホッテは、現在は抵抗運動と全く無縁の生活をしている他の4人に連絡をとり、事情を説明。いまさら抵抗運動などに未練などないが、現在の生活を壊したくない4人は協力することに決めるのだったが…というストーリー。

主役級のティル・シュヴァイガーは、先日観た『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』でも主役を演じていた。この人、格好いいよね。ハリウッドでも売れそうなのに、それほどパッとしてない(ちょこちょこ出ているんだけど)。英語がイマイチなのかしら。

『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』と同じく、音楽のチョイスや使い方が良いと思う。ドイツ映画の好きなところの一つかも。

日本とかスペインの左翼活動家を描くと、どうも血なま臭くなるし、エログロ、内ゲバな話になっちゃって、こんな軽妙なコメディにはなり得ない。年代の差もあるかもしれないし、イツ人の国民性なのかもしれない。穿った見方をすれば、ナチスの悪行はナチスのせいであってドイツ国民のせいじゃございませんと決め込める性質の人たちなので、こういうノリの作品になっても違和感も抵抗感もないのかもしれない。
6人のうちのひとりは、いわゆる“転向組”で、資本主義の手先になったと揶揄されるのだが、それも、日本における転向組とはニュアンスが異なる。日本の場合、団塊よりもちょっと上の企業家なんかが、昔バリバリの左翼思想の持ち主だったりして、生きていてはずかしくないのか?と思うくらい洒落にならない転向ぶりで、コメディになんかできないレベルなのだが、本作の彼は、ただ金銭欲や支配欲求のままに生きてる人間らしい人間として描かれている。
まあ、いずれにせよ、若い人たちは、そういうノリが鼻につくことはないだろうから、気にしないのが良策だろう。

閑話休題。ホッテはかつて自分で仕掛けた爆弾で足をふっ飛ばしちゃって車椅子生活。ティムにすっかり依存しちゃってる。だから活動を継続しているってよりは自暴自棄になってダラダラと生活しているだけだったりする。やめた4人も、夫に逃げられた母親、薬中、金持ち狙いの高飛車女、すっかり資本主義に転向してリッチになった男と、もうかつての姿は見る影もない。だからかつての気持ちのまま生きているのはティムだけ。

それぞれの“今”を守りたいという一身で協力するんだけど、やっぱり昔を思い出してワクワクしちゃう彼ら。もう部活のノリ。でも、やっぱり現在の所得格差とか、子供がいるいないで価値観が違ったりして、端々でギクシャクしちゃう。おまけに、昔は恋愛関係で、いずれ結婚するんじゃないのか?なんて思われていた二人がいたりして、そこはそこで年甲斐もなく青春展開になったりする(青春展開になっちゃうのは、ティム側だけなんだけどね。いかつい彼の純情な感じがかわいいんだわ)。

とても無理っぽい作戦をどう遂行するか…が見所。その中で出てくる老刑事がいい味を出してくれるのだが、もっと早めに彼らに協力的なポジションに転化させればよかったかな…と思う。
終盤の展開はもうちょっとどうにかできそうなのにな…という思いことあるが、小気味よい爽やかな仕上がりだと思う。まさに小品良作。軽くお薦めしちゃう。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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