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image0711.png公開年:1956年 
公開国:アメリカ、イタリア
時 間:151分
監 督:キング・ビダー
出 演:オードリー・ヘプバーン、ヘンリー・フォンダ、ヴィットリオ・ガスマン、アニタ・エクバーグ、メル・ファーラー、ハーバート・ロム、アニタ・エクバーグ、オスカー・ホモルカ、メイ・ブリット、アンナ・マリア・フェレーロ、ジェレミー・ブレット 他
受 賞:【1956年/第14回ゴールデン・グローブ】外国映画賞[外国語]
コピー:ロマンとスペクタクルの壮麗な超大作 生と死、愛と苦悩…… 壮大な歴史のなかに描かれた 人生の真実が いま、ここによみがえる

19世紀、帝政ロシア末期のモスクワでは、フランス軍の侵攻が噂され、軍人達が活気付いていた。貴族の非嫡子であるピエールは、父に愛されていないことを常々嘆いていたが、危篤の父が臨終の際にすべての財産を相続させたことで、自分が愛されていたことを知る。ピエールはかねてからロストフ伯爵の娘ナターシャに想いを寄せていたものの、財産目当てに近づいてきた貴族の娘ヘレーネと結婚してしまう。一方、ピエールの親友アンドレイは、妊娠している妻を置いて戦地にいくが、敗戦し負傷兵となって帰還する。そんな彼は、いつしかナターシャと心通わすようになるのだったが…というストーリー。

言わずと知れたトルストイの大作の映画化。とか言って、文学青年でもなんでもないので、読んだことはない。だって猛烈に分厚いし普通は読まないよ。うん。

三時間半の長時間映画ではあるが、あの百科事典みたいな原作からすると、かなりシュリンクしているのは間違いなかろう。でも、原作を知らないので、何がどうシュリンクされているのはさっぱり不明。とにかく小走りでストーリーは進んでいく。何か韓国ドラマのようだな…なんて思ってしまった。だって、戦争と平和という重々しいタイトルにも関わらず、恋愛がらみでずーっとストーリーが展開するんだもの。徐々に、戦争シーンも増え、恋愛もドロドロしていくけれど、気安くコロコロと展開するのはずっと同じ。ここまでくると、何がどうなっているのか、何を見せたいのか、よく判らなくなってしまう。
そして、最後の最後で、命の大切さについてのトルストイのメッセージのテロップが入る。いやいや、最後で帳尻をあわそうとしても手遅れだから…って、長時間見切った開放感も相まって、笑っちゃったよ。ここから推測するに、多分、原作はこんなジェットコースタードラマみたいな内容ではないと思われる(とてもロシアの文豪の作品だとは思えないもの)。

評価できるのは、フランス軍との戦争関係の描写がしっかりと作りこまれている点か(描写が史実として正しいかどうかは知らんけど)。ナポレオンがらみのシーンや、モスクワ侵攻から“冬将軍”の件まで、そのあたりも長いなぁと思いつつも興味深く観ることができた。逆に言えば、おっさんの鑑賞に堪えたのは、そのあたりだけということなんだけど(恋愛の話なんか、本当につまんないんだよね)。

著作権標記に問題があってアメリカではパブリックドメインになっているらしく映画検定的には押さえどころかな?と思い、表記の不備に着目して見ていたが、私が観たDVDのオープニングにはcopyrightが表記されていたけど。製作年が入っていないのが問題なのかな?

映画の内容と直接関係はないのだが、あまりに長いので字幕を追うのは難しいと判断し、吹き替えで観たのだが、ヘプバーンの声を池田昌子が当てていた。何歳の時に収録したのかわからないが、声が完全におばあちゃんで、活発なヘプバーンとアンマッチすぎる。嫌いな声優さんではないのだが、いくらなんでも…である。『ハウルの動く城』と同様。もうすこし考えて欲しいかな。

よほどトルストイとかロシア文学に興味でもない限り、覚悟がないと最後まで観るのは苦痛だろう。ヘプバーンのファンだ…というだけで観るのもつらいだろう。お薦めしない…というかお薦めするには勇気が必要な作品。

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