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image1439.png公開年:2007年
公開国:アメリカ
時 間:104分
監 督:トム・マッカーシー
出 演:リチャード・ジェンキンス、ヒアム・アッバス、ハーズ・スレイマン、ダナイ・グリラ、マリアン・セルデス、マギー・ムーア、マイケル・カンプステイ、リチャード・カインド、アミール・アリソン 他
受 賞:【2008年/第24回インディペンデント・スピリット賞】監督賞(トーマス・マッカーシー)
コピー:扉を閉ざしたニューヨーク──移民の青年との出会いと“ジャンベ”の響きが孤独な大学教授の心の扉を開く。

62歳の経済学教授ウォルターは、妻を失ってから心を閉ざし孤独な日々を送っている。ある日、学会出席のためニューヨークへ。しばらく訪れていなかった別宅アパートを訪れると、なぜか見ず知らずの若いカップルがそこに。シリア出身のタレクとセネガル出身のゼイナブは、この時はじめて詐欺に遭ったこと知ったが、永住許可証を持たないために警察沙汰になれば強制送還されるため、素直に去っていく。しかし、あてのない2人のことが気になったウォルターは、しばらくの間泊めることに。徐々に交流は深まり、ジャンベ奏者のタレクからレッスンしてもらい、その楽しさを知ったウォルターは、再び生きる喜びを見出しはじめるのだが…というストーリー。

“扉”っていうのは、ウォルターの閉じた心のことをさしているのかな。むしろ、扉を叩いてやってきたのは、(自分のアパートとはいえ)ウォルターのほうだから、“扉をたたく人”はウォルターのことも指している…みたいなダブルミーニングなのかなとか考えたけど、そうでは無いみたい。なんか星新一の“ノックの音が”を想像してしまったりして、余計な先入観が出来上がってしまった。私にはピンとこない邦題かな(悪い邦題とはいわない)。

はじめ、イヤなジジィだなと思ったんだけど、冷静に考えると彼の言っていることは変ではないし(論文の締め切りに遅れたら、よほど公的に認められるような事情でなければアウトだろうし)、妻を亡くしたり仕事への情熱を失ってしまったりで、ああいう抜け殻みたいな状態になってしまった主人公に共感できなくもない。だから、ウォルターの変化する心模様にシンクロもできて、ハートウォーミング物として、なかなか良いと思う。

で、その心の種火みたいなものを燃え上がらせたのが、“移民問題”っていう、ことなのだが、どうも、この扱いが好みではない。この映画は、ウォルターの心の変化を見せたいのか、アメリカの移民問題に一石を投じたいのか、どちらがメインなのだろうか。もちろん並存しても構わない。私は前者がメインで後者は味付け、、くらいの感じで見ていたのだが、ストーリーが進むにつれて後者に比重が置かれていく。アメリカが抱える移民関係の諸問題に着目しているのはよくわかる。でも、私はどちらかといえばハートウォーミング物を見ているつもりだったのに、社会派ドラマを押し付けられちゃった感じになっちゃって、どうも後味がよろしくない。大体にして、この移民関係のくだりは説教くさいし、ストレートすぎるのだ。

もしかすると、私って人非人なのかもしれない。不法滞在者側に感情移入してしまいそうになるけど、きちんと手続きを踏まない(踏まなかった)彼らのだらしなさにどうも目が言ってしまう。差し伸べた手を払うようなことをしておいて、後から「なんでこんな目にあうんだ」って文句をいわれるのが、私はすごく嫌いなのだ。すべてがそうとはいわないけれど、「いままでだらしなくしていても大丈夫だったのに、なんで今は、だらしなくしてちゃいけないんだ!」って、言われてるような気がして、ちょっと引っかかる。
映画なんだから、同じテーマを扱ったとしても、もうちょっとカタルシスを感じさせてくれるなり、そうでなくてもいい雰囲気のせつなさを感じさせてくれるとか、もうちょっと観客を喜ばしてくれてほしい、、、とも思うし。まあ、私はそうだったというだけで、これを理由にダメな映画と断罪する気はない。おそらく一般的には良作と評価されると思うし、莫大な製作費の作品がある一方で、こういう低予算なミニシアター向けも存在する、アメリカ映画の幅も感じられる。

#3拍子?1・3・4泊をたたいてるだけだよね?
 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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