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公開国:フランス
時 間:121分
監 督:ジャン・ピエール・ジュネ
出 演:オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ、ヨランド・モロー、ジャメル・ドゥブーズ、イサベル・ナンティ、ドミニク・ピノン、リュファス 他
受 賞:【2001年/第55回英国アカデミー賞】オリジナル脚本賞(ギョーム・ローラン、ジャン=ピエール・ジュネ)、プロダクションデザイン賞
【2001年/第14回ヨーロッパ映画賞】作品賞、監督賞(ジャン=ピエール・ジュネ)、撮影賞(ブリュノ・デルボネル)、観客賞[監督賞](ジャン=ピエール・ジュネ)
【2001年/第17回インディペンデント・スピリット賞】外国映画賞
【2001年/第27回セザール賞】作品賞、監督賞(ジャン=ピエール・ジュネ)、音楽賞(ヤン・ティルセン)、美術賞(Aline Bonetto)
コピー:幸せになる
医師である父親から心臓病を患っていると勘違いされ、学校に通わせてもらえなかったアメリは、空想の世界が唯一の遊び場だった。22歳になたアメリは、自立してアパートでひとり暮らしをして、モンマルトルのカフェで働いているが、周囲の人々にひっそりとお節介を焼いたり、小さな悪戯をしかけたりして、小さな幸せを与えることに喜びを感じている。そんなある日、自分と同じように不思議な行動をする青年ニノと出会う。彼は、スピード写真のブースに捨てられている失敗写真を集めてアルバムを作っていた。はじめはそんなニノに悪戯を仕掛けようとしていたのだが、彼の行動を見るうちに、だんだん彼に惹かれていく。しかし、内気なアメリはそんな気持ちを素直に打ち明けられないどころか、自分の存在を知られることすらできずにいた…というストーリー。
ブームとまでは言えないかもしれないが、21世紀に入ってのフランス映画(ひいては欧州映画)ファンが増えるきっかけになった作品だと思う。
空想がちな少女というよりも、まともな教育環境や家庭環境で育つことができないまま大人になった女性の奇行と、人並みに恋愛にいたるまでのお話である。こう書くと、それはなんか違うんじゃ…という人がいそうだが、私にはそう見える。
いかにも女性向けテイストの作品で、主演のオドレイ・トトゥは非常にかわいらしい。しかし、彼女の行動は実は女性らしくないと思う。
彼女の行動は、周囲の人を幸せに導くことを目的にしている。人目につかないようにしているが、その行動力たるや尋常ではない。サイズの違うスリッパなんてどこで見つけてくるのやら。おまけに、手紙の偽造など、本当にそれは相手の幸せを考えてのことなのか、疑問にすら思えるものもある。一応、それら“利他の心”から生じている行動を、やさしさの表出であると考えることもできるだろう。だが、私はそうは考えない。彼女は、自分の作為によって、周囲の人間が自分の思うとおりに動くことを楽しんでいるのだと思う。この人を思い通りに動かしたいという欲求は、男性が強く抱く欲求だ。
アメリのユニセックス性は、そこから生じていると私は考える。序盤で、アメリがセックスを試みたが楽しむことができなかったくだりがわざわざ差し込まれるが、それも彼女のユニセックス性を強調したい設定だと思う。
で、当初はうまくいっていた“客観”と“周囲に影響を与えたい欲求”が、自分が恋愛の“主観”になることで、くずれはじめ苦悩するわけだ。
公開当時、世の女性はアメリの変った魅力を感じていたが、それは女性としてのシンパシーではなく、実は男性的な行動に魅力を感じていたにすぎない…。男と肩を並べて生きようするよりも、素直に女性として生きたほうが幸せよ。そういう裏メッセージがあるように見える。
まあ、どっちだとしても、女性向け作品であることには変りはないけどね。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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