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imageX0095.Png公開年:1963年
公開国:日本
時 間:82分
監 督:白川大作
出 演:堀絢子、木下秀雄、水木蘭子、北川まり、佐藤英夫、梅津栄、西村晃、加茂喜久、伊藤牧子、芳川和子、山本喜代子、花沢徳衛、海野かつを、西桂太、永山一郎、中川謙一、大村文武、本間千代子 他




森に住む日本犬の母子、シロとロック。シロは森の弱い動物を守る人気者だった。その森の近くの山奥には、動物を餌食とする虎・キラーとその部下の狐・アカミミがいた。動物たちを捕まえる邪魔をするシロを疎ましくおもったキラーは、アカミミを使ってシロを罠にかけて、殺してしまう。幼いロックは、勇敢にもキラーに立ち向かうが、返り討ちにあってしまう。森の仲間たちによってなんとか命を救われたものの、キラーに目を付けられたロックは森にいることはできない。そこで、森を降りて街をめざす。街は田舎者のロックには恐ろしいところだったが、そこでゴロという友達ができる。ゴロとその仲間は、ロックの身の上を聞いてキラー大事に強力しようと申し出てくれるのだったが…というストーリー。

今日は宝塚の手塚治虫記念館に行ってきた。選挙の前日だったみたいで、演説してる人とか結構いたけど、それでも宝塚は落ち着いた静かな街だった。いい所ですな。長年、行こう行こうと思いつつもこれまで予定が合わなかった。念願の訪問。
館内には全映像作品が観れるコーナーがあって、15分目安で交代してくださいと書かれているのだが、ほとんどお客さんがいなかったので、どっぷり観ていた。きちんと観たことがなかった短編を数本観たあと、腰が重くなっちゃってそのまま本作を最後まで鑑賞。

シロは見た目も行動も母親なんだか父親なんだかわからない。アニメ作品だからしょうがないけど、犬のまゆげがマヌケというかコミカルというか、まあ、微笑ましい。手塚治虫が関わっているとはいうが、動画的には、手塚アニメというよりも東映動画の雰囲気一色である。とにかく良く動いており、入魂の動画である。そうこう感心しているうちに、あれよあれよという間に、シロは殺されちゃう。

原案・構成は手塚治虫となっているが、どうも手塚治虫の考えていたものとは、かけ離れているらしい。だから言うわけではないのだが、構成のデキは極めて悪い。そして、“忠臣蔵”というタイトルを打っているわりに、全然忠臣蔵じゃないという、失策をやっている。
忠臣蔵といえば、主君の恨みを晴らすために、部下が復讐を遂げる話だが、本作は、殺された母親の恨みを晴らしたい息子と、それを気の毒に思って協力する者たちの話であって、完全に“さるかに合戦”である。忠臣蔵らしさといえば、敵の虎の名前がキラーで吉良上野介、ロックが石の意味で大石内蔵助、この程度である。

構成は無理やりな感じが強い。都会に出て強くなる!と意気込むわけだが、まあ都会に出ると強くなれるのか?という疑問が普通なら湧くだろう(笑)。ただ、森の中の世界のお話だと思っていたら(人間なんか存在しない世界だと思って観ていたのに)、突然都会が登場する。この世界観のパラダイムシフトがなかなか強烈である。

素直に街の犬たちと協力して隊を結成するのかと思いきや、またもや罠に嵌まって海に流される。なんという冒険。しかし、その後、人間の女の子に飼われて成長するのだが、なんと不義理にもこっそり奔走(せめて後でお礼にでもいくのかと思いきや、もう女の子出てこないし)。微妙にキャラ崩壊。
一方、森は人間に襲撃されちゃって、キラー以上の人間という敵の襲撃を受けて、対立軸が狂ってしまう。そうかと思いきや、森の動物たちは、動物園の生活にすっかり馴染んでしまうという斜め上の展開。もう、一体どうやってオチをつけるのだろう…って感じに。
ネタバレはしないようにするが、無理やり対決に持っていくものの、チョケてしまって腰砕けになってしまう。実に残念なクロージングに。

一点、非常に評価したい点がある。それは、ラストの動物園のシーンでの“雪”。本物の吹雪を撮影して合成してるんじゃないかと思うくらいリアル。実際、どうしてるんだろう。合成したとしてもすごいし、作画したとしてもすごい技術。評価点はここだけかな。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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