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image0009.png公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:136分
監 督:マイケル・ベイ
出 演:ユアン・マクレガー、スカーレット・ヨハンソン、ジャイモン・フンスー、スティーブ・ブシェミ、ショーン・ビーン、マイケル・クラーク・ダンカン、イーサン・フィリップス、グレン・モーシャワー、ショウニー・スミス 他
コピー:生きのびろ、地上でもっともピュアな魂。


21世紀前半の近未来。世界は放射能汚染によって済める状態ではなくなったため、完全管理の閉鎖された施設の中でコミュニティを形成し暮らしていた。地球の海上には、汚染されていない緑豊かな“アイランド”があるが、住める人数に制限があり、不定期に行われる抽選会により選ばれた者だけが行くことができ、住人にとってそれが一番の関心事だった。リンカーン・6・エコーは、そこで暮らし始めて3年が経つ。ある日、リンカーンは、換気口から入ってきた一匹の蛾を発見。生物は死滅していると聞かされていた彼は疑念を抱く。職員の目を盗んで施設内を探索するうちに、アイランド行きの抽選に当たった人間が、実は殺されているという事実を知ってしまう。彼は、抽選に当選した女性のジョーダン・2・デルタを引き連れて脱走し、初めて外の世界に踏み込む。だが、施設の管理者であるメリック博士が派遣した追手は、彼らを執拗に追跡する…というストーリー。

ありがちなSFネタだし、まったく受賞暦がなく世間的にもいまいち評価されていない模様だが、私はよくできた作品だと思う。

テクノロジーは進んでいるが古い技術も混在している街の様子などが非常にリアルだと思う。この手のSF作品では、全部が全部、技術が駆逐されてしまったかのようにデザインされがちだが、実際の世の中はそうではないからね。

生身の男女がこんなに逃げ切れるわけねーだろ?と、一瞬 疑問を抱いてしまうが、きちんと冒頭で二人がものすごく身体能力が高いことを説明されており(むしろジョーダンのほうが強い)、なかなか巧み。臓器移植のためにクローンを作っているということを謎解きのオチにはせず、脱走者と追跡者のチェイスと軸に、不正かつ非道な組織をどう追い詰めていくか。人間の尊厳…というよりも生き物の根源である“ただ生きたい”という欲求をうまく描いている。
その無垢な欲求の表現という意味では、リンカーンよりもジョーダンのキャラクターが生きている。ジョーダンは、いまいち事情が飲み込めないくせに、それなりに瞬時に対応して逃げ出せてしまう役。はっきりいってしまうとオツムのちょと足りないというか勘の悪い人の役。こういう役をやらせたら、スカーレット・ヨハンソンはぴったり。彼女だけでなく、本作のキャスティングはなかなかよろしい。

高速道路で積荷である電車の車輪を落とすシーンは、迫力があるだけではなく、非常にリアル。マイケル・ベイの真骨頂だと思う。

もう、病状が進行して時間がないにも関わらず、クローンを殺そうとするのは、ちょと無理があると感じたが、まあ、切羽詰って、逃亡を許してすべてが露見されてしまうよりはマシという、究極の選択をいうところだろう。瞬時に腕輪をつけたり、左右が逆であることの前にセンサーが埋め込まれているんじゃないのか?とか、ほころびは散見される。
ラストの、ただ開港される…という終わり方が、投げっぱなしに感じられた人も多いのだろう。これらが、評価の低い原因だとは思うは、あまりガチガチにやると、テンポも悪くなるし、流れも削がれる。このくらいがちょうどいいと私は思う。
#なんで記憶が伝播したのかという理由は、無理やりでもいいからもっと説明して欲しかったとは思う。

黒人の傭兵さんが、コートジボアールでの父親の経験を語り、クローンにシンパシーを感じていく流れもよい(これは、別に黒人差別を無理やり盛り込んだわけではない)。そして最後に、クローン開放の切り札になっていくのもなかなかよい。

『マトリックス』が記憶に新しいから二番煎じだと思われただけで、うまくまとまっている良作だと思う。

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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