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image1966.png公開年:2006年
公開国:イギリス、アメリカ
時 間:101分
監 督:マーク・パランスキー
出 演:クリスティナ・リッチ、ジェームズ・マカヴォイ、キャサリン・オハラ、ピーター・ディンクレイジ、リチャード・E・グラント、サイモン・ウッズ、ロニ・アンコーナ、レニー・ヘンリー、リース・ウィザースプーン、ニック・フロスト 他
コピー:好きになりたい。
豚の鼻を持って生まれてきた私は夢見ていた──恋することを。


名家ウィルハーン家には言い伝えられてきた呪いがあった。それは、5代前のラルフが使用人クララを妊娠させたものの、彼女を捨てて名家の娘と結婚したことに端を発する。失意のクララが崖から身を投げ自殺すると、彼女の母親が屋敷を訪れ、次に生まれる娘は豚の耳と鼻になると呪いをかけたのだ。その呪いを解く方法は、名家の者が娘に永遠の愛を誓うこと。しかし、その後ウィルハーン家に生まれたのは男児ばかりで、初めて生まれた娘がペネロピだった。彼女の鼻と耳は呪いのとおり豚のそれで、ショックを受けた母ジェシカは、大衆の目から守るため、彼女を死んだことにして屋敷に幽閉してしまう。そして、ペネロピが18歳になると、真実の愛が呪いを解くと信じているジェシカは、多額の持参金を餌にして次々と見合いをさせるのだった。しかし、見合いの相手は、ペネロピの顔を見た途端に驚いて逃げ出す始末で…というストーリー。

お話の発端は『ダーク・シャドウ』とまったく同じで、領主様の慰み者になった使用人の娘側が一族に呪いをかけるというお話。実際に欧米ではよくあった出来事なんだろうさ。

それほど評価されていないようだが、なかなかウマくできた、現代の御伽ばなしだと思う。
目先の金に釣られて、彼女の顔を撮影することを依頼されたイケメン男ジョージと、ちょっとした行き違いが重なって、心を通わせることになる豚鼻の娘。顔を見ないままの会話が、なかなか微笑ましい。屋敷に閉じ込められているとはいえ、娘を飽きさせないため、お姫様のような服装や部屋の様子。極めて女の子向けな内容でスタートし、行き違いありーの、ドタバタありーのという展開。

そのまま終わってしまったなら、男性はおもしろくないのだが、中盤からは、一人立ちのストーリーになっていく。悪役であるエドワードらの策略だけでなく、母親との軋轢によって、彼女は家出。顔を隠したまま街にまぎれていく。こういうプロットポイントのメリハリが効いていて、興味は失せない。
その後、カミングアウトして、さらにエドワードの悪意に翻弄されていくわけだが、まあ、その辺は中だるみ。こりゃこのままつまらなくなるのかな…と思っていたら、なんとちょっと意外な呪いの解け方だった。この呪いのとき方は秀逸だったと思う。おもしろかったよ。
#でも、父親は十分に娘のことを愛していたようにみえるんだけどなぁ…。

ただ、普通の鼻になったら、さほどかわいくないという…(笑)。観てる側が豚の鼻に慣れちゃったのかもしんないけど。『バッファロー'66』の時はトランジスタグラマーな魅力満載だったのに、『耳に残るは君の歌声』のときは、役柄のせいなのか、むちむちだって言われるのがイヤだったのか、細くなって気持ち悪さ満載になってしまった。そこから6年経って、すこしは昔のムチムチ感が戻ってきたんだけどやっぱり、中途半端だね。

そして、母親を最終的な悪役にしちゃうというオチがいかがなものか…と。さらに、声が奪われる新たな呪いとか、冷静に考えるとものすごく救いがない。反面、エドワードが地獄に落ちるような流れにならないという。ある意味シュール。
また、家を出てからどれだけ時間がたったのかよくわからんが、学校にもいってない人が、そんなに簡単に教師になれるものなのか。そして、恋愛的にはハッピーエンドっぽく終わるけど、ギャンブルに溺れるやつは、どんな理由があれど、絶対に繰り返すからな(笑)。ペネロペは絶対に苦労することになるよ。

まあ、トータル的には、悪くない出来映え。ラブロマンスとファンタジーと童話特有のエグさがうまくミックスされた作品。軽くお薦め。
#最後のちっちゃい船はやりすぎ。興醒め。

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