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公開年:1999年
公開国:アメリカ
時 間:119分
監 督:キンバリー・ピアース
出 演:ヒラリー・スワンク、クロエ・セヴィニー、ピーター・サースガード、ブレンダン・セクストン・III、アリシア・ゴランソン、アリソン・フォーランド、ジャネッタ・アーネット、マット・マクグラス、ピーター・サースガード、ブレンダン・セクストン三世 他
受 賞:【1999年/第66回NY批評家協会賞】女優賞(ヒラリー・スワンク)
【1999年/第25回LA批評家協会賞】女優賞(ヒラリー・スワンク)、助演女優賞(クロエ・セヴィニー)
【1999年/第57回ゴールデン・グローブ】女優賞[ドラマ](ヒラリー・スワンク)
【1999年/第15回インディペンデント・スピリット賞】主演女優賞(ヒラリー・スワンク)、助演女優賞(クロエ・セヴィニー)
【1999年/第5回放送映画批評家協会賞】主演女優賞(ヒラリー・スワンク)
コピー:自分自身を 見い出すための 勇気を描いた 衝撃の実話。
1993年、ネブラスカ州リンカーン。性同一性障害の女性テーナは、男性の格好をしてブランドンと名乗り生活していたが、軽犯罪を重ねたため街にいられなくなり、フォールズ・シティという街に向かう。ブランドンは、そこのバーでラナという女性に出会い、すぐに恋に落ちる。その後、彼女だけで彼女の友人や家族に対しても男性と偽って付き合いを続けていたが、とある事件がきっかけとなり、秘密が明るみになってしまい…というストーリー。
性同一性障害という医学的な疾患をテーマにした作品としては、いささか不真面目な気がするなぁ…と思いながら観ていた。一見理解のあるラナの行動だけど、それは家族でもなんでもない距離感だからだろうし。こういう症状の人を家族に持ってしまった人の苦悩とか、そういうことを考えると理解してくれた人が見つかってよかったね…なんて手放しで喜べない。
#もちろん、ラナの母親の態度や、アホ二人の行動が肯定するつもりはない。
作品自体も、性同一性障害というものの存在とか苦悩に対する理解を深めさせたいのか、人の不寛容というものを表現するツールとして単に登場させただけのことなのか、意図が見えてこない。それに加えて、可愛そうな状況だってのはわかるんだけど、性同一性障害の部分を除いても共感できない主人公像。同様のことを『僕を葬る』のときにも言ったけど、バーで不特定の相手を物色することに執着するわ、犯罪を犯すことも厭わないは、性がどうのこうの以前の問題かと。そんなになっちゃったのも、性同一性障害について周囲の理解がないからだから、理解しろよ!と押し付けているのなら、それを受け止めることを私は拒否する。
それに、アホ二人の所業も、あまりにひどくて、こんなに不条理で救いがない展開にする意味があるのかよ!という気持ちになるほど(何故にその人まで死なねばならんか!?)。
どうも釈然としなかったんだけど、途中で確認したら実話ベースだった(ラストでわかるんだけど)。実際の事件がベースならしょうがない…(と、思うしかない)。セミドキュメントだとすれば大変デキは良い作品だろう。ズドーンとみぞおちに衝撃をくらった感じはする。でも、フィクションとかノンフィクションとかカテゴリを超越して純粋な作品として括って評価するならば、あくまで“実話ベース”ならば…という注釈付きの評価にならざるを得ず、手放しですごく良い作品!とは言い難い。
もしかすると、冒頭で「この作品は実話に基づいています」とはっきり入れてくれれば、おもしろくなったのかもしれない(もしかして見落としてる?)。
本作のヒラリー・スワンクの演技の良し悪しを私は評価できない。難しい役を演じきったのは明らかなんだけど、そういうがんばったで賞的な部分を差し引いて、純粋に演技が素晴らしかったのかどうか、私にはわからないから(ハードさに目がいってしまって演技がどうのこうのという観点で観られなかった)。
これから観る人は、実際の事件がベースだ!ということを認識した上で観よう。ひたすら重いし、腹立たしいし、どうにもできないもやもやが心に渦巻くけれど、“納得”はできると思う。条件付きでお薦め。
#コレを観た後に、TVのチャンネルをひねると、オネエキャラの人が普通にコメントとかしてる…という状況のほうが、よっぽど味わい深い空気だったけどね。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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