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image1382.png公開年:2008年 
公開国:日本
時 間:96分
監 督:高橋玄
出 演:本郷奏多、高梨臨、松尾敏伸、柳生みゆ、山中聡、鳥肌実、夏生ゆうな、中田圭、二階堂智、奥田恵梨華、長塚圭史 他
コピー:君が死にたくなったときは、きっと僕が殺してあげるよ。




日頃は模範的な高校生でありながら、その内面では猟奇的な犯罪に異常なまでに興味を示している神山樹。クラスメイトの森野夜は、そんな神山の二面性を見抜き近づいていく。周囲との関わりを避けていた森野だったが、神山に共鳴しいていき、次第に心を許すようになる。やがて二人は、巷を騒がせている連続猟奇殺人事件に興味を抱き、赴くままに事件の真相に迫っていく…というストーリー。

箸にも棒にも掛からない、お子様向け作品と片付けるのは簡単なんだけど、二つの大きな問題があるだけで、実は悪くない作品だと思う。ただ、二つの問題があまりに致命的すぎるんじゃないかと。

一つは、原作のノリを、映画制作陣がつかめていないらしい点。大ヒット作品らしいのだが、私は読んでいない(多分、今後も読まないと思うけど)。猟奇的な内容を扱うことなんていまどきめずらしくもなんともないし、高校生男女を軸に繰り広げられようがなんだろうが、大して新規性はない。でもヒットしているいうことは、こういうテーマを無駄な説明もせずにさらっと表現するような、独特のノリがある文調なんだと思う。悪い言い方かもしれないが、原作者の乙一という人は、ハードルを下げるのがうまいんだと思う。変に煽ったり、これからスゴイ話ははじまりますよー的なことを一切せずに、さらっと表現していくので、あまり手のこんだことをしなくても、効果的なんだと思う。若い人たちにとっては、それがリアリティに繋がっているんだろう。

しかし、本作の製作陣は、ヒット作の映画化ということもあって、表現に策を弄しすぎた。それもどちらかといえば小手先と言われても仕方ないくらい技巧に走ったと思う。どれだけさらっと淡々と表現できるかが、本作の勝負ポイントだったと思うのだが、皆さんはどう思われるか。
簡単にいえば、変に雰囲気をつくって身構えさせたためにインパクトが削がれ、観ている人に注視させる余裕を与えてしまうことに繋がり、あら捜しをさせる結果になったと思う。

もう一つの敗因は、本郷奏多という人の演技。はっきりいってしまうと、「自分は世に言う猟奇犯罪者たちと同じ性向をもった他者とは違う特別な人間なんだよぉ~」っと悦に入ってるだけの勘違いボウズにしか見えなかった。私は、最後になったら、知識だけのなりきり厨が本物と出会って、ヘタレっぷりを発揮しておしっこでも漏らしてくれるのかとおもったのだが、そのままのダークなキャラで終わってしまった(おまけに犯人と対峙する役回りまでになってしまった)。力不足という言葉は、ここで使わないでいつ使うんだと思うほどである。本当にこれはイカン(わたしが原作者なら怒るよ)。
このクソみたいな演技のせいで、神山はダークサイドにいっちゃうの?みたいなドキドキが半減どころか激減しちゃって…。
#まあ、この役は荷が重かったというだけで、役者としてすべてを否定するわけじゃないんだけど。

その他にも、神山も森野も指紋をベタベタ残しすぎだとか、もっと説明しないと姉妹が入れ替わったことにリアリティが無さすぎだとか、ビジュアル化する時には色々補完しなくちゃいけないことがわかっていないとか、シンケンピンク高梨臨のかわいさもいまいちピンとこないとか、とほほなポイントは多々あるんだけど。
多分、本作を観るくらいなら原作を読んだほうが楽しめるんだと思う。どうして『ミレニアム』のような作品にならないのか、日本映画というものにがっかりさせられる一本。

#リメイクされても、ハリウッドじゃ仰々しくなって味は出ないだろうな。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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