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公開国:フランス
時 間:86分
監 督:ビボ・バージェロン
出 演:ヴァネッサ・パラディ、(英語版)アダム・ゴールドバーグ、ショーン・レノン、(仏語版)ジェイ・ハリントン、ガド・エルマレ、マチュー・シェディド、フランソワ・クリュゼ、リュディヴィーヌ・サニエ、ジュリー・フェリエ、ブルノ・サロモネ 他
1910年代のパリ。自称発明家だが配送業をしているラウルは、友達の映写技師のエミールを乗せて、とある博士の研究室に荷物を届ける。研究室に入っていたずらを始めるラウルは、そこにあった薬品で遊んでいると、偶然、生き物を巨大化させる薬を配合してしまう。草花を強大化させてしまうが、一緒に別の何かも巨大化させてしまう。その日から、2メートルほどの謎のモンスターの目撃情報が、パリの至るところから寄せられ、大騒ぎに。そんな中、ラウルとエミールの幼馴染で、人気歌手のルシールのところに、モンスターが現れる。しかし、そのモンスターの美しい歌声に心惹かれたルシールは、モンスターを楽屋に招き入れる。モンスターが音楽を大好きなことを知ったルシールは、変装をさせて''フランクール''と名前をつけ匿おうとするが、ステージママにフランクールがみつかつぃまいステージに出すことになってしまい…というストーリー。
日本未公開のアニメということでまったく期待していなかったのだが、どうしてどうして、非常に質の良いアニメだった。
アメリカでも日本でも、CGアニメは陰影処理こそしているが、いまいち奥行きを感じない作品が多い。CGにすることで楽に仕上がっているのならわかるが、かえって手間がかかるならCGにする意味があるのか疑問な場合も多々ある。
エンドロールに出てくる原画(か絵コンテ)がすばらしく、3Dじゃなくて、そのままそっちで作ったほうが名作になりそうではあるが、本作は、奥行きを感じる構図と、落ち着いた配色によって、作品全体が非常に良い雰囲気に仕上がっている。
また、アクションが非常に小気味良い。モーションキャプチャーのような手法は使っていないと思うのだが、とにかく動きがよい。人が動く時の、肩や腰のグッと入る感じが実にうまくて、デッサンの基礎能力が非常に高い人による仕事であることがわかる。いかにも、欧米のアニメらしいキャラクターなのだが、このキレのあるモーションのおかげで、アニメであることを忘れる瞬間があるほどである。これは今の日本のアニメに欠けている技術的方向性。是非見習うべき…というか、この基本に立ち返るクリエイターを育成しないと、あっという間にフランス産アニメに追いつけなくなる日が来る…そんな気すらする。
フランスが大洪水にみまわれているという設定も愉快だし、キャラクターの配置もユニーク。映写技師のエミールとモギりの女の子とのくだりでスタートするのだが、彼らは話の主軸ではない。その友達のラウルでもない。彼らが生み出したモンスターと、後から登場するルシールとの、オペラ座の怪人のようなストーリーが主軸になっていく。敵役として登場する警察署長(選挙があるから保安官?ちょっとフランスの警察制度はよくわからん)が登場し、彼らを追いかけ苦しめる。さて、彼らはフランクールを守れるか否か?味付けのちょっと濃いキャラクターたちはどう絡んでいくのか。ちょっとヒネりのある世界観で、なかなか面白いと思う。
うやむやのうちに警察署長が逮捕されたり、肝心の博士が顔もださずに、都合よく薬だけ作ってくれたり、よく考えると、ブラッシュアップしきれていないような気もするのだが、それを押し切るだけの、画面の力がある。アメリカの3Dアニメとは、微妙に一線を画する作品。軽くお薦めしたい。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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