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公開年:2013年
公開国:アメリカ、イギリス
時 間:102分
監 督:ダニー・ボイル
出 演:ジェームズ・マカヴォイ、ヴァンサン・カッセル、ロザリオ・ドーソン、ダニー・スパーニ、タペンス・ミドルトン、サイモン・クンツ、マット・クロス 他
コピー:ここは、誰も見たことのない<記憶のその先>――。
ゴヤの傑作“魔女たちの飛翔”がオークションにかけられ、2750万ポンドという高値で落札されたその時、会場に強盗が押し入る。競売人のサイモンは緊急時マニュアルに従って絵を速やかバッグに格納し金庫へに運ぶ。しかし、バックヤードにはギャングのリーダー フランクが待ち伏せしており、絵画を奪われてしまう。サイモンは絵を奪われまいとフランクが持っていたスタンガンで攻撃。怒ったフランクはサイモンを殴り倒し、そのままサイモンは昏倒してしまう。しかし、逃走後にバッグを開けると入っていたのは額縁だけで、フランクが激怒。実は、サイモンの借金の肩代わりとして、強盗の手引きをする約束になっていたのだ。その後、殴られて脳出血したために手術を受けたサイモンは、目覚めると例の絵画に関する記憶を失ってしまっていた。フランクはサイモンを拉致・拷問して、記憶を呼び戻すために催眠療法士のところに通わせるのだったが…というストーリー。
二転三転の巧みなストーリーであることは認める。でも、ごちゃごちゃしすぎ。格好良い画は、さすがダニー・ボイルといったところだが、話のごちゃごちゃに寄与してしまっているのも残念。
トランス状態になりやすい人…という都合の良い設定が、とってもつまらなく感じる。結果的にはそれも伏線ではあるのだが、それを聞いた時点で、そうとう興ざめした。
基本的には、なんでサイモンが共謀していたはずのフランクを裏切ったのか?っていう謎解き話だと思うが、サイモンというキャラクター自体に魅力がないので、興味が薄くなる。じゃあ、ストーリーを握っているは、エリザベスなのかフランクなのか。両俳優はいい演技ではあったが、“なぞ”のためにその辺が判然としないのも、敗因。
本作は、些細な描写が実は重要な伏線でした…ということが多い。でも、伏線が回収されても「ああ!」とか気持ちいいと感じないのが多かった。さてそういう回収されているだけの伏線は伏線といえるのか…という、シナリオテクニックとしてアリなのかナシなのかというの根本問題にぶちあたる。
最終的に明かされた事件のトリックも、実に凡庸。
巧みに配置された仕掛け…とはいうが、フランクによるラム医師のチョイスは偶然なんだよね(もしかして違うの?)。どんだけ巧みな仕掛けがあっても、その偶然の上に立脚しているお話だ…と考えると、ちょっと興ざめしてしまった。
治療の過程で、サイモンがどういう記憶に執着しているか調べるごっつい機械がでてくる。ああいう装置は存在するので別に文句はないが、町の療法士ごときが何でそんなもん使えるか。催眠療法士ごときが、人の記憶を都合よく消すような魔法の能力をもっているのか。
振り返って考えると、超高額な絵画のキャンバスをあんな風にカットした時点で、興ざめしちゃって、あとは惰性で観ていたかもしれないな。
なんか、ごちゃごちゃした小汚い冷蔵庫の中を見せられたような気分になる作品。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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