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公開年:2013年
公開国:日本
時 間:128分
監 督:佐藤信介
出 演:岡田准一、榮倉奈々、田中圭、福士蒼汰、西田尚美、橋本じゅん、鈴木一真、相島一之、嶋田久作、児玉清、栗山千明、石坂浩二、テイ龍進、波岡一喜、落合モトキ、井坂俊哉、工藤俊作、阿部丈二、草薙良一、増田修一朗、俊藤光利、大迫一平、植木祥平、松崎裕、朝香賢徹、荒木貴裕、生島勇輝、大塚幸汰、中村織央、和田亮太、井出卓也、大塚ヒロタ、前野朋哉、岸本尚子、吉岡奈都美、五十嵐麻朝、上野直人、廣瀬裕一郎、千野裕子、山森大輔、春日井静奈、寺田伽藍、西田奈津美、桝木亜子、満田伸明、西守正樹、加藤貴宏、河野マサユキ、瀧口亮二、亜佑多、夛留見啓助、新田匡章、渋谷謙人、内ヶ崎ツトム、根本太樹、黒石高大、沖原一生、北代高士、熊川雄大、斉藤悠、塩見大貴、山口航太、三元雅芸、佐藤誓、樋渡真司、国枝量平、岩手太郎、清水一彰、大久保運、平野靖幸、剣持直明、須田琉雅、吉澤実里、平澤宏々路、碓井由美、石田由紀子、岸田タツヤ、増田俊樹、大塚和彦、青木一平、田野良樹、内藤トモヤ、黄田明子 他
コピー :本のために、あの人のために。

1988年(正化元年)“メディア良化法”が制定され、風紀を乱す表現を含むと判断されるメディアを取り締まることが可能となった。政府は検閲のための武装組織“メディア良化隊”を結成し、各地の図書館・書店の書籍を灰燼と化してきた。文化の衰退を恐れた図書館は、2004年(正化16年)、読書の自由を守る自衛組織“図書隊”を結成。以降、両陣営の死闘が繰り返されてきた。2019年(正化31年)、図書隊に笠原郁が入隊する。彼女は、高校生のときに図書隊隊員に読みたい本と彼女自身を助けてもらった経験があり、その隊員のようになりたいと、入隊を希望したのだ。担当教官となった二等図書正・堂上篤は、笠原を容赦なく地獄の特訓に放り込むが、元々男子顔負けの身体能力だけが取り柄の笠原は、意地で喰らい付いていき、とうとう女性初の図書特殊部隊ライブラリータスクフォースに配属されるまでに成長する。そんな中、小田原にある私立の情報歴史図書館の館長が死亡する。良化隊とはいえ私有財産の検閲まではできないために、これまで難を逃れてきたが、所有者がいなくなれば検閲は可能。そしてその図書館には、メディア良化法成立に関する、政府側が知られたくない資料が存在すると噂されており…というストーリー。

本当は、あまりディテールに観客の目を向かせてはいけない作品だと思う。たとえば、笠原が憧れる王子様のくだり。堂上の行いは、いくら図書隊のことがニュースにならないといっても、図書隊が不利な事件だったんだから、調べれば記事くらい残ってるだろう…とか。いくら逆光で後姿しかわからんといっても、声と慎重と担当地区からある程度の予想はできるだろう…とか、なぜか堂上だけは王子様候補から除外されているのは都合がよすぎるだろう…とか。
小田原の図書館が私有財産だから検閲できないっていうけど、書店にある書物だって私有財産だろ…とか。誰かに相続されるんだから、所有者が死んだって、私有財産だろ…とか。etc。
原作ではきちんと説明されているのか知らんけど、映画を観ている分には、ツッコミし放題。まあ、明治=M、大正=T、昭和=Sときて、正化=Sはあり得ないんだから、その程度のレベルだと、早々に諦めをつけるのが正しいのだろう。

しかし、“観客に余計なことを考えさせるな”は、映画の鉄則だと思う。どんな作品だって穴はある。別に観客は穴探しのために映画館に足を運んでいるのではない。愉しむためならいくら騙してもらってもかまわないと思っているのに、わざわざ綻びを見せて興ざめさせるという無能っぷりを発揮する必要はない。何が言いたいかというと、本作は、冒頭から38分くらいまでに、日本映画のダメさが、ギュっと濃縮されてのだ。なんなら、38分から観始めたほうが愉しめる(試してみて)。
メディア良化法の成立や、図書隊結成の経緯、笠原が入隊するまでのエピソード、現在の争点、世相などをだらだらと、それも“ナレーション”で説明するという愚策。
そういうのは、登場人物のセリフや現在進行形のエピソードを使って理解させるべきである。むしろ、観客に「え?それどういう意味?」「どういう状況?」と疑問を沸かせて、ストーリーを進行する上で答えを小出しにして、観客の頭の中に“ああ、そういうことか!EUREKA!”を作っていくのが常道だろう。シナリオが悪いのかもしれないし、監督のセンスがないのかもしれないし、こんな編集で良しとした製作側が悪いのかもしれないが、とにかく、頭から38分くらいまではイライラする。それで、128分まで上映時間が長くなっているというのも、釈然としない。
#38分迄はどうすべきだったのか?というのは、映画監督を目指す人のための、ワークショップのいい教材になると思う。

一応、褒めるところは褒めることにする。それ以降は、観られる。話が動き始めると、細かいことが気にならないので、とても愉しめる。原作の長さだとおそらく意味のあるキャラクターであろう、 田中圭演じる小牧や、福士蒼汰演じる手塚が、別に彼らじゃなくてもいい状態だとしても、疾走感がそれを上回る。
昨今焦点になっている児童ポルノの単純所持に関する法案とか、自衛隊の専守防衛に対する揶揄なんだろうな…と思うけど、後半はそんなこと、どうでもよくなるほど、ストーリーが動いている。本当に、面白い世界観だと思う。思いつきをこういう形に仕上げた、原作は秀逸なのだろうなと思う。

私の言い分を読んで、駄作だと忌避する必要はない。38分まで早送りするなり飛ばすなりすれば、とてもとても愉しめる。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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