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image1712.png公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:112分
監 督:ジョン・ヒルコート
出 演:ヴィゴ・モーテンセン、コディ・スミット=マクフィー、ロバート・デュヴァル、ガイ・ピアース、シャーリーズ・セロン、モリー・パーカー、ギャレット・ディラハント、マイケル・ケネス・ウィリアムズ 他
受 賞:【2009年/第63回英国アカデミー賞】撮影賞(ハビエル・アギーレサロベ)
【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】主演男優賞(ヴィゴ・モーテンセン)、若手俳優賞(コディ・スミット=マクフィー)、メイクアップ賞
コピー:父には息子が、息子には父が全てだった。それぞれが、相手の全世界となって──。

突然の大災害により文明を失った世界。空は塵に覆われ寒冷化が進み動植物は死滅しはじめて、10年以上が経過。食料が尽きた世界で、ある者は餓死し、ある者は自殺を選び、またある者はお互いを食べ合う。そんな荒廃した世界で、善き者であろうとし続け、南を目指し歩き続ける父と息子がいた…というストーリー。

『ザ・ウォーカー』とまったく同じ設定の作品。同様に“イーライ”が登場することからも、裏にある隠喩が同じであろうことがわかる。はっきり言って、終末思想のある宗教観の人じゃないと、ピンとこないのではなかろうか。聖書にあるとおりにのことが顕れると、随喜の涙を流して喜ぶような人にしかね。『ザ・ウォーカー』の場合は、まだ、異教徒でもSF作品として受け止めることは可能だったに、本作は何が何やらわからない状態。
#この二つの作品を、近い時期に公開しちゃうアメリカって、なんなんだろう。おまけにアメリカ国内では、本作の評価が相当高かった模様。原理主義者の思考はよくわからん。

滅び行く世界がすごくリアルだと評価する人がいるのだが、そうかあ?って感じ。まあ、大災害の様子が描写されていないから、なんとも言えないんだけど、民家とか市街地は破壊こそされているが、根こそぎ消滅しているわけでも無さそう。ならば、食料がなくなるのは判るとして、10年やそこらで靴や衣服は枯渇するのは変な話。タダでさえ人間がバタバタ死んで使う人はいないわけだし、それこそ売るほど残っているはず。

根本的に、なんで南の海岸に行かねばならぬのか。いや、寒さから逃れるために南にいくというのはわからんでもない。で、あれだけガリガリになったときに、奇跡的に発見したシェルターを放棄してまで、南にいくモチベーションって何?数百キロでどれだけ気候が違うっていうのか(いままでもっと北にいたんでしょ?)
人の足音がしたからと、安全策で移動したくなるのもわかるが、とりあえずシェルターからある程度の食料を持ち出した後にシェルターをしっかり隠し、そばの家なり近くの森なりに隠れて何日か様子を伺うのが、普通の思考だろう。人の親なら、子供の体力回復を優先しろっての。

最後に、絵に書いたような父母兄妹に犬という家族が登場って、何を意味しているのやら。結果からすると、シェルターの上を通ったのは、最後の家族なんだろう。そうなると、おびえて逃げ回った父の役回りはなんだったのか。父の死は単なる独り立ちの儀式か、だとすると家族と出会い子供として受け入れられるのはどういうことなのか。
また、いろんな場面で、“いい人”“悪い人”という表現が出てくるが、盗んだり、人喰いしたりする人が悪い人という、この期に及んでそんな単純な線引きしかしない価値観の押し付けに、かなりうんざり。インチキくさい宗教家の詭弁まみれの説法を聞かされ、煙に撒かれたような感じ。

親子愛を感じるためとか、滅び行く世界のサバイバルを実感するとか、狂った世界の恐怖を味わうとか、そういう目的ならもっと他の作品がある。どの要素をとっても水準以下だと思う。正直、おもしろくないを通り越して不快。お薦めしない。




負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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