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公開年:1989年
公開国:アメリカ
時 間:96分
監 督:ロン・アンダーウッド
出 演:ケヴィン・ベーコン、フレッド・ウォード、フィン・カーター、マイケル・グロス、レバ・マッケンタイア、ボビー・ジャコビー、ヴィクター・ウォン、ビビ・ベッシュ、アリアナ・リチャーズ、シャーロット・スチュワート、トニー・ジェナロ、リチャード・マーカス 他
コピー:土煙をあげて、大地が裂けてゆく- 突然おこった地核変動の謎は?
ネバダの砂漠地帯にある小さな田舎町。そこで便利屋をしているヴァルとアールは、ロンダという大学院生と出会う。彼女は、数日前から奇妙な振動が計測されており、その原因を調べているという。ヴァルとアールは、刺激のないこの町に嫌気がさしており、この町を出る決意を
した。その道すがら、酔っぱらい老人が鉄塔の上にしがみついたまま死んでいるのを発見する。死体を降ろして町まで運ぶが、死因は脱水症状。なんで喉が渇いても鉄塔から降りようとしなかったのか、理解不能。しかし、その後も、工事現場の作業員が消えたり、家畜が食い荒らされたり、車が地中に埋まってたりと、奇妙な事件が連続発生する。やがてヴァルたちは、それらが地底生物の仕業であることを知るのだったが、町の電話は不通となり、周囲の道路も寸断されて陸の孤島と化してしまい…というストーリー。
本作、すごく記憶に残っているんだけど何故なのかと調べると、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』の同時上映だったんだな。劇場で観てるんだわ。BTF3が大作然としすぎているから、ショボく感じたか?と思いきや、実際は2と3の連続製作という目新しい手法で話題になり期待値が上がりまくったせいで、実際は満足度は高くなかった。かえって本作のほうが心に残った人が多かったのではなかろうか。まあ、今考えれば、なんと贅沢な二本立てだろう。
でも、その割には、地中生物のフォルムを『DUNE/砂の惑星』のワンドワームと混同していたりするんだけどね(本作の生物は、けっこう短い)。
基本プロットはジョーズに近い。そして、だだっ広い砂漠地帯とはいえ、周囲の町とは遠く隔てられた土地で、道も寸断されているという、ある意味“密室劇”的な舞台。学校帰りに、“高いところだけを歩いていき、落ちたら鮫に襲われる”的な遊びをしたことがある人も多いだろうが、そういうノリを真剣に映画に仕上げた作品。
さらに、未知の生物の特性を探りながら解決策を差靴という、謎解き要素も加わる。
キャラクターも実にウマく配置されている。ケビン・ベーコン演じるヴァルは、クールで行動力のある若者。粗野な男のようでありながらも卒なく物事をこなすだけでなく、結構賢いし、思い切りもよい。話が進めば進むほど好青年であることがわかってくるので、理想の女性像を追いかけているウブさが相まって、どんどん魅力的に見えてくる。ケビン・ベーコンは結構イヤな役柄が多いので、
さらに、そしてバディ物としての要素もある。ヴァルの相棒アールは、ちょっと年上で冷静。常に良いフォロー役として振る舞い、アクティブなヴァルといいバランスが取れている。そして、恋のキューピッド役もこなす。
町の住人もユニークな人だらけで、銃器マニアの夫妻は、核シェルターを用意するほど“生”への執着がある。だから、怪物が襲ってきても、その蓄えた火気をフルに使って反撃する。採取的に怪物退治が可能だったのも、彼らの知識があったればこそ。でも、生への執着は、自分勝手さとしても表出し、町の人と軋轢も生じる(このバランスがシナリオ的にウマい)。
食堂のアジア系(?)の親父や、ふざけてばかりの若者など、余計なことをしてピンチになったり、色んなことを想いついたりと、それぞれいいところで役割を果たしている。
もちろん、異変をいち早く察知したロンダも、ヒロインと戦う仲間の両方を見事に両立。彼女の知恵が、何度もも彼らを救う。
こういう、大ピンチを共有した結果、恋愛に至り結ばれるという展開も、『スピード』よろしくありがちな展開。そういう以上な状況で結ばれても、長続きしないというのは世の常なので、なんとなーくニヤニヤした生暖かい感じで観終えられるのも、おもしろい。
ありがちでお約束な材料ばかりが集約されているのに、ここまで面白く仕上げられているのは見事。大人版の『グーニーズ』みたいで、とてもワクワクしながら鑑賞できる。
モンスターの造型以外は、たいしてお金がかかっていない(とはいえ数億円レベルの制作費だとは思うけど)。地中を怪物が進む様子だって、シートの上に地面をつくっているギミックはバレバレ。でも、それで十分なんだよね。知恵と企画の勝利。
なーんの映画賞も獲っていないが、映画賞なんか作品の普遍性とは無関係だといういうことを証明している作品。秀作だ。若い世代で観ていない人は多いかもしれないけど、これは観るべき。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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